理事長あいさつ

理事長に就任して

森 茜

 私は,若いころ図書館の現場で仕事をしていた。図書館といっても国立大学の図書館だ。いくつかの大学を異動し,図書館情報大学の事務局長を最後に国家公務員を退職した。その後,公益財団法人国連大学協力会の常務理事・事務局長を8年やってきた。つまり,日本図書館協会のコアである公共図書館の経験はまったくない。
図書館を離れて十数年たっていた4年前,そんな私に,某氏から,日本図書館協会の理事に推薦したから頑張ってくれ,という電話をいただき,まぁ若いころの恩返しという軽い気持ちから引き受けたのが,協会の管理運営に携わるきっかけとなった。最初の1期2年間は平理事だったが,2期目から常務理事となり協会の運営に深く責任を持つ立場になった。理事就任早々から公益法人移行準備の責任を果たすこととなり,昨年夏以来,協会の立て直し計画の中核的仕事を引き受けるようになり,あれよあれよという間に,本年5月総会で理事長をお引き受けすることとなった。
お引き受けするからには,覚悟を決めて,120年の歴史と会員6,500人の図書館人生をお預かりする気持ちで,しっかりと前を向いて,協会の運営に臨みたいと思っている。会員が,協会の会員であることを誇りに思い,協会の活動に未来を託して参加できるような運営を心掛けたいと思っている。そして,協会の次の100年にバトンタッチできるような会に育てていきたいと願っている。

(もり あかね:日本図書館協会理事長)


理事長を退任するにあたって

塩 見 昇

 4期8年を務めた日図協理事長の職を5月31日の総会で正式に退任いたしました。1989年から常務理事を引き受けてきたので、それを通すと四半世紀近くも協会の運営、事業展開にかかわってきたことになります。
協会でやってきたこと、となると、むしろそれ以前の四半世紀の方が印象深いかな、とも思います。出版されたばかりの『中小レポート』の読書会を図書館の職場で呼びかけ、始めたことから私の日図協との付き合いは始まりました。図書館法の改廃が顕在化した70年代初めには、図書館法の順守と実践化を『図書館雑誌』でアピールし、半ば以降は自由委員会の発足と自由宣言の改訂、さらに「公立図書館の任務と目標」の策定で、日図協としての図書館づくりの指針を提起するなど、協会の活動を通して図書館人としての自己形成に努めてきたように思います。
後半の四半世紀は、それらの経験を通して考えたこと、私なりに捉えた図書館の面白さを、司書養成教育の仕事と重ねつつ、若い人たちに伝え、持続する路を探ることに努めてきたと言えるかと思います。ただ図書館をめぐる状況は非常に厳しくなり、しかも図書館に寄せる社会の期待も大きく、多様化しているため、図書館運動の展開も非常に複雑で、展望が得にくくなっていることは否めません。
そうした情勢の下で、この数年、とりわけ一年弱の時期は、公益認定を申請するための条件整備、それにかかる監督官庁からの組織・財務に係る指導・助言に対応する活動に追われ、図書館運動に向かう活力が低迷しがちであったことは悔いの残ることです。
目前に迫る公益認定を果たし、すぐれた図書館活動と身近に図書館をもつ暮らしの豊かさを、より一層社会に広める事業の展開で、120年の歴史を重ねた日図協の新たな発足をみんなで担っていきましょう。
理事長在任中に寄せられた皆様からのお力添えや励ましに深く感謝の意を表します。

(しおみ のぼる:日本図書館協会前理事長)

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