認定司書への道 第6回(最終回) 自己研鑽のポイント化
日本図書館協会認定司書事業委員会
自己研鑽ポイントとは
図書館法第7条の趣旨からも司書は自己研鑽を重ねることが求められています。認定司書に認定されるためには,自己研鑽ポイント一覧の表(末尾参照)で指定されているポイント数に換算して合計20ポイント以上が必要です。
研修の受講経験
研修・研究集会に全体の8割以上参加を前提として,半日単位(正味2時間から3時間)の受講で1ポイント,1日すべて(正味4から6時間)の受講で2ポイントとなります。複数日にまたがる場合は,1日ごとに正味の時間を算出し,合計してください。
基本的に全国各地で開催されているすべての研修はポイントとして認められることになりますが,次の場合には認められません。1)職位に応じた行政研修,2)公務員として知っておくべき一般的トピックに関する研修,3)館内・内輪でのみで行われ,外形的な証拠もなく,外部から実施を確認できない研修。3)については,いいかえれば,外形的に研修の実施が確認できるならば館内研修の受講も認められることになります。
研修の講師経験
研修で講師を担当した場合は,受講ポイント数の2倍を上限としてプログラム全体への関与に応じてポイント数が認定されます。ごく短い時間だけ講師を担当する場合も,図書館関係学協会の研究大会での口頭発表,実践報告発表等(表の5)学協会活動)としてポイント認定の対象になりますのでそちらもご参照ください。また,館内研修でも外形的に確認できる場合には研修講師経験が認定されることになります。
社会的活動
司書としての専門性に立脚して社会に貢献する活動を行っていたり,図書館界の振興に寄与する活動を行っていたりする場合には,社会的活動としてポイント認定の対象となります。ただし,司書としての専門性に立脚しない社会参加が認められませんし,一個人としてのボランティアへの参加も対象外になります。
また,図書館関連団体の役職経験もポイントの対象となります。段階の規模・活動等を踏まえて審査会が認定することになりますので,ご注意ください。
連載の終わりに
論文・自己研鑽ポイントについては,申請期間に公表される最新の「日本図書館協会認定司書制度申請書類記入マニュアル」でご確認ください。また,認定要件の充足に関わる個別具体的な問い合わせには審査会が審査することになるため,認定司書事業委員会ではお答えすることができません。ご了承ください。
『図書館雑誌』10月号では,第3期の申請の募集要項が公開されます。一人でも多くの方が認定司書審査に申請していただくことを期待してこの連載を終了いたします。
表 自己研鑽ポイント一覧(日本図書館協会認定司書審査会内規より)
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活動の種類
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ポイント数
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1)
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研修(*1)の受講経験
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半日(2~3時間程度)
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+1(*2)
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全日(4~6時間程度)
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+2(*2)
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2)
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講師経験
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1)に規定される研修の講師経験
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講習受講で獲得するポイントの2倍を上限に内容に応じて審査会が認定
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司書課程もしくは関連諸領域講義科目の講師経験
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担当科目単位数の3倍を上限に内容に応じて審査会が認定
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3)
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社会的活動
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図書館関連団体(*3)の役職経験
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1期(2年)で6ポイントを上限に活動期間・団体規模・内容に応じて審査会が認定
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上記以外の図書館振興のための社会的活動
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活動の内容に応じて審査会が認定(*4)
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4)
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単位・学位取得
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大学院における図書館情報学関連の単位・学位等取得
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+1~+20(内容に応じて審査会が認定)
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5)
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学協会活動
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学協会の研究大会での口頭発表,実践報告発表等
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内容に応じて審査会が認定
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6)
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その他
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その他研修修了の認定に資するもの
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審査会が申請に基づき内容に応じて認定
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*1 図書館法第2条にいう図書館の業務に関わる研修であること。
*2 当該研修の8割以上の時間を受講していること。
*3 図書館法第2条にいう図書館に関連する団体であること。
*4 個人的な奉仕活動は含まない。図書館の専門的職員として有する専門性を活かした活動であること。
[NDC9:013.1 BSH:図書館員]
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