令和6(2024)年能登半島地震及び同年4月17日に愛媛・高知で発生した地震について
 この度、亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。
また、それぞれの地震で被災された皆様に心よりお見舞い申し上げ、一日も早く平穏な日々に戻る事をご祈念申し上げます。
日本図書館協会及び図書館災害対策委員会も微力ではありますが、支援を模索し、対応してまいります。
被災情報並びにお困り事がありましたら、メールにてご一報いただければ幸いです。
saigai★jla.or.jp
(★を半角@に換えてください。)








資料保存委員会「保存管理チーム」について

このほど資料保存委員会に「保存管理チーム」を発足させた。保存管理はPreservation
Administrationの日本語訳だが、平たくプリザベーションと考えていただいても良い。

チーム設置の趣旨を述べると、資料保存をプリザベーションとコンサベーションの2つの
レベルで区別することが大事だ。(「用語の定義」を参照のこと)

コンサベーションについては、1990年代、木部徹さんや佐藤祐一さんが中心となった資
料保存委員会の資料保存基礎技術WGの活躍などにより、日本でもその考えが明確に
なり、理解と実践が大きく前進してきた。これは高い評価に値する。

しかし、プリザベーションについては、「利用のための資料保存」の方針とコンセプトは良
かったが、それ以外では前進していない。

ここでプリザベーションのレベルと言うのは、製本・補修、予防的保存、維持管理、マイク
ロ化・電子化、環境整備、災害対策、利用者教育・職員教育、収集方針・廃棄方針との
連携、利用者サービスとの関連、図書館協力などを包括するコンセプト。このように多岐
に亘る責務に、図書館が統合的、体系的、計画的に取り組むことが重要。それ無しでは
蔵書の保存、サービス基盤の適切な確保はできない。それが保存管理のコンセプトだが、
この点の理解と実践が日本では薄いのが現状。それを打破して前に進みたい。そうしな
いと資料保存が萎み、図書館が責任を充分に果たせない。

趣旨は以上。但し、本チーム、当面は歩きながら考え体制を整えていく。現在の事務局は
安江明夫と村上直子(資料保存委員会委員)の二人。チームの設置期間は2年半(平成
18年度~20年度の3か年度)を予定している。

チームは、テーマ毎の研究会等の開催、セミナーの開催(研究成果の発表など)、成果の
刊行物、HP等での提供に取り組んでいく。必要に応じて研修会なども開催したい。そうし
た作業を通じて、日本の図書館での保存管理が徐々に軌道に乗ってくることを願っている。

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