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出版流通委員会

第104回全国図書館東京大会 第11分科会 出版流通 記録


日 時  2018年(平成30年) 10月20日(土)  午前
場 所  オリンピック記念青少年センター センター棟310室 午前
テーマ  1990年代から2010年代までの出版流通を総括し、
     2020年代を展望する。

基調講演:出版流通の何が変わったのか-1990年代と2010年代
      永江朗(フリーライター,日本文藝家協会理事)
報 告1:
書店の視点から出版流通の変化を考える
      -出
版書店業界と図書館界の、長い確執からの脱出
      福嶋 聡(ジュンク堂書店難波店店長) 
報 告2:
図書館の視点から出版流通の変化を考える
     -貸出重視、整理委託、選書
委託、電子図書館
      湯浅俊彦(立命館大学文学部教授) 
パネルディスカッション
 永江 朗(フリーライター,日本文藝家協会理事)
 福嶋 聡(ジュンク堂書店難波店店長)
 司会:湯浅俊彦(立命館大学文学部教授)

概要


 日本の出版流通は曲がり角に立っている。
 戦後、一貫して成長を続けた出版界は、1996年に成長のピークを迎えた。同年の推定販売金額は2兆6563億円、内訳は書籍の1兆931億円、雑誌が1兆5632億円だった。それが2017年には全体で1兆3701億円にまで減少した。出版業界の縮小が物流ルートに転換を迫っている。日本の出版流通は雑誌の物流ルートに書籍が便乗しているので、雑誌の減少が大きく影響している。
 次に、販売システムも変化している。1990年代の取次の情報システムや書店におけるPOSシステム導入、2000年代のAmazonの日本進出、2010年代には出版コンテンツのデジタル化、書誌情報・物流情報のデジタル化がさらに進んだ。
 中でも、Amazonは1994年に創業者ジェフ・ペゾフが、アメリカでインターネット書店を始めた会社が全世界に展開したもので、2000年に日本に進出した。2017年の売上額は1兆3000億円と、ネット通販最大手に急成長し、出版物の販売でも大きなシェアを占めるまでになった。
 歴史的経緯の理解を踏まえ、出版社、取次、書店のゆくえについて検討を加えることで、2020年代の出版流通の方向性と図書館との関係について、参加者とともに展望したい。
                                       (瀬島 健二郎)

基調講演

出版流通の何が変わったのか
 -1990年代と2010年代 
   
   永江朗(フリーライター,日本文藝家協会理事)


1975年/2015年

 1975年と2015年。このふたつの年を比較してみよう。 1975年、出版物の推定販売金額は9766億円。そのうち書籍は4889億円で、雑誌は4877億円だった。2015年の推定販売金額は、書籍が7419億円で、雑誌が6446億円、合計1兆5220億円である。推定販売部数を見てみよう。1975年の書籍は6億3222万冊、雑誌は19億8620万冊。2015年の書籍は6億2633万冊で、雑誌は14億7812万冊である(『出版指標年報』より)。
 1975年と2015年の、書籍の推定販売部数はほぼ同じである。しかし、雑誌は約5億冊、26%ほど減っている。
 総務省や厚生労働省のデータによると、1975年の総人口は1億1194万人で、そのうち15歳から64歳までの清算年齢人口は7581万人。一方、2015年の総人口は1億2660万人で、せいさん年齢人口は7682万人。1975年と2015年。ふたつの年の書籍販売部数と生産年齢人口はほぼ同じである。総人口は2015年のほうが多いが、それは65歳以上の人口が887万人から3395万人へと増えているからだ。
 1975年と2015年。この40年の間に何が起きたのか。
 話をイメージしやすいよう、いわゆる「まちの本屋」-チェーン店ではない個人経営の中小零細店ーの視点で考えてみたい。

80年代、CVS、郊外型書店、複合型書店
 
 70年代に登場したコンビニエンスストア(CVS)は、当初こそ早朝から深夜までの営業だったが、やがて24時間営業があたりまえになった。やがてCVSはその多種多様な扱い商品のなかに雑誌やムック、書籍なども含めるようになった。「まちの本屋」にとっては、雑誌の売上の多くをCVSに奪われた。
 80年代に入ると家庭用ビデオ機器が普及。レンタルビデオとの複合型書店が全国に広がった。書店専業だった店の業態変換もあったが、新規参入も多かった。また広い駐車場を備えた郊外型書店も増えた。レンタル複合店や郊外型書店の主力商品は雑誌と文庫とコミックで、「まちの本屋」からこれらの売上と顧客を奪っていった。

90年代 新古書店の登場

 
1990年、神奈川県相模原市にブックオフ1号店が開店した。いわゆる新古書店(中古書店、リサイクルショップ型古書店とも)。ブックオフは従来の古書店とはいくつかの点で異なっていた。まず、ドラッグストアチェーンのマツモトキヨシを参考にしたといわれる広くて明るい店舗。販売価格を定価の半額とし、陳列後、一定期間を経ると100円均一とするわかりやすい値付け。買取価格も1冊単位で明らかにした。このことは、これまでブラックボックス化しがちだった古書の売価・買価を明瞭化すると同時に、俗に「修行十年」といわれた古書店の仕事をマニュアル化し、パート・アルバイトでも可能にした。ブックオフはまたたくまに店舗数を増やし、いまでは「街でいちばん大きな書店がブックオフ」という地域も珍しくない。ブックオフの登場は「まちの本屋」から文庫やコミック、文芸書、実用書、タレントエッセイなどのベストセラー本の売上と顧客を奪った。

2000年代 林立するメガストア
  
1990年代は大規模小売店舗法等による出店規制が徐々に緩和されていく時代であり、大都
市を中心に広大な売場を持つ書店が登場してきたのもこの時代だった。2000年に大店法が廃止されて大規模小売店舗立地法(大店立地法)ができると、全国の大都市に1000坪以上のメガストアが次々と登場することとなる。メガストアはその強い集客力と商品調達力で「まちの本屋」から配本と顧客と売上を奪っていった。
 メガストアによる書店の淘汰は出版物の販売を根底から変えていった。単純化して述べると、10坪の「まちの本屋」100店舗と1000坪のメガストア1店舗では、売り場面積こそ同じ1000坪だが、全体における書籍・雑誌のジャンル別占有率はまったく異なる。1990年代は日本経済がバブル崩壊から長期不況入っていく時代だが、長らく書低雑高(書籍の売上よりも雑誌の売上のほうが高い)と呼ばれていた状況に陰りが見えてくるのがこのころからである。ちなみに、『出版指標年報』によると、書籍の推定販売金額のピークは1996年(1兆931億円)、雑誌のそれは1997年(1兆5644億円)。推定販売部数のピークは、書籍が1988年(9億4379万冊)、雑誌は1995年(39億1060万冊)である。よく出版物の売上のピークは96~97年といわれるが、書籍の販売部数はすでに89年から減り始めていたのである。
 書籍の発行部数は一般に思われているよりもはるかに少ない。たとえば過去に芥川賞を受賞したことがあるそれなりの知名度の作家でも、初版部数はせいぜい数千部である。2001年時点での新刊書店の数は全国に2万1千店だった。つまり大半の書店には、純文学はじめマイナーなジャンルの新刊は並ばない。一方、都会のメガストアにはそうした本でも数冊から数十冊は平積みにされる。「まちの本屋」が淘汰される一因である。

