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日本図書館協会の見解・意見・要望

2009/12/11

「著作権法施行令の一部を改正する政令案」への意見

[(1) 視覚障害者等関係]
1.団体
2.社団法人日本図書館協会(理事長:塩見 昇)
3.東京都中央区新川1-11-14
4.03-3523-0811
5.Ⅰ 障害者福祉関係 ① 視覚障害者等関係
6.公表されている「著作権法施行令の一部を改正する政令案の概要」を見る限り,著作権法第37条第3項に基づき複製等が行える施設が拡大されることについて支持します。
 特に,新たに図書館法第2条第1項の図書館が加えられることは,障害により情報の入手が困難であった方が情報を得やすい社会を構築する上で極めて重要であると考えます。また,特別支援学校以外の学校図書館,大学・高等専門学校の図書館等が加えられることにより,障害を持つ児童・生徒・学生に,より広く教育を受ける機会が得られることも,極めて重要であると考えます。
 しかしながら,今回の改正においても,下記の点においては不十分であり,早期の解決が必要であると考えます。
 (1) 図書館法第2条第1項の図書館について,一般社団法人・一般財団法人が設置するものが除外されますが,今回の著作権法改正の目的のひとつが「障害者の情報利用の機会の確保」であることを考えれば,設置が一般社団法人・一般財団法人によるものであっても当然に含まれるべきものと考えます。
特に,図書館法第2条第1項の図書館に関しては著作権法施行規則第1条の3で定める職員を置くことが条件にされているので,設置が一般社団法人・一般財団法人によるものであっても,著作権者の権利が損なわれるとは考えられません。
 (2) 病院その他,医療・理療に関する施設(従事者を養成する教育機関を含む。)に設置されている図書室が含まれるべきと考えます。
平成13年の「障害者等に係る欠格事由の適正化等を図るための医師法等の一部を改正する法律」の施行により,障害を有する医療従事者が増えていますが,安全で的確な最新の医療が行われるためには,このような障害を有する医療従事者が,他の医療従事者と同様に情報を利用できる必要があると考えます。
また,入院患者等においては「視覚による表現の認識に障害のある者」の比率が高いということは容易に予測でき,今回の改正で,病院をはじめとする医療・理療に関する施設に設置された図書室が含まれないことは「障害者の情報利用の機会の確保」の観点から不十分と言えます。
 入院患者等の中でも,特にハンセン病に関しては失明する方も多く,ハンセン病療養所内には古くから盲人会が組織されるとともに,図書室も作られ,長年,点字図書館とも連携を取っていますが,入所者の高齢化の進む中,加齢による障害も加わり,早急な対応が必要です。
なお,ここに掲げた関係者については,利用者として登録する対象者の範囲や資料の利用目的が明確であり,目的外使用等が行われる可能性は極めて低いと考えます。
 (3) 「視覚障害者等のために情報を提供する事業を行う法人のうち「文化庁長官が指定するもの」を定めるとされていますが,指定に係る基準が明確でありません。著作権法第31条に基づき複製ができる施設を定めた著作権法施行令第1条の3第1項第6号においても,文化庁長官の指定に関する規定がありますが,この指定を新規に受けることは極めて困難という認識です。著作権法第37条第3項に係る文化庁長官の指定については,「障害者の情報利用の機会の確保」という観点から,積極的に指定される必要があると考えます。
この点からも,各施設が指定された理由が,著作権者の側および著作物利用者の側の双方に理解できる明確な基準が必要と考えます。
 (4) 図書館では,少数ながら絵画や彫刻などの美術資料や模型その他の博物資料を所蔵し利用に供していますが,今後,このような資料を障害を有する方々の利用に供するためには,美術館や博物館との連携が重要となると考えます。
今回の改正においては,著作権法第37条第3項に基づく著作物の利用が認められる施設に美術館や博物館が含まれていませんが,「障害者の情報利用の機会の確保」という観点からは,美術館や博物館も含まれる必要があると考えます。


