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日本図書館協会の見解・意見・ご要望
2015/10/28
TPP協定対応のための著作権法改正に係る意見
(文化庁に提出)
2015年10月28日 公益社団法人日本図書館協会
図書館は、表現の自由と表裏一体の権利である国民の知る自由を保障する機関であるとともに、「地域の情報拠点」としての役割があることは生涯学習審議会の議論、「図書館の設置及び運営上の望ましい基準(平成24年12月19日文部科学省告示第172号)などにおいても述べられている。 この度のTPP協定において、著作権に関する規定が挙げられているが図書館に関しては前述の役割を踏まえた対応を求める。 保護期間については現在50年であるところを70年に延長するとされているが、その結果、著作権者が不明である著作物が増えることが予測される。図書館が取り組むアーカイブ事業においては権利者と保護期間などを確認する作業が増加することが予測される。法改正にあたっては権利制限や保護期間の例外などの検討をお願いしたい。 また、非親告罪とすることについてであるが、図書館が国民の知る自由を保障する機関であることを踏まえ、適用の範囲について検討をお願いしたい。 同様に法定損害賠償制度又は追加的損害賠償制度の創設の検討においては、図書館活動が萎縮することのないよう制度設計をお願いしたい。 (参考) 「環太平洋ハートナーシッフ協定(TPP協定)の概要」(内閣官房TPP政府対策本部)抜粋 著作権 著作権に関しては次のルール等が規定されている。 ・ 著作物(映画を含む)、実演又はレコートの保護期間を以下の通りとする。 1 自然人の生存期間に基づき計算される場合には、著作者の生存期間及ひ著作 者の死から少なくとも70年 2 自然人の生存期間に基づき計算されない場合には、次のいずれかの期間 (i) 当該著作物、実演又はレコートの権利者の許諾を得た最初の公表の年の終わりから少なくとも70年 (ii) 当該著作物、実演又はレコート?の創作から一定期間内に権利者の許諾 を得た公表が行われない場合には、当該著作物、実演又はレコートの創作の年の終わりから少なくとも70年 ・ 故意による商業的規模の著作物の違法な複製等を非親告罪とする。ただし、市場における原著作物等の収益性に大きな影響を与えない場合はこの限りではない。 ・ 著作権等の侵害について、法定損害賠償制度又は追加的損害賠償制度を設ける。