ネット書店の登場

 2000年ごろからネット書店(オンライン書店)が多数登場する。すでに90年代なかばからサービスを開始していた紀伊國屋書店をはじめ、TRC系のbk1や独ベルテスマン系のBOLなどが次々と参入した。そして2000年、アマゾンが日本でのサービスを開始する。ネット書店の影響について当時の書店界は楽観的だった。曰く、日本では取次による流通網が発達していて全国津々浦々にまで書店があるので通販の必要がない、書物は実物を確かめて買いたい人が多いので通販にはなJまない、定価販売が一般的な日本でアマゾンに優位性はない、と。しかし予想に反してアマゾンはサービス開始直後から急速にシェアを広げていった。
 アマゾンが成功した理由はなんだろう。まずインターネットの利用者が急激に拡大していったことが挙げられる。通信事業者がブロードバンド機器を積極的に販売し、それまでのダイアルアップ説独から常時接続へと通信環境が変わったことが大きい。同時にコンピュータも高性能かつ低価格化していった。ネット書店の登場は、極端にいうなら、自宅のPCモニター上に無限の在庫を持つ書店が開店したようなものだった。
 本は実物を手にして買いたいという欲求が消費者にあるのは各種アンケートなどでもたしかだが、そもそもその実物の本が「まちの本屋」にはなかった。注文しようとすると「1週間から2週間ほどかかります」と書店員にいわれるなら、ネット書店で買おうと考えるのも無理はない。日本の出版流通システムはすぐれている(から消費者も満足している)というのは、出版業界関係者の思い込みにすぎなかったのだ。
 その後、アマゾンは個人が出品できるマーケットプレイスなどを通じて古書にも手を広げていった。消費者からすると同じ本でもアマゾンなら新刊書、古書、洋書とさまざまな選択肢から選べることになる。アマゾンは売上額を公表していないのでさまざまなデータから推測するしかないのだが、おそらく書籍の売上額は年間1000億円台の後半。仮に1500億円だとするとなら日本の書籍の4~5冊に1冊はアマゾンで販売されていることになる。
 ネット書店は「まちの本屋」から書籍の売上を奪った。もっとも、その影響は限定的だろう。そもそも多くの本は「まちの本屋」に配本されていなかったのだから。だがネット書店という無限の在庫を持つ書店が仮想的に出店したことで、消費者の「まちの本屋」に対するイメージや期待は相対的に低下した。

2010年代 電子書籍と「まちの本屋」

 2000年代に入ってから、電子書籍も少しづつ「まちの本屋」から売上を奪っていった。まずは電子書籍とカーナビ。高校生や大学生が使う辞書は紙から電子に変わり、カーナビは道路地図に取って代わった。何度も“電子書籍元年”ということばが喧伝されたが、そのたびにオオカミ少年のような扱いを受けた。しかし2010年代になるとその影響を否定できなくなった。
 アップル社がアメリカでiPhoneを発売したのは2007年。スティーヴ・ジョブズが「電話を再発明する」と発表したとき、ことの重大性に気づいた人は少なかった。iPod(携帯音楽プレイヤー)とインターネット端末と携帯電話が一体化したからといって何がどう変わるのか、と思った人が大半だった。しかし、スマートフォンは「まちの本屋」から雑誌の売上を奪っただけでなく、本を読む時間も奪った。
 2014年、NTTドコモが電子雑誌の定額読み放題サービスのdマガジンをはじめる。それと前後して携帯電話のキャリア会社などが次々と同様のサービスをはじめる。100を超える銘柄の、それも大手出版社から発行されるメジャーな雑誌が月々数百円の料金で読み放題となるサービスはこれまで例のないものだった。なかでもdマガジンはキャリアを超えて、つまりauやソフトバンクなどのユーザーでも使えるようにしたところが画期的だった。あっという間に契約者は300万人を超えた。いうまでもなく、それらは「まちの本屋」から雑誌の読者と売上を奪っていった。
 だが、インターネットとスマートフォンが「まちの本屋」から奪ったのは、注文取り寄せの書籍の売上や雑誌の売上にとどまらない。人びとが情報を得たり娯楽のための手段としての書物は、インターネットに取って代えられてしまった。
 話は前後するが、2010年、公共図書館の個人向け貸出冊数が新刊書籍の推定販売部数を上回った。図書館の貸出しと新刊書の販売との相関関係/と因が関係について、たしかなことはまだわからない。だが昨年(2017年)の図書館大会において文藝春秋の社長が述べたように、出版社や書店のなかには図書館の貸出しが新刊書の販売を阻害している面があると考える人びともいる。

視点を変えると違う40年が

 小さな「まちの本屋」にとってこの40年は「むしられっぱなしの40年」だった。 CVSに雑誌を奪われ、レンタル複合店や郊外型書店に文庫・コミックを奪われ、ブックオフにベストセラーを奪われ、メガストアとアマゾンに専門書などの注文・取りよせを奪われ、dマガジンにも雑誌を奪われた。しかし、立場を変えると別の40年が見えてくる。たとえば出版社にとって、CVSや郊外型書店の登場はそのまま販路の拡大を意味した。電子書籍の登場も出版社にとってマイナスとは限らない。紙版のコミックス(マンガ単行本)の市場は収縮しているが、電子書籍のそれを合わせるとここ最近はプラスに転じている。
 昨今、カフェを併設した書店が増えている。購入前の本をカフェスペースに持ち込める書店もある。意地の悪い見方をするなら、本の魅力で客を集め、飲食を提供している。そこでは、本は店舗の装飾品であり、集客の道具である。もちろん多くの店主は、少しでも市民が本位触れる機会をつくるために、そして本屋を続けるためにカフェを併設している。
 出版業界では”業界三位一体”ということばが使われてきた。出版社・取次・書店の利害は一致している(だから一丸となって諸課題に取り組まなければいけない)という意味である。しかし、21世紀に入ってこの神話は崩壊した。3者(あるいは図書館も含めて4者)の利益は、一致するときもあれば相反するときもある。2020年代はそれがいっそう明確になるだろう。


報 告 1

書店の視点から出版流通の変化を考える
 -出版書店業界と図書館界の、長い確執からの脱出 

     福嶋 聡(ジュンク堂書店難波店店長)


