令和6(2024)年能登半島地震について

この度、地震により亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。
また、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げ、一日も早く平穏な日々に戻る事をご祈念申し上げます。
日本図書館協会及び図書館災害対策委員会も微力ではありますが、支援を模索し、対応してまいります。
被災情報並びにお困り事がありましたら、メールにてご一報いただければ幸いです。
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日本図書館協会の見解・意見・要望

2009/12/11

「図書館の設置及び運営上望ましい基準」策定についての意見

「望ましい基準」は、図書館の設置及び運営に関する具体的事項について、国がその責任において示すことにより、図書館法が求めていることの実現を図るものである。図書館の設置促進、司書の配置、管理運営の基本、図書館のサービス向上など図書館振興に資することに今日的意義がある。
今般の「望ましい基準」策定にあたって、現「望ましい基準」の活用状況を踏まえつつ、その告示以降の国の諸施策や図書館活動の成果等を生かす視点で、留意すべき点を取りまとめた。
  なお「望ましい基準」は、社会の変化、図書館サービスの進展など著しく変わる状況を適宜踏まえて改訂されることが欠かせない。教育振興基本計画が10年を見通しつつ5年間に取り組むべき施策を示していること等を勘案し、5年程度を目途として見直しを行うのが妥当である。

1.「望ましい基準」の確実な達成を期するために
  ・図書館法第7条の2に基づく大臣告示とする。 
  ・「望ましい基準」の達成状況について確認を行う手立てを盛り込む。
  ・「望ましい基準」の達成年次を盛り込み、その結果についての評価、総括を踏まえ て改訂を行う。   

2.「望ましい基準」の達成状況を把握するために、図書館設置や運営、サービスの水準についての評価項目を示し、目標数値を掲げる。

3.現「望ましい基準」告示以降成立した「子どもの読書活動の推進に関する法律」および「文字・活字文化振興法」は、図書館の整備と活用が不可欠としていることの趣旨を踏まえる。

4.私立図書館については、図書館法第26条にノーサポート、ノーコントロールの原則がうたわれていること等から、極力抑制的な基準とすべきである。
私立図書館はその成立事情や歴史的経緯が多様であり、有志の努力によって築き上げられてきたものである。その誇りと伝統、専門性、自主性を尊重し、その進展につながるようにする。

5.図書館法には第6条、第7条、第7条の2、第9条、第20条、第26条、第27条などに国が為すべきことや配慮すべきことが明記されている。これらを履行するとともに自治体が管理運営する図書館事業に対して支援する国としての具体的な施策、事業を明らかにする。とりわけ県域を越えた資料の相互貸借など連携協力事業に果たすべき国の役割を明確にする。

6.設置、および整備基準
  図書館は、すべての住民が日常生活の中で利用できるよう生活圏域に設置する。分館等を中学校区に1館程度配置するなど全域サービス網を構築して、組織的な運営体制を 整える。このことは市町村合併により広域化した現状から、極めて重要なことである。  一定水準のサービスの達成には、それを支える基盤整備が欠かせない。施設規模、蔵書・開架図書数、職員数などの整備目標について、例えばサービス人口段階別の貸出密度上位の市町村における各評価項目の平均数値を目標とするなど具体的に示す。

7.管理運営の基本
  昨年、図書館法等の改正に当たり、国会における附帯決議で「指定管理者制度の導入による弊害」の懸念が示された。これらを踏まえ、公立図書館の設置者に対して、図書館設置の目的に照らして効果的な運営が行われるよう、その責任を明確にする。

8.図書館サービスの計画的実施及び自己評価等 
  図書館の評価に関しては、サービスの評価のみならず、運営に関する評価も合わせて行う。サービスの評価については、図書館サービスの必要性、効率性、有効性等の観点から、各々適切な評価項目を選定し、目標数値を掲げる。

9.司書の配置、資質・能力の向上 
  ・図書館には専門的なサービスを実施するに足る必要な数の司書有資格者(おおむね職員数の3分の2以上)を確保する。
  ・館長には、司書有資格者を配置する。
  ・研修の実施にあたって、文部科学大臣及び都道府県教育委員会等の役割を明確にする。また、司書資格取得科目、単位数の改正を機に、従来の研修のみならず現職職員の再教育に積極的に取り組み、その成果を評価すること等を通じて司書の専門性を向上させ、社会的評価を高めるよう努める。

10.資料の収集、提供等 
  図書館1館あたりの資料費は1993年の約1,600万円をピークに年々減少しており、2009年度予算では936万円である。住民の要求に応えるサービス達成のため、新鮮で豊富な種類及び量の資料を整備して図書館機能を十分発揮できるよう、資料費確保の必要性を強調する。

11.電子資料 
  パッケージ系のみならずネットワーク系情報源も図書館サービスに積極的に活用するとともに、多様な利用を可能とする情報発信や、インターネットを通じた図書館利用サービスの拡大に努める。

12.危機管理 
  利用者及び図書館員にかかわる不測の事態や、自然災害等の発生に対して、予防策を講じるとともに、危機発生時にどのように対応するかなど、危機管理マニュアルを作成する。 

              以上
 

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