[(2) 聴覚障害者等関係]
1.団体
2.社団法人日本図書館協会(理事長:塩見 昇)
3.東京都中央区新川1-11-14
4.03-3523-0811
5.Ⅰ 障害者福祉関係 ② 聴覚障害者等関係
6.公表されている「著作権法施行令の一部を改正する政令案の概要」を見る限り,多くの施設で,著作権法第37条の2に基づき字幕や手話が挿入された映画の作成等が行えるようになることについて支持します。
特に,図書館法第2条第1項の図書館が指定されることは,障害により情報の入手が困難であった方が情報を得やすい社会を構築する上で極めて重要であると考えます。また,特別支援学校以外の学校図書館,大学・高等専門学校の図書館等が指定されることにより,障害を持つ児童・生徒・学生に,より広く教育を受ける機会が得られることも,極めて重要であると考えます。
 しかしながら,今回の改正においても,下記の点においては不十分であり,早期の解決が必要であると考えます。
 (1) 図書館法第2条第1項の図書館について,一般社団法人・一般財団法人が設置するものが除外されますが,今回の著作権法改正の目的のひとつが「障害者の情報利用の機会の確保」であることを考えれば,設置が一般社団法人・一般財団法人によるものであっても当然に含まれるべきものと考えます。
特に,図書館法第2条第1項の図書館に関しては著作権法施行規則第1条の3で定める職員を置くことが条件にされているので,設置が一般社団法人・一般財団法人によるものであっても,著作権者の権利が損なわれるとは考えられません。
 (2) 病院その他,医療・理療に関する施設(従事者を養成する教育機関を含む。)に設置されている図書室が含まれるべきと考えます。
平成13年の「障害者等に係る欠格事由の適正化等を図るための医師法等の一部を改正する法律」の施行により,障害を有する医療従事者が増えていますが,安全で的確な最新の医療が行われるためには,このような障害を有する医療従事者が,他の医療従事者と同様に情報を利用できる必要があると考えます。
また,入院患者等においては「聴覚による表現の認識に障害のある者」の比率が高いということは容易に予測でき,今回の改正で,病院をはじめとする医療・理療に関する施設に設置された図書室が含まれないことは「障害者の情報利用の機会の確保」の観点から不十分と言えます。
入院患者等の中でも,特にハンセン病療養所に入所している方々の高齢化が進んでいます。ハンセン病は視覚に障害を生じる場合のあることが知られており,療養所内に図書室を置き,点字図書館とも連携を取っていますが,入所者の高齢化を考えれば療養所内の図書室で,著作権法第37条の2に基づく複製等をも可能とし,聴覚の障害についても対応できる環境が必要と考えます。
なお,ここに掲げた関係者については,利用者として登録する対象者の範囲や資料の利用目的が明確であり,目的外使用等が行われる可能性は極めて低いと考えます。
 (3) 「聴覚障害者等のために情報を提供する事業を行う法人のうち「文化庁長官が指定するもの」を定めるとされていますが,指定に係る基準が明確でありません。
著作権法第31条に基づき複製ができる施設を定めた著作権法施行令第1条の3第1項第6号においても,文化庁長官の指定に関する規定がありますが,この指定を新規に受けることは極めて困難という認識です。著作権法第37条の2に係る文化庁長官の指定については,「障害者の情報利用の機会の確保」という観点から,積極的に指定される必要があると考えます。
この点からも,各施設が指定された理由が,著作権者の側および著作物利用者の側の双方に理解できる明確な基準が必要と考えます。
 (4) 国立国会図書館法第22条第1項柱書に「国立国会図書館の図書館奉仕は(中略)日本国民がこれを最大限に享受することができるようにしなければならない。」とありますが,この規定の目的とするところを円滑に実行できるよう,国立国会図書館を,著作権法第37条の2第1号ならびに第2号に定める著作物の利用が可能な施設とすべきと考えます。
 (5) 図書館法第2条第1項の図書館が著作権法第37条の2第1号に定める著作物の利用が可能な施設となっていませんが,図書館法の前提となる社会教育法の定め,即ち同法第3条の規定を鑑みれば,図書館法第2条第1項の図書館は著作権法第37条の2第1号に定める著作物の利用が可能な施設であって然るべきと考えます。
  (2009年12月11日提出)
 

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