 1996年以降、出版販売総額は右肩下がりを続けた。多くの出版社が倒産に追い込まれ、書店数は往時の3分の2へと減少した。20年以上にわたる、長い出版不況は、景気循環のサイクルでは決してなく、構造的なもの、歴史必然的なものとさえ感じさせられる。
 「構造不況」に対して、出版・書店業界は速やかにさまざまな施策を打って対処すべきであった。だが残念なことに、業界が最も熱心だったのは、「犯人探し」である。「重要参考人」として名指しされたのが、図書館である。出版書店業界は、図書館を「無料貸本屋」と呼び、読者にタダで本を提供することで自分たちを脅かしていると非難した。特に、利用者からのリクエストを盾に、ベストセラー、売れ行き良好書を多数買い求めていることを問題にした。
 日本図書館協会が1963年に発表した『中小都市における公共図書館の運営』(『中小レポート』)によると、”公共図書館の基本的、本質的機能は資料の提供である”。
 図書館側は貸出しこそ市民が最も望み、あらゆるサービスの基礎であると反論、「情報化」を連呼してコンピュータ導入えお推奨し、「〇〇支援」こそ図書館の活性化と謳う時流を批判した(『図書館の発見』前川恒雄・石井敦 NHKブックス)。この本はさらに、”利用が多い本は複数の本をもっていないと利用者を長く待たせることになる。複本をそろえる図書館をやり玉に挙げる人がいるが、市民は本を読もうという気持ちが冷えない間に、図書館から本を借りて読む権利がある”と、当時図書館が出版書店業界を苦境に陥れた「諸悪の根源」といわれた「複本」についても、弁護しいる。
 「図書館の自由に関する宣言」(1954年採択、1979年改訂)は次のように言う。
  1.日本国憲法は主権が国民に存するとの原理にもとづいており、この国民主権の原理を維
   持し発展させるためには、国民ひとりひとりが思想・意見を自由に発表し交換すること、すな
   わち表現の自由の保障が不可欠である。(略)
  2.すべての国民は、いつでもその必要とする資料を入手し利用する権利を有する。この権
   利を社会的に保障することはすなわち知る自由を保障することである。図書館は、まさにこ
   のことに責任を負う機関である。
 図書館は、民主主義を確立し、守るための政治的存在なのである。一方、出版・書店業は、民主主義を支える言説を生産・流通させる経済的存在である。出版という営為の政治的/経済的側面である両者は「車の両輪」なのだ。どちらかがどちらかに優先するものではない。
 ところが、出版・書店業界の、図書館に対する誹謗・攻撃は熾烈を極めた。
 2014年7月、第21回東京国際ブックフェアで開かれたシンポジウムに登壇した文藝春秋前社長の平尾隆弘氏は、出版社のビジネスモデルがベストセラーや文庫の収益にいかに依存しているかを説明、「それが崩れることは、やがて書物そのものの衰退をもたらす」と訴えて、「ベストセラーの複本や、文庫の購入を控えてほしい」と、図書館側に「ど真ん中直球」を投げ込んだ。
 その年の2014年11月に『本が売れないというけれど』(ポプラ新書)を上梓した永江朗氏は、翌年初め、『新潮45』2月号の特集”「出版文化」こそ国の根幹である”で、作家の林真理子氏と新潮社常務取締役石井孝昂氏から、「波状攻撃」を受ける。二人が攻撃するのは、『本が売れないと・・・』の次の箇所である。
 ”しばらく前「図書館栄えて物書き滅ぶ」などと騒いだ作家や出版社があった。図書館がベストセラー を多数そろえて貸し出すので、出版社や作家の儲けが減るという主張だ。ずいぶん下品な物言いだ。”
 この同じ箇所に対して林氏は「果たして本当に下品なことだろうか」と反発し、石井氏は、「本を消費する側の論理だけで、生産する側の事情にいささかの配慮もない」と批判する。
 この箇所に続けて永江氏は、”だったら本屋のない街に本屋を作ってくれよ、自分が住む都会を基準にものごとを考えないでくれよ”と本屋も図書館も無く、人びとが本と接する機会に恵まれない地域を憂える本意を説明しているのだが、その部分には触れられていない。そもそも。新潮社は、ベストセラーの購入・貸出しや「複本」問題に、もっとも強い批判を浴びせてきた出版社である。
 昨年(2017年)10月の第103回全国図書館大会第21分科会「公共図書館の役割と蔵書、出版文化再生のために」で、再び文藝春秋の松井清人社長が訴えた。
 ”文庫や新書も図書館で読めるという読者の意識を変えるきっかけとして、図書館での文庫の貸出しをやめていただきたい”。「アウェー」でも怯むことはなかった。
 文藝春秋、新潮社の言い分が理解できないわけではない。私自身も本を売る側の人間だから、図書館の貸出しが少しでも本の売れ行きを鈍らせることは危惧している。
 だが、それでも、こちら側(出版・書店業界)の理由で、あちら側(図書館界)の施策に、無闇に口出しすべきでは無いと思うのだ。経済が政治を支配しようとするような言動は、必ず控えなくてはならない。
 では、どうするのか? 協力するのである。経済(出版・書店側)が政治(図書館界)と対立するのではなく、手を組むのである。
 出版業界と図書館界の人が並ぶシンポジウムなどでは、最終的にこのような議論で収まることが多い。問題は、総論賛成のその結論がなかなか実現されないことである。
 自身図書館のハードユーザーであり、出版・書店業界と図書館はもっと連携できるはずで、またそうすべきだと思ってきた私にとって、勤務先であるジュンク堂書店難波店の近くに、大阪市立中央図書館があったのは幸運であった。この館の5階に、立派なホールと言ってもうう300名近くを収容可能な「大会議室」があることを知っていた私は、すぐに連絡して快諾を得た。
 会場使用料は無料である。東洋経済新報社の担当者は喜んだ。ジュンク堂書店難波店でも、店頭でのトークイベントは行っているが、スペース的にも最大の50名位が限界だ。
 大切なのは、図書館と書店にもメリットがあるということだ。図書館は、藤原和博氏という大阪市とも縁の深い著名人を呼ぶことが出来る。われわれは、藤原氏の著書を多くのファンに販売することができる(もちろん、講演後にロビーでサイン会もする)。講演直後というタイミングは、参加者の購買意欲が高まっている。そして、そのことで、出版社はイベントに要する費用を、リーズナブルなものとして計上できる。
 その後、何度かこうした実践を行い、概ね成功だった。出版社も書店も図書館も、本を読者に届けることを目的としている。三者の仕事は、そのためのプロモーションといってもいい。その存在理由を共有する三者が、いがみ合うのではなく、それぞれの得意分野(図書館は場所の提供と集客、出版社は著者とのパイプ、書店は販売スキル)を自覚、相互に認識しながら協力し合うこと、いま出版物が直面している苦境を突破するために、それが何より大事なことだと信じる。

報 告 2

図書館の視点から出版流通の変化を考える
 -貸出重視、整理委託、選書委託、電子図書館 

     湯浅 俊彦(立命館大学文学部教授)

1.出版流通システムの変化と公共図書館の役割


 人類の長い歴史の中で出版メディアの生産・流通・利用・保存の様式は時代と共に変化し続けてきた。本報告では、日本における1970年代から始まった近代出版流通システムの変化を概観し、主に1990年代から現在までの特徴的な出来事に焦点を当てながら、出版流通における公共図書館の役割を検討し、2020年代に向けた出版界と図書館界の新たな取組みを模索する。

2.日本の出版流通の変遷

2.1 日本の出版流通システム


 日本の出版流通は取次や書店を中心に、そのほか多くの担い手によって支えられている。また今日ではインターネットを通じて出版物を販売するオンライン書店やデジタル・コンテンツをオンラインで読者に提供する電子出版のような新しい出版流通システムも生まれ、流通経路はますます多様化する傾向にある。


