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日本図書館協会の見解・意見・ご要望
2017/05/19
地域資料等の破損被害について(声明)
2017年5月19日 公益社団法人日本図書館協会 理事長 森 茜
今月はじめより、各地の図書館で、学校史や学校の記念誌等の地域資料の一部が切取られたり、破られたりする被害の報道があり、日本図書館協会にも一部の県立図書館から直接に被害の報告がありました。本協会では、都道府県立図書館を通じて全国の公立図書館に照会したところ、5月18日現在で、全国27都道府県、65図書館において、被害の時期についてはいつのものか特定できないながら、同様の被害があったとの報告がありました。
いうまでもなく、図書館は図書その他の資料や情報を収集して、人々の読書や情報・資料の利用を支援し、もって文化の振興に寄与することが基本的任務です。その基礎となる図書等の資料は、人々の共有財産であります。そしてこのような図書館資料をだれもが自由に手に取ることができるのは、図書館関係者のみならず、それを利用する人々の一致した理解と努力によって実現されるものです。
たとえどのような目的であろうと、このように貴重な資料、とりわけその地域の文化的な記録ともいうべき地域資料が破損されたことは、誠に残念であり、図書館の存立を危うくする行為です。
図書館関係者はもとより皆さまにおかれましては、図書館の役割を再確認していただき、図書館資料について、人々の共有財産として大切に扱っていただき、図書館資料の自由な利用が確保され、その財産を後世の人々に伝えられるよう、心からお願いいたします。