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日本図書館協会の見解・意見・要望

2018/04/04

「子供の読書活動の推進に関する基本的な計画(第4次)」に関する意見

「子供の読書活動の推進に関する基本的な計画(第4次)」に関する意見提出について

 

公益社団法人日本図書館協会

理事長 森 茜

 

1 「はじめに」の4段落46行目 子供の読書活動を取り巻く環境の変化

【意見】5行目「情報手段の普及・多様化等」の後に「子供の貧困,書店の減少など,」を挿入する。

【理由】子どもの読書活動を取り巻く環境の変化として、「情報通信手段の普及・多様化」のみの例示では、子どもの読書に大きくかかわる問題についての視点に欠けるので、「子どもの貧困や書店の減少など,」を追記する。

 

2 第1章のⅠの1 家庭・地域における取組(4)

【意見】ボランティア登録制度を設けている図書館が漸増としているが、割合で見ると、70.6%から69.5%になっている。横ばいとすべきではないか。

 

3 第1章のⅠの2 学校等における取組(4)

【意見】取り上げている得点の数値はOECD生徒の学習到達度調査(PISA)が出典と思われるのでその出典を明記する。

 

4 第1章のⅡの3情報通信手段の普及・多様化

【意見】第1章のⅡの「3情報通信手段の普及・多様化」の後に、「子供の貧困,書店の減少等、」を追記する。

【理由】子どもの読書活動を取り巻く環境の変化として、「子どもの貧困,書店の減少」は重要な問題である。

 

5 第2章Ⅰ子どもの読書活動に関する課題 2段落目文末

【意見】「複雑な状況変化の中で目的を再構築できる」を「社会状況が複雑に変化する中で、目標を再設定できる」とする。目的か目標かを明確にし、「目標」であれば「再設定できる」としたほうが理解しやすい。

 

6 第3章Ⅱ都道府県の役割 1段落目

【意見】1段落の冒頭の「都道府県は、」の次に「図書館未設置の市町村に対し図書館設置を促し、」を入れる。どこに住んでいても同じサービスを受けることができる環境整備が読書推進に不可欠であるため。

 

7 第3章Ⅱ都道府県の役割 3段落5行目

【意見】「全都道府県において都道府県計画が策定されているが」を「ほとんど全ての都道府県において都道府県計画が策定されているが」とする。香川県は教育基本計画の中に取り込んでおり、その中で一体的に示しているため。

 

8 第3章のⅢの4段落目 不読率の数値目標

【意見】「不読率の数値目標は再検討の必要がある。」ことを記述する。

【理由】第3次計画では概ね5年後の平成29年度に「小学生は2%以下、中学生は8%以下、高校生は26%以下とする」という指標であったが、中学高校生はともかくとして、小学生2%の達成は学校現場でも図書館としても難しい指標として認識されている。現在、小学校の1クラスの人数は40名が上限となっているが、そのうちの一人が不読者ならば不読率2.5%となってしまう。本法人は、20171026日に提出した本計画案への団体ヒアリングにおいても指摘したところであるが、子どもの読書は家庭における保護者の関与が大きく影響する。読書環境の変化、大人の不読率の状況、メディア状況の変化等を考慮し、不読率の数値目標については再検討する必要があると考える。

 

9 第4章のⅡの(2)家庭における読書を支援する取り組み

【意見】家庭における読書の習慣つくりの実現には子どもの貧困率の改善が不可欠であることを追記する。

【理由】家庭における読み聞かせや一緒に本を読むなどの取り組みは、公立図書館や学校図書館から本を借りてくるだけでは不十分で、子どもの貧困率の改善が根本にあることを指摘する必要がある。現実性ある施策の必要性を指摘すべきである。

 

10 第4章 子供の読書活動の推進方策 Ⅲ地域における取組 1図書館(2) 図書館における取組

⑤ 障害のある子供のための諸条件の整備・充実の2行目「録音資料、」の後に、「DAISY」を挿入する。発達障害の子供には、マルチメディアDAISYが有効のため。

 

