図書館情報学教育部会 部会長からの挨拶

 

変革と共同の継続

小田光宏(おだ・みつひろ)
青山学院大学教育人間科学部

 2015年4月からの2年間,前期(第28期)に引き続いて部会長を務めることになった小田光宏です。今期の活動を始めるに際して,前期の活動を継続して展開させることを基調に,その具体的な方策の一端をここに記すことによって,部会員のみなさまへの挨拶といたします。

 2年前の部会報では,「変革」と「共同」というキーワードを掲げて所信を表明しました。前者は,当部会の運営が曲がり角に来ているとの認識に基づき,図書館情報学教育に携わる者の活動を支える基盤組織に,当部会が再びなれるよう,中長期的な将来構想を計画することを意図したものです。後者は,国際化という視点を持ちながら,国内外の関係団体の動向を視野に入れた図書館情報学教育の新しい形態を模索しようとしたものです。この所信に沿って,部会では「将来構想検討委員会」を設け,短期的な部会運営の在り方と中長期的な部会運営の在り方の双方に関する諮問をいたしました。その結果が,会報106号に掲載した答申書となります。

 答申内容の骨子を示すと,まず短期的な面に関しては,財政面の見直しが課題であり,安定的な収入源の確保と,支出の見直しが指摘されています。部会では,すぐさまこの答申に基づく対応を図りました。すなわち,日本図書館協会が公益社団法人となった利点を活かして,税制の優遇措置という点で部会員のメリットともなる指定寄附の促進を図り,収入源の骨格とすることを目指しました。指定寄附は,当部会が独自に徴収してきた部会費に代わるものです。それゆえ,1口(3千円)以上ご寄付いただいた方には,部会主催の研究集会の参加費を免除する特典を設け,部会員の負担増とならないよう配慮しました。おかげさまで,2014年度には総額で274,000円(部会への配分219,200円)に及ぶ志を頂戴しました。一方,支出の面に関しては,部会報の電子版への移行と,役員選挙の電子投票が答申で示されています。部会報の電子版への移行は,まさに今号より実現させることになりました。また,役員選挙の電子投票に関しては,当部会の組織のあり方そのものとも連動させ,後述する中長期的な課題の中に加えて検討することとしました。

 次に,中長期的な面に関しては,図書館情報学教育の「質保証」に関係した課題が示されています。具体的には,関連団体と連携し,図書館情報学教育担当者,ならびに,図書館情報学教育課程に対する認証評価の実施が提言されています。 これらについては,当面,研究集会における議論を積み重ね,部会員の叡智を結集しながら具体化を図ることにしました。2013年度の第2回研究集会「検討!図書館職員養成のための教育課程編成ガイドライン」と2015年度の第1回研究集会「図書館情報学教育のFD」は,この方針に基づくテーマ設定です。これからもこうした討議を重ねながら,認証評価に関する実効性のある計画を検討していきたいと考えています。

 一方,答申で指摘された課題とは別に,組織のあり方を見直すことにも,取り組む所存です。上述した経費の面からも,役員の選挙管理の方法を変更することが余儀なくされています。しかし,人的資源の点から考えても,当部会の運営における限界が垣間見えます。このところの選挙結果を確認すると,他団体でも重要な活動をしている方が役員として選出される状況が続いています。就任を辞退することも,少ないとは言えません。したがって,役員の負担も考えていく必要があります。同時に、図書館情報学の「業界」全体で考えた場合、役員が他団体の役員等を兼ねている効果を追求していくことも考えてよいでしょう。当部会だけで解決可能な問題ではありませんが,どのような組織変革があり得るのか,まずは部会内で検討を開始いたします。

 部会員のみなさま,引き続き,この部会を共に変えて参りましょう。ご理解,ご協力,よろしくお願い申し上げます。


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