2.2 出版流通経路の多様化

 出版流通経路は図1のようにさまざまなものがある(湯浅俊彦「出版流通と販売」『出版メディア入門』第2版、日本評論社、2012年、所収)。

 このうち、出版社ー取次ー書店ー読者という取次経路がこれまで主流な経路となっていた。1970年代から始まった出版流通における大きな変化は、コンビニエンスストア、新古書店、インターネットカフェなど、出版物を入手・閲覧するルートは多様になり、1990年代半ばには既存の書店経営は悪化の一途を辿り、全国の書店数は減少することとなった。とりわけ、アマゾンなどの紙媒体の出版物をインターネット通販するオンライン書店、アマゾン「Kindle Store」、アップル「iBook Store」、グーグル「Google Play Books」といった電子書店によって、近代出版流通システムは大きく変容することになったのである。


 
3.公共図書館と出版流通とのかかわり

 公共図書館もまた出版流通の一翼を担っている。図1に示す読者の範疇には一般読者だけでなく、図書館や学校・企業という機関ユーザー経由で著作物を利用する読者が存在するからである。また、図1には図書館流通センター(以下、TRC)の存在が示されている。
 TRCは図書館総合支援企業として1979年に設立され、1982年にはTRC MARC発売開始、1996年には福岡市総合図書館において国内初の館内業務委託を開始している。『公共図書館の論点整理』(勁草書房 2008年)第5章に収められている小川俊彦「公共図書館の委託」によると、TRC設立は、⑴  1979年、日本図書館協会は1億円近い赤字と、3000万円分相当の滞貨、そして2000万円の未収入金を抱える。⑵ 弥吉光長はこの事業を出版界の協力を仰いで新会社「図書館流通センター」(TRC)に移管、というように出版界の援助によって行われたことを述べている。
 日本の図書館界と出版流通の関係にはこのような歴史的経緯があり、日本図書館協会が事業に失敗し、財政的に破綻したために、日本の出版界が援助し、現在のTRCが誕生したことは、もっと注目されてよいだろう。
 つまり、日本の出版界の売上が低下している今日、図書館界は出版産業の持続的発展を図るため、これを援助し、新しい協同の取組みを開始すべきであると筆者は考える。

4.出版界と図書館界の取組むべき道とは

 日本の出版流通の世界では現在、これまで出版の要であった取次の営業赤字、雑誌市場からの鉄道弘済会の撤退など、近代出版流通システムそのものが崩壊する危機に直面している。そこで新たな出版流通システムを創出するために、出版界と図書館界が協同で取組むべき道を考える上でヒントとなる論点をここに列記する。

4.1 出版市場としての図書館 

① なぜ日本では図書館が市場として認識されていないのか。

② 出版社は図書館による買替え需要をどのように見ているのか。 
③ 出版社は図書館の複本購入をどのように見ているのか。
④ 図書館は出版社のショーウィンドウ的機能をはたしているのか。
⑤ 図書館の貸出実態データは出版社に役立つのか。
⑥ 図書館と書店との間にあるのは、競合関係なのか。相乗効果なのか。
⑦ 図書館の資料費を増加させることはできないのか。
⑧ 図書館の電子書籍貸出サービスの進展はどうなっていくのか。

4.2 読書基盤としての図書館

① 図書館の選書機能は読者に何をもたらしているのか。

② 図書館の開架は読者に本との出会いをもたらしているのか。
③ 図書館は出版情報を読者に提供しているのか。
④ 図書館は読書センターなのか、情報センターなのか。
⑤ 図書館で育った読者が書店の購入者になっていくのか。
⑥ 図書館が新たな知を切り拓いているのか。
⑦ 図書館は地域の出版物に積極的に関わっているのか。
⑧ 図書館で電子出版コンテンツをどのように読むのか。

 以上の論点に留意して、当日のディスカッションを行いたいと考えている。

パネルディスカッション
【パネリスト】
  永江 朗(フリーライター,日本文藝家協会理事)
  福嶋 聡(ジュンク堂書店難波店店長)
【司会】
  湯浅俊彦(立命館大学文学部教授)


湯浅俊彦(司会):会場の質問にお答え頂きます。

質問:新刊発行点数が増え売上額が減っているとの事だが、コミックでも同様の傾向か?

永江朗:漫画も同様です。出版科学研究所等の統計では、いわゆる「コミックス」=新書サイズのコミック単行本は雑誌として扱います(ただし、同一コンテンツでもコミック文庫本や愛蔵版などは書籍扱いです)。ここ2~3年、紙のコミックスの販売額は減り続けていますが、電子版は増えているので、紙と電子を合わせたコミックス全体としての減少は止まりつつあります。

質問:「再販制は無い方が良い」と言っている出版社や書店の人もいる、との事でしたが、もう少し詳しくお話し頂きたい。書籍の販売価格を柔軟に設定できる様になる、以外にメリットはあるか?

永江:本音というのは取材でマイクを向けてもなかなか出てきませんが、酒が入ると漏れてくるものです。ある大手書店チェーンの幹部は、「再販制がなくなると、出版社間の淘汰が進み、グループ化していくだろう。そうなると書店の業務はやりやすくなっていい」といっていました。また、ある書店経営者は、「いまのシステムでは、意欲のない書店にまで配本するため、意欲のある書店に必要な本が回らない。価格も含めてどんどん競争して、やる気のある者だけが残るという淘汰のシステムがあってもいいのではないか」と話していました。日本の再販制は、実質的には「1円たりとも値引きは許さない。いちど決めた定価は、未来永劫値引きを許さない」という、硬直的な運用状況が続いてきました。時限再販や非再販をもっと柔軟に使った方がいいと私は思います。昨年(2017年)の雑誌の返品率は44.7%で、半数近くの雑誌が返品され断裁されています。昨年の雑誌の発行金額は1兆円ほどですから、金額にするとおよそ5千億円分を断裁して捨てているわけです。古紙にして再生しているといっても、それにもエネルギーを使うわけですから、出版産業というのは環境破壊的な産業であるという自覚を持つべきでしょう。そういったことも含めて、出版界はもっと積極的に、再販制の弾力的運用に取り組むべきだと思います。

福嶋聡:図書館と出版社・書店の連携では、一番の問題はお互いにもっと知りあう事が必要だろう。出版社は市場の大きさから言って東京中心にものを考えているのは間違いないと思うので、そこを動かすには、やはり声を上げて行くしかないのではないか。
 各地域にはゆかりの著者の方や、さまざまな著者のファンがいらっしゃるので、お互い知り合っていくことが一番大事かな、と思います。講師の著者とのコンタクトに関しても、地元の書店を通じてでも良いし、ナショナルチェーンの書店は全国にまたがっているから、心ある人が話を持って行けば、邪険にはしないと思います。

質問独立系の書店についてはどうでしょうか。

福嶋:例えばB&Bさん(BoookBeer)、は凄く面白いと思います。僕もビールを飲みながら本を探したいな、という時があるので。大型チェーン店とそういうお店は役割、雰囲気が違いますから、私はそういうお店の方が自分が見る分には、好きです。
 今、ジュンク堂書店、丸善さんも含めてコードで本を管理していますから、どこの店に行っても探すのには簡単ですが、支店に行って本棚を見ても同じ並びなので、面白くない。あれっと思うような置き方をしている店は、その事によって本の新しい見え方があるのと思うので、凄く面白いです。そういう新しいお店はどんどん出てきていただければ、と思います。

質問それぞれの出版社、図書館、書店に、それぞれ独自の専門性は今も有ると思いますか?