114章 子供の読書活動の推進方策 Ⅲ地域における取組 Ⅰ図書館(3) 連携協力①学校図書館等との連携・協力

【意見】2段落目の文末の「の取組」の次に「改善するための取組の一つにビブリオバトルへの取組が挙げられる。」と入れる。「ビブリオバトル」は学校図書館だけでなく、公共図書館においても実施され、効果を上げているので、なお一層普及させる必要がある。

【理由】高校生の不読率を改善するためには、学校図書館のみならず公共図書館でも高校生等が本を手に取るきっかけ作りが必要である。読みたいと思うきっかけがあれば、高校生が本に近づくことができる。ここ数年、全国高等学校ビブリオバトル大会が開催されている。全国各地で開催され、各地区で推薦された高校生が参加する全国大会も行われている。群馬県立図書館でも、県内高校生の読書推進の

ために県大会を開催している。発表の高校生は、群馬県高等学校教育研究会図書館部会の協力により推薦してもらっている。

新聞・テレビ・ラジオ・インターネットなどでは、大会の様子や取組の紹介もされている。紹介されることが増えたため、興味を持ったり、実践している学校も増えているようである。発表した高校生からは次のような感想が寄せられた。

◆「楽しかった」

◆「もっと色々な本を知りたくなった」

◆「また語り合いたい」

観戦参加された方からは、次のような感想が寄せられた。

◆小学生・中学生・・・「高校生になったら自分も好きな本を紹介したい」

◆大学生・大人 ・・・「ビブリオバトルは本と出会う本当によい機会だと実感した」

高校生の不読率の改善のためには、高校生だけが本を手に取る環境にしないことも必要である。高校生がかかわる多くの人が本に親しむことが大切である。「高校生が好きな本を紹介する姿に憧れる、数年後に高校生になる子どもたち」「高校生が好きな本を紹介する姿に温かい気持ちになる大人たち」そうした観戦者を前に本を発表することで、高校生はさらに本を読もうと思うのではないか。ルールがあることで、誰でも行うことができる。

大会のようなイベントの形や学校で行うだけでなく、家族や仲間と行うこともできる。

身近な人との本を通じた交流ができると、高校生が本を手に取る機会も増えるのではないか。憧れの大人が紹介する本なら読んでみたいと思う気持ちなども、読書を始める導入のヒントとなるのではないか。

 

124章のⅣの2の(3)の①学校図書館の役割

【意見】冒頭に「子供の貧困、書店の減少等の社会状況において,子供が必ず出会うはずの学校図書館の役割は重要である。」の一文を加える。

【理由】子供が必ず出会う場所としての学校図書館の重要性を指摘が必要。

 

134章のⅣの2の(3)の②のアの2つ目の段落の14行目

【意見】「目指す。」の後に、「なお,学校図書館図書標準に高等学校が含まれていないことは課題となっている。」を追記する。

【理由】学校図書館図書標準に高等学校を加えてほしいとの声は、長年の要求である。

 

144章のⅣの2の(4)人的体制の3つ目の段落の1行目

【意見】「校長は学校図書館の館長としての役割も担っており,」の次に、「校長をはじめとする管理職が学校図書館の機能を理解することは重要である。」を追記する。

【理由】校長に学校図書館についての理解が不足している場合がある。

 

154章のⅣの2の(4)の②学校司書の配置の1つ目の段落の3行目

【意見】「連携しながら,多様な読書活動を企画・実施したり、」の後に「子供たちが本と楽しく出会うことができる図書館づくりを図り、」を追記する。

【理由】学校図書館は、子どもたちにとって、知的好奇心を刺激し、かつ居心地のいい楽しい場所である必要がある。そうした場としての図書館づくりについての記述が必要である。学校図書館がそのような場であることで、第4章のⅣの2の(3)の①学校図書館の役割の2つ目の段落2行目から3行目にかけての記述のように、「一時的に学級になじめない子供の居場所となり得る」ということが実現する。

 

164章のⅣの2の(4)の②学校司書の配置の2つ目の段落の最後

【意見】2つ目の段落の最後に「都道府県・市町村によっては、1校に1名、司書教諭・司書などの有資格者を学校司書として配置しているところがある。」の文を入れる。

【理由】学校司書配置が効果をあげている自治体は、司書教諭・司書などの有資格者を学校司書として1校に1名を配置している学校では、配置しているところが多い。

 

 

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