第107回全国図書館大会山梨大会(オンライン開催) 第9分科会 図書館の自由
テーマ:図書館利用のプライバシー保護
研究協議開催日:2021年11月12日(金)(動画公開は12月31日まで)
大会の詳細ホームページ:https://www.lib.pref.yamanashi.jp/107th-taikai/index.html
分科会概要
「図書館の自由に関する宣言」1979年改訂では、利用者のプライバシー保護と知る自由の保障の観点から、利用者の秘密を守ることを謳い、令状に基づく場合以外は利用者の読書事実を外部に漏らさないとしています。しかしながら、ここ数年いくつもの図書館が、利用者情報を警察に任意提供している事実が各地の新聞で報道されました。また最近では、公共図書館でも貸出履歴を保存し、利活用する機能があるシステムを導入する図書館が増えてきています。図書館の中で、利用者のプライバシー保護に対する意識が薄れていたり、ICT化などに伴って変化していたりするのではないでしょうか。
本分科会では、以下の講演と報告動画を配信するほか、オンラインによる研究協議を行い、講師と報告者を交えて、利用者のプライバシーを保護する意義について考えます。
内容
基調報告「図書館の自由・この1年」
西河内靖泰(JLA図書館の自由委員会委員長)
この一年間の図書館の自由に関する事例を振り返り、自由委員会の論議と対応を報告します。
事例としては、コロナ禍での図書館の対応、図書館を利用する権利について(土岐市立図書館の入館禁止事例)、捜査関係事項照会への対応、利用履歴保存サービスの広がりとその問題点などを取り上げます。
講演「プライバシーという権利 個人情報はなぜ守られるべきか」
宮下紘(中央大学総合政策学部教授)
宮下氏は、憲法、情報学がご専門で、内閣府国民生活局個人情報保護推進室政策企画専門職、駿河台大学法学部専任講師等を経て、個人情報保護やプライバシー権に関する論文等を多数執筆されています。2021年2月には岩波新書『プライバシーという権利−個人情報はなぜ守られるべきか』を出版されました。この講演でそもそもなぜプライバシーを守らなければならないのかをあらためて学びます。
事例報告「図書館への捜査関係事項照会に対する札幌弁護士会の取り組み」
桝井妙子、齋藤耕(札幌弁護士会)
2018年に苫小牧市立中央図書館が捜査関係事項照会に応じて貸出履歴などを提供していたという報道をきっかけに、札幌弁護士会は管内の公立図書館などにアンケート調査を実施しました。その結果をふまえて同会は2020年12月に「捜査関係事項照会に対する公立図書館等の対応に関する意見」を公表しました。ここではその取り組みについて報告していただきます。
研究協議
事前収録した基調報告・講演・事例報告を視聴後、研究協議をZoomミーティングにより行います。
なお、研究協議は録画して公開し、大会参加者が期間中視聴できるようにする予定です。
※報告と講演の動画及び資料、研究協議の動画は、2021年12月31日まで視聴することができます(2021年12月12日追記)。
問合せ先
日本図書館協会 図書館の自由委員会事務局
メールアドレス:jiyu_at_jla.or.jp (_at_を@に変えてください)
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