福嶋:確かに、かつては専門性が有ったと思うのですが、データ等を通じて仕事をすることが多くなっているので、これはもう、湯浅さんがおっしゃったように、「本屋の人間、こんなに本を読まなくっていいのか?」ということ、これはある意味では今も変わらない。実際、好きで本を読んでいる人間は沢山いますし、その辺りはもっともっと評価というか、仕事につなげていければという気がします。その意味では、出版社、書店、図書館は共通しているので、本を読んでいるか、好きであるかどうか、好きであれば仕事は面白い、そうでなければ仕事は面白くない。好きであることは大事にしていきたいと思っています。

質問現場の書店員が本日のような話を聞いたり話し会う機会は、現在有るのでしょうか?

福嶋:現場の書店員の方がここに来ていらっしゃるからの質問です。
 先ほど湯浅さんが話された書店トーク会という例が、かっては有ったけれど今は無い、というわけではないと思うし、逆にそういうことは色んな方が着実にやって行かれれば良いと思う。何より大事なのは、書店には色々色がありますので、得意な事をお互いに知り合っていく事ではないか、という気がします。その意味では、誰もが全ての書物について通暁することは不可能ですから、あ、その事でしたら他社であろうが、誰それさんに聞けばいい、という事を自分が聞くこともあれば、お客さんに話すことができる、そんな事で繋がりあって行けたらと思います。
 具体的に言うと、大阪で言うと駅の上にある蔦谷書店にはイベントスペースがあることが、僕はうらやましい。僕は自分の店では店内の一角に無理やり丸椅子を置いてイベントしている。だったら、蔦谷書店でイベントを逆にコーデイネイトするか、何なら僕が行ってしゃべってもいい、そういうイベントが出来たらな、と実現はまだですが思っています。もっともっと書店同士が交流すべきではないか、と思っています。それは会社に対する裏切りでもなんでもなく、そうすることによってこの業界が活性化すれば良いな、と思っています。

司会:ここから、図書館と出版社との連携についての実例を伺いたい。福嶋さんのジュンク堂難波店と大阪市立図書館との連携は、書店と図書館との連携ですね、継続的に行われているのか、どういう展開をしそうですか?

福嶋:単発です。お互いに都合があって、図書館に予定がある時は僕らは行けないし、空いてて丁度良いなという時は行ける。こちらにネタが無いといけないし、何かあればご相談できるという位の関係です。

司会:配付した資料に、明日1021日神戸市立中央図書館の「本を届ける-出版の世界と図書館」という講演会の案内があります。こういう事をやろうと相談していた書店が閉店してしまって残念だったし、こういうことを言ってる間にも書店がつぶれていく。
 私は神戸市立図書館協議会の委員をしているが、神戸市には有名な海文堂書店が閉店(2013年閉店)して神戸市の久元市長も非常にがっかりされた。1995年の阪神淡路大震災以降、神戸市では沢山の書店が閉店したのですが、図書館として出版メディアを支えていくという活動の中で何かできないかという事で、図書館協議会のテーマにして、議論ばかりでなく何かやりましょうという事で、私が企画を立てたのが「本を届ける-出版の世界と図書館」という明日の講演会です。
 ここでは、神戸市に本社があり出版活動をされているエピックという会社の奥間祥行社長に「1冊の本が生まれるまで」の話をして頂いて、それに、以前三ノ宮のジュンク堂書店サンパル店という、非常に特徴的なお店に勤務されていた事から福嶋聡さんにお話していただく。
 福嶋さん、書店と図書館、売るのと貸す、あるいは館内閲覧の違いですが、講演会をやっていないですが、何が生まれると予想されますか?

福嶋:僕は図書館と書店では、流れている時間が全然違うと思う。書店は、平積みがあり、多面出しとかしますから今、何が読まれているかは非常に分かりやすくえり抜きできる。一方で単行本の新刊本は4~5年で売り切ってお終い。先ほど永江さんがおっしゃっていた、新刊政策の逆です。長く売る所はめったに無いですから、調べようと思っても本が無い。かなり前ですが、お客さんから東京佐川事件について調べたい、と言われてもそんな本は無いです。あるいは、リクルート事件の本も無いのではないでしょうか。
 永江さんとの関わりで言うと、1980年代のセゾンの栄光の時代は、永江さんが書かれた本位しかないのではないか(『セゾン文化は何を夢みた』朝日新聞出版 2010)。実は、そういうブックフェアをしようと思っても、本が無いです。ある時に、その時代を描いた山口泉さんの小説のフェアをしようと思って、セゾンとその時代は朴正煕大統領が暗殺された時代(1979年暗殺)ですから、韓国は民主化運動の盛り上がりと弾圧の時代ですけど、どちらも本が無いです。そんな本は図書館に行けばいくらでもあるだろうなと思いました。本当に相補的です。逆に図書館の棚で、今これはということ、それは良いものでも悪いものでも、別にして、2年ぐらい前であれば書店の雑誌売り場は朝日新聞バッシングの雑誌ばかりだった、それが風景になっていた。そういうことが起こっているということが、新刊本屋で良く分かると思います。
 それが良い悪いは別にして、現実はこうなんだということは、いわゆるヘイト本のこと、或いは変に日本を称揚する本の事を含めて、それが売れているという事を書店の店頭は如実に表しているわけですから、中心に流れている時間が違うということ、そこを相補的にやりたいな、と思う。ですから、図書館の方には良く書店の店頭においで下さい、この辺が旬ですよ、これから売れていきますよ、という話を書店員はしたがっていますから、是非そんな話をしましょう。

司会:ありがとうございます。永江さん、書店でのブックフェアという事になると、1970年代に「シュールレアリズム展」等、冊子を作ったり、地方・小出版流通センターが西武でブックフェアをしたりしました。書店のブックフェアは図書館とどういうスタンスの違いがあるのでしょうか?

永江1970年代の初めから半ばくらいにかけて、東京・吉祥寺の弘栄堂書店が「シュールレアリズム」などをテーマに次々とブックフェアを開いたのが、書店独自のテーマ性をもったフェアの先駆けだといわれています。それ以前は、書店のフェアというと出版社仕込みのものが中心で、いわば目録フェアでした。1980年代になると、後のリブロ、西武百貨店の書籍売場(西武ブックセンター)が恒常的におこなうようになりました。「イベント」と呼んでいましたが、書店がテーマを決めて、出版社を横断的に本を集め、お客様に見せていく。そこには、書店は単に本を売る場所ではなくて、文化を発信する場所でありたいという意識がありました。ベースには堤清二/辻井僑という、詩人・小説家であり経営者でもある二つの人格を持った人間の考えもあったでしょう。それが、読書界のニューアカデミズムブームを含めて上手くシンクロしたことによって、1980年前後から書店の役割がちょっと変わり、本を売る場所から色んな情報に接する場所、文化を作って行く空間へと変わっていった。書店の現場では、「本を売る事自体がクリエティブなことなんだ」という従業員の気持ちに支えられていた。
 しかし、よく考えると、当時の書店員には余裕がありました。デパートは6時閉店でしたし、毎週1回、定休日がありました。我々リブロの従業員は、6時に閉店して、645分までが就業時間。ちょっとだけ残業して、あとは仲間と飲みに行って、本の話をしたり、次の芥川賞や直木賞の予想をしたり。私はヘーゲルの『精神現象学』やフーコーの『言葉と物』の読書会をしたこともあります。それは余裕があったからできたことです。ところが90年代以降、とりわけバブル崩壊後は、定休日もなく、営業時間は長く、人減らしもどんどん進んでいます。中規模店でも常時いる正社員は1人か2人で、短時間のパート・アルバイトでなんとか営業しているという書店が珍しくありません。まあ、公共図書館も似たようなところがあるかもしれませんが。現場の労働条件の劣悪化が、書店にしても図書館にしても、読者から見て施設をつまらなくさせてしまっている大きな原因ではないかと思います。

