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令和6年9月に能登半島で発生した豪雨について
この度、能登半島地震の被災地にて大雨により亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。また、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げ、一日も早く平穏な日々に戻る事をご祈念申し上げます。
日本図書館協会及び図書館災害対策委員会も微力ではありますが、支援を模索し、対応してまいります。被災情報並びにお困り事がありましたら、メールにてご一報いただければ幸いです。
saigai★jla.or.jp
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2010/02/15
新たな「知的財産推進計画(仮称)」の策定に向けた意見
《要旨》
著作権法への権利制限の一般規定の導入について,検討が行われているところであるが,検討内容を見る限り,その範囲は極めて限定的である。権利者の経済的利益に大きな影響を与えない範囲での権利制限規定の拡大を望む。 また,著作権法の目的である文化の発展を実現するためには,円滑な流通が担保されなければならず,保護期間延長問題については慎重な検討を望むとともに,円滑な著作権処理の促進施策を望む。
《全文》
知的財産の保護は重要であるが,著作物と文化の発展の関係を考えれば,円滑な流通が担保される必要があると考える。これを踏まえて,以下に意見を述べる。
◎権利者の経済的利益に大きな影響を与えない範囲での権利制限規定の拡大
この件については「知的財産推進計画2009」の中で,著作権法に「権利制限の一般規定(日本版フェアユース規定)を導入する」と明記され,それを受けて,文化審議会著作権分科会法制問題小委員会の下に権利制限の一般規定ワーキングチームが設置され,検討されたところである。
権利制限の一般規定に関しては,2011年の著作権法改正を目指して作業するとの報道もされているところであるが,「文化審議会著作権分科会法制問題小委員会権利制限の一般規定ワーキングチーム報告書概要」での例示を見る限り,その内容は,従来の個別規定による権利制限と大きな違いが見られないほど限定されたものになっている。
例えば,当協会は,インターネット上の情報の多くは商業目的としておらず,なおかつ,有用なものもあり,企業等においても印刷して利用されることがあるものと思われるが,このような行為も,現行の著作権法を厳格に適用すれば違法となることから,一定の条件のもと,インターネット上の情報について権利制限を行い,図書館等の情報提供施設で複製して利用者に提供できるようにすることの必要性を指摘してきたところである。
このような著作物の利用は,著作権者に経済的利益を及ぼすことは,ほとんどなく,公正な利用と言えると考えられるが,上記の報告書概要を見る限り,このような著作物の利用が権利制限の一般規定の範囲とは考えられていないようである。
権利制限の一般規定に関しては,今後,上位の法制問題小委員会,さらに上位の著作権分科会で検討が行われるものと思うが,上に示したインターネット上の情報の問題に限らず,権利者の経済的利益に大きな影響を与えない範囲での権利制限規定の拡大を強く望む。
◎保護期間延長問題の慎重な検討
著作権の保護期間については,2007年3月から2009年1月にかけて,文化審議会著作権分科会の下に過去の著作物等の保護と利用に関する小委員会が置かれ検討されたところである。
その際,多くの権利者側の団体ならびに利用者側の団体から意見聴取が行われ,2009年1月に公表された文化審議会著作権分科会報告書において,「保護期間の在り方については,(中略)著作権法制全体として保護と利用のバランスの調和の取れた結論が得られるよう,検討を続けることが適当である。」と,一応の結論が出されている。
このような検討の過程を無視し,昨今,権利者側団体の会合等において政府要人が著作権保護期間の延長を約束するかのような発言をしたとの報道がされている。このような発言が事実であるなら,極めて遺憾なことである。
当協会としては,著作権の保護期間が延長されることによる,円滑な情報流通に与える影響は大きいと考えており,慎重な検討を強く望む。
◎円滑な著作権処理の促進施策
平成22年1月の著作権法改正により,国立国会図書館においては,蔵書をデジタル化して保存できるようになったが,国立国会図書館に所蔵されない資料も少なくない。
平成21年1月に公表された「文化審議会著作権分科会報告書」では,国立国会図書館以外の図書館においても,資料の損傷が激しい場合などにおいては,保存のためにデジタル化等による複製を行うことが可能と読めるが,より良好な状態でデジタル化しようとする場合などにおいては,権利者の許諾が必要となることがありえる。
権利者へ許諾を求めるルートとしては,平成21年1月に著作権問題を考える創作者団体協議会がポータルサイトを設置したところであるが,同ポータルサイトで検索できる創作者には,学術系の権利者は含まれていないことに加え,没年情報等もなく充分とは言えない。
著作物の流通促進の観点からは,著作権の保護期間内にある著作物については,円滑に著作権処理ができる環境の構築が必要である。また,既に著作権の保護期間が満了した著作物が利用されることは,新たな著作物の創作につながり,著作物の流通をさらに促進することが予測されるという観点から,著作権の保護期間を容易に知りうる環境の構築が重要である。
これらのことから,創作者のデータベースのようなものは政策として構築されることを望む。
以上
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