司会:ありがとうございます。今のお話の中で出て来た出版物をある題で集める時に、出版社の目録しかなかった。『日本書籍総目録』(日本書籍出版協会)と「これから出る本」(日本書籍出版協会)が出版され始めたのは1977年だった。それまでは、書店はフェアを開く際は、出版社目録を集めてそれを見てシュールレアリズム関係があるとテーマに沿う本を探していた。弘栄堂書店吉祥寺店の鈴木邦夫さんに書店トーク会にゲストで来てもらった時に、いかに苦労したかを詳細に語って頂きました。
 『出版年鑑』これも今、話題ですねえ。『出版ニュース』が休刊する事により、どうなって行くか。あれは書目を1行ずつ書いている、非常に重要な文献ですね。書店の人が出版社まで行って、『ユリイカ』や『現代思想』のバックナンバーにシュールレアリズム関係がいっぱいあるじゃないか、これを集めてブックフェアをしようなどと、相当苦労していたわけです。
 そういう仕掛けとかは、基本的に図書館とは少し流れる時間が違うと福嶋さんは話されましたが、共通の要素が結構あるのではないか、と思いました。
 例えば、具体的な話をしたいのですが、大阪でOsaka Book One プロジェクトというのがありまして、これは朝井まかてさんが2015年の受賞者(『すかたん』講談社 2014)になった時に、大阪府立図書館で講演会をすることになりました。府立図書館でその時担当していた人が参加されているので、図書館でのフェアの取組について、参加者の方から実例を紹介していただきたい。

参加者:先ほどから何度か出ていますが、私も大阪の版元さん、取次さん、書店さんとこういうことをする事になって、場所が無いという話を聞きまして、図書館が忘れられているな、と思いました。図書館を使って下さい、図書館はたぶん皆やりたがると思いますよ。毎年、行う賞なので是非色んな図書館でできますよ、という話をさせて頂き、大阪府立図書館で行いました。その時、別の図書館2ヶ所位から、こういう集まりがなかなか無いという話しでした。

司会:ありがとうございました。本屋大賞の大阪版のようなもので、1冊の本を決めて、それに各取次、トーハン、日販(日本出版販売)さんなど、それにジュンク堂書店、紀伊國屋書店などの書店が集まり、その本を売って売って売りまくろうというプロジェクトです。著者の朝井まかてさんを招いて、私も参加したのですが、私の元ゼミ生が日販に入って1年も経ってなかったのですが、日販の大阪支店の営業にいて担当になって来ていた。日本出版学会の関西部会の会合に来ていた時に、TRCの大阪府立図書館委託業務統括責任者の方が居られて、その場で講演会場が決まって、非常に良かった。
 福嶋さんがおっしゃっていた大阪市立中央図書館の話しにしても、私がお話した大阪府立中央図書館にしても、イベントを行う際に、入場料を取れないとか、その場で販売がしにくいとか、色々課題があるかと思うのですが、ごく最近『書店に恋して-リブロ池袋本店と私』(晶文社 2018)が、昨日、紀伊國屋書店新宿本店で18冊積んでいて、早速その場で買ったのですが、著者の菊池壮一さん、いらっしゃってますか?
 元リブロ社員で、現日比谷図書文化館図書部門長をされています。

菊池壮一いろいろな経緯があって、3年前リブロ池袋書店が西武百貨店と契約の続行が出来なくなって止めなきゃいけなくなり、私が最後の責任者だったので、誰か責任を取らなければならないかなと思い、翌年に止めました。その後、少しぶらぶらしていたのですが、書店じゃない目線でこの業界を見てみたいと思い、それで働かせて頂いてます。

司会:日比谷図書文化館では1階に本を売るスペースがありますが、あれはどういう経緯ですか?

菊池日比谷図書文化館には日比谷カレッジと称する講座があり、区からも認めて頂いてお金を取ってやっているのですが、講師の方々の本を1階のカフェで売っています。

司会:永江さん、TSUTAYA図書館と称される複合的な図書館で本を販売している事に批判が強いです。図書館界には本を販売する事を批判する人も結構いると思います。書店が本を売る、図書館が本を貸す、その間に、図書館が著者を招いたイベントとか工作教室を行う事もある。そこで本を売る売らないとなった時にその棲み分けをどのようにお考えですか?

永江自治体によっては、公共施設での商行為を制限していることもあるでしょうが、ただ、一昔前に比べてかなり柔軟になってきているようにも感じます。それは指定管理者制度とも関係があるのかもしれません。某県某市の図書館をコアとした複合型施設で講演したときは、地元の書店が机を出して私の著書の販売していました。公立の大型ホールでのコンサートなどでも、演奏した音楽家のCDの販売は珍しくありませんよね。商行為と公共図書館がまったく相容れないということはないでしょう。ある図書館では、館内で検索をすると、所蔵していない本は他館から取り寄せることができるし、市内の書店から購入することもできる。図書館と書店とがシームレスに繋がっている所も増えている。やろうと思えばいくらでもできると思います。
 地方では著者を招くイベントを行いたくても伝手がないという悩みがあると聞きます。そういう場合は日本文藝家協会にご連絡をいただければ、協会に所属している著者ならご紹介できます。もちろん、日程などさまざまな都合で作家が断る場合もあるでしょうが。日本文藝家協会が出している『文藝年鑑』に名簿が載っていますから、それを見て協会に電話をしてくれればお繋ぎします。遠慮せずにどんどん電話を頂ければと思います。

司会もう少し、柔軟にすれば良いのではないかという事ですね。
 それから、先ほどの私のゼミ生ですが日販が図書館選書センターを東京の麹町に作ろう、という事になった時に、自分で手を挙げて移りました。あそこは学校図書館向けの展示スペースがあり、恒常的に図書館向けの資料を取次が積極的に売って行こうとしている。というのは、書店の売上額が下がることにより、相対的に図書館の地位が上がったのではないかと思う。
 皆様にお配りした資料に『図書館年鑑』2018(日本図書館協会2018)の図書館資料費の部分がありますが、2016年度の資料費の実績が256億円62百万円とあります。この数字はどうでしょうか。“ちっさい“ですよね。明らかにちっさいと思います。出版界で言う所の売上からすると、ここにある3,215の図書館総数が束になって256億円なのか、1年間で、しかもこれは多様な資料ということで、決して図書だけではないのですが、この辺を一寸、福嶋さんは、図書館のこういう資料費の面について、話していただけますか。

福嶋:僕は現場から考えますから、ある時期図書館の方は気の毒だな、と思ったことがあります。というのは、書店は、売上さえあげれば人も増やせるし支店も出せる。図書館の場合は予算ですね。これは大きく違うかな、という気がします。訴える相手が違う。書店は読者に訴えかけていけばいいが、図書館の方は行政に訴えていかなければならない。全く訴え先が違うので、その辺のご苦労が分からないのですけども、書店の販売予算と図書館の予算も質が全く違うので、多い少ないも分からないのが本音です。

司会はい、いわゆる大学図書館と公共図書館を比較した場合でも、公立大学の図書館に居た人が、公立図書館に人事交流で異動になる事があります。大学図書館から公立図書館に移った人から聞いた話だが、公立図書館で2,000円の図書を買おうとしたら高額図書と言われてのけぞってしまった。「高額図書だから慎重に検討しないといけない」と止められたそうです。それぐらい落差がある。資料費の問題は、そういうかなり大きな課題だと思う。

永江昨年のこの分科会のシンポジウムで、時間切れとなってしまった所につながります。公共図書館はそれぞれの議会に対して利用状況とかを説明していく責任がありますが、その時、行政の側が評価する尺度としては、貸出冊数や利用者数といった数字しかないというのが現状だと思います。具体的にどういう本がどのように利用されているかとか、どういうレファレンスが行われているか、ややおおげさにいうと一人の市民が図書館を利用することでどんなふうに幸福になったかといった質の部分について、議会が図書館を評価したり判断したりというのができない。それは、非常に問題であると思います。図書館側からも利用者数・貸出冊数だけではない評価のモノサシを提案していかなければならないと思います。
 文庫本の貸出しや複本購入に出版界からいろんな批判がありますが、図書館の現場からすると、数字の上がりやすい資料を優先して置きたくなるというマインドも、議会対策という中では出てくるであろうと思います。
 これからの図書館のスタッフに求められるのは、司書としての知識・見識や発想力・行動力だけでなく、予算を獲得してくる行政マンとしての能力だと思います。それは単純にどれだけ予算を取るかではなく、予算を獲得するために、行政・都道府県・市町村議会議員にアピールすることも含まれます。批判の多いTSUTAYA図書館ですが、そこはうまいと認めなければならない。議会対策としての図書館のあり方としては、とっても上手にやっていると思う。ただ「図書館の予算が増えればいいね」と空を見上げているだけでは、予算は絶対に増えません。予算を増やす為にはどうするかを、あの手この手で考えていかねばならない。図書館の予算が増えれば、出版界にとっては売り上げが支えられる、一人一人の書き手にとっては次の作品を書く支えになるわけですから、とにかく予算獲得から、と思うわけです。

司会続けて、いわゆるベストセラーとか、本屋がむしられっぱなしとかの所で出ていましたけれど、図書館におけるベストセラーの取扱いについて、どの様にお考えですか?

永江書き手も一様ではありません。「複本には反対だ、図書館は貸出猶予をして欲しい、文庫本も貸出さないで欲しい」という書き手もいるし、「図書館が購入することで下支えされているので貸出猶予なんてとんでもない、図書館には積極的に新刊を購入して欲しい」と思っている書き手もいます。
 また、作家もいろんな種類がいて、書くことだけで食べている専業作家もいれば、作品が読まれることでセミナーの客を増やす、集客装置としての本を大量に書いている作家もいれば、大学などの教員をしながら書いている作家もいる。いろんな人がいて、一人一人立場がと意見がいます。
 図書館と出版社、書き手の問題を語るとき、私たちはあまりにも新刊だけに目を奪われているのではないかと感じることがありました。昨年、山形県川西町の井上ひさし遅筆堂文庫に招かれて講演をしました。その際、会場の方に最近読んだ本、いま読んでいる本について、一人ひとり話してもらいました。驚いたのは、新刊をあげる人がほとんどいなかったこと。多くは、20年前、30年前に出た本を挙げていました。その本をどうやって入手したかを聞くと、「家に以前からあった」「古本屋で買った」「人からもらった」という答えが多い。出版業界の内部にいると、本といえば新刊を意味し、過去6ヶ月以内に出た本の事だけをかんがえてしまいがちです。しかし、一般の読者にとって本は、10年、20年、50年という長さで存在している。先ほど福嶋さんが「流れる時間が違う」と話されましたが、まさにその通りで、出版業界の内部の時間と一般の読者にとっての時間とを、うまく掬い上げていくのが図書館ではないかと思っています。

司会非常にうまく説明して頂いて、良くわかりました。会場からもう1人だけ複本問題で、『模倣犯』(上・下 宮部みゆき 小学館 2001)が大変に沢山図書館に置かれているではないか、と当時、NHKの「クローズアップ現代」で「ベストセラーをめぐる攻防」(2002年11月7日放送)で悪の代名詞のように取り上げられました。その町田市立図書館の関連の方に、2002年と今が、同じなのか違うのかをお話し願います。

参加者おそらく、以前はベストセラーを何十冊も置いていたが、最近は予算が減ってそうした買い方はできなくなっている。もう少し多様な本をどのように確保していくかに視点は移っていっているが、議論は深まっていない。図書館の側も出版にエールを返すという事になかなかなって行かない。

司会ありがとうございました。その時は、糸賀雅児先生が出演し、丁度、明と闇という感じで、神奈川県立図書館(横浜)と神奈川県立川崎図書館はとってもいい事をしている。一方で、町田市立図書館は同じ本を50冊も買っている、といった描き方をしていた。実際は、町田市立図書館がレファレンスをしていないわけでもなんでもないわけで、非常にバイアスのかかった取り上げ方だな、と思いました。
 ちょっと時間が無い中ですが、2002年4月には朝日放送で「誰が書店を殺したのか」が放送され、11月にはNHKで「ベストセラーをめぐる攻防」が放送された。それから、議論が深まってないのが問題で、図書館と書店、出版社、こういった所をめぐる問題について、もう少し具体的な連携の例の中でとらえていく方が、何か抽象化した議論をしているよりも良いのではないか、明日は福嶋さんと私が神戸で話すことが、第一歩かなと思っています。
 最後に、本日登壇している方に一言ずつ、まとめの言葉を頂いて閉会したいと思います。

永江出版業界の未来というと、つい悲観的になりがちですけど、本がなくなることはありえません。では、その本をどう残すのか、ということだけが課題です。書店や図書館や、あるいはさまざまな施設が、どう役割分他をしていくか、どう協同していくかが課題であって、呑気に足を引っ張ったり攻撃していられるような状況ではない。やれることは何でもする、というくらい開き直らないと2020年以降はもたないと思っています。

福嶋:まとめではなく、一寸さっき思い出した事が、私は複本の件で書店員にあるまじき事をしているんです。戸田市に住んでいる時、近くの分室にお世話になっていた。ネットで見たらベストセラーが50人、100人待ちなんですね。その時、ふと『未来をつくる図書館―ニューヨークからの報告』(菅谷昭子 岩波書店 2003)を読んで、全然レベルは違うんですけれども、公共図書館は行政ではなくて市民が創る図書館だという事、僕はアメリカフリークでもなんでもないんだけど、そこは少し日本も学んでも良いのではないかと思って。じゃあ、僕は何ができるかと思ったら、本屋ですから特に売れている本が気になって、そのような本は図書館では100人待ちで借りられないので、それは書店で買います。買って何回も読み返さないような本なら、図書館にあげに行きます。単にあげるだけです。そんな事から、お互いに協力し合って、家には本が溜まらないし、書斎のような気持にもなれるし、そんな事からひょっとしたら利用者の方、我々から言えば読者の方ですが、意外な所から近くなれる方法があるのではないかいう気がします。それだけお伝えしたいと思いました。

司会ありがとうございました。この後、第18分科会、「出版と図書館」という分科会は、今年は「地域の読書をほりおこす」という事で、まさに図書館と地域書店、出版社との連携、出版文化を支える地域の読書を支えるためにという事例をちゃんとやります。山梨県の事例を通して地元書店との取組が話されますので、是非、ご参加下さい。

(以上)

参加者数:150名

運営委員:小熊美幸(国立国会図書館)

間部 豊(帝京平成大学現代ライフ学部)

湯浅俊彦(立命館大学文学部教授)

吉野友博(元荒川区立南千住図書館)





 




 


  


 
 
 






第103回全国図書館大会東京大会
 第12出版流通分科会 記録
2017年10月13日(金)9時~12時
国立オリンピック青少年記念センター309

書店と図書館の協同を求めて
~「公立図書館」における図書購入の実態」を中心に


基調報告「公立図書館における図書購入の実態」調査報告から
  大場博幸(文教大学文学部准教授)
報  告「地元の書店が本や雑誌を図書館に納入するということ」
  高島瑞雄(高島書房・日本書店商業組合連合会流通改善委員会図書館サポート部会部会長)
報  告「地元の書店から本を購入するということ」
  田中伸哉(白河市立図書館館長)
報  告「『公立図書館における図書購入の実態』調査報告を読んで
  永江朗(フリーライター・日本文藝家協会理事)
パネルディスカッション
  司会:瀬島健二郎(日本図書館協会出版流通委員会委員長、文化学園大学図書館長・教授)


分科会概要

 
出版物の売上げの減少に伴い、書店が減っています。2000年に比べ、2016年には約6割の1万3041店まで減少しました(アルメディア調べ)。当分科会では、今回初めて図書館の資料収集に欠かせない書店との関係を採り上げます。
 2016年度実施の全国の公立図書館を対象とした「公立図書館における図書購入の実態」調査では、割引率、装備、書店や書店組合との関係などが明らかになりました。著作物は再販制度の対象で図書はその代表ですが、入札に応じて割引納入されていたり、装備と組合せ定価で納入されるなどしている。また、多くの図書館が自治体内の書店や書店組合と取引して資料を集めています。
 初めて明らかになったこうした実態を基に、同じく地域社会において出版物を提供する役割を共有する書店と図書館の間での望ましい関係を求めて、報告を基に意見交換します。瀬島健二郎(日本図書館協会出版流通委員会)


基調報告


「公立図書館における図書購入の実態」調査報告から

    大場博幸(文教大学文学部准教授) 

1.多様な資料の収集と地域の書店の保護
 
  公立図書館の予算はここ20年ほど徐々に減額されてきている。予算削減の内訳としては、指定管理制度が典型的であるように、特に人件費がターゲットとなっていることが多い。一方で、資料費は一連の聖域であり、減額傾向にあるとはいえ、維持されるべきものと考えられている。しかしながら、現行の資料購入の方法は本当に合理的なのだろうか。調達方法に改善の余地がないかどうかについては、議論がほとんどない。資料購入について、検討がなされてもよいはずである。
 公立図書館の資料収集では、所蔵タイトル数が多ければ多いほど、多様なニーズに応えることができる。資料費が限定されているならば、安価に購入することでより多くのタイトルを揃えることができるだろう。端的にいって、寄贈での収集や古本の購入は合理的だろう(もちろん、社会的影響の点では議論の余地がある)。新刊ならば、購入時における割引率が高いほどよい。購入における安価さ、割引率の高さが、図書館にとって望ましいということは疑いえない。
 しかし、自治体によっては図書館の仕入先が、自治体域内の小売書店に限定されることもある。購入のすべてまたは一部を、自治体域内に事業所をかまえる書店または書店組合からにするのである。その理由が明示的に説明されることがまれであるけれども、域内の小売書店の保護のためであることは明らかであろう。そこで、域内の書店からの調達は図書館にとって望ましいものか、という疑問が起こる。
 おそらく、政令市以外の地方自治体の小売書店は零細であることが多いだろう。こうした書店を仕入先とした場合、大手小売書店からの購入と比べて、その割引率は低くなると予想される。そこには、図書館の目標と地域の産業振興との間にジレンマが横たわっている。
 そこで、以下では日本の公立図書館の資料購入の実態を調べてみることとする。

2.「公立図書館における資料購入の実態」調査

 この調査は安形輝(亜細亜大学)、大谷康晴(日本女子大学)、池内淳(筑波大学)、大場博幸の四名による共同研究である。1)

2.1.調査の概要

 
2016年の7~8月に、図書購入についてのアンケート調査を行った。対象は、都道府県および市区町村の自治体の本館および中央図書館1,365館である。これは、2015年『日本の図書館』に掲載された図書館設置自治体すべてにあたる。有効回答数は1,042件で、回答率は76.3%となった。
 調査項目は「自治体内書店からの購入の有無」「割引の有無」「割引率」「書店組合経由の割合や金額」の四つである。あわせて、装備付きの納入かどうかについても尋ねている。 
 なお、一つ一つの回答には曖昧さが見られた。そのため、集計においては次のように処理した。頻繁にあった曖昧な回答のパターンとして、割引率や書店組合経由の購入割合の設問に関して「10~15%」のように幅を持たせることがしばしば見られた。この場合、平均値を代表値とした。また、「約」「およそ」「程度」など数値の幅に含みをもたせた修飾語は、削除して集計した。このほか、欄外コメント、メール、電話などは記録して、適宜参照できるようにした。

2.2.調査結果

・図書購入のさいの割引の有無
 はじめにどの程度の図書館が割引購入をしているのか調べた。結果は、「割引なし」の図書館が全体の2/3程度あり、「割引あり」が1/3であった。

 ・図書購入のさいの装備の有無

 割引においては装備の有無も考慮しなければならない。定価で購入していたとしても、装備付き納入ならば実質的に割引となる。まずは単純に装備付きかどうかを尋ねた。結果は、「装備あり」が4割弱、「装備なし」がおよそ6割となった。

 ・図書購入のさいの割引と装備

 続いて装備と割引のそれぞれの有無について尋ねた。「装備なし取引なし」の図書館は1/4弱あり、「装備あり割引なし」がおよそ4割、「装備あり割引あり」が1/3であった(残りは無回答)。「装備あり割引なし」を「装備相当分の割引」とみなすならば、3/4の図書館が割引を受けていることになる。

 ・自治体の書店経由での購入の有無
 次に、納入先の小売書店が図書館設置自治体の域内にあるかどうかについて尋ねた(このとき書店組合のケースも含む)。その結果、約8割の図書館が「域内」と答え、2割が「いいえ」と答えた。

 ・自治体内の書店で購入する場合

 しかしながら、購入するすべての書籍を域内の小売書店から購入しているわけではない。続いて、全購入数に占める域内書店経由のタイトル数の割合を出し、その割合を示す図書館数を集計した。「域内書店からの購入は1%未満」「1%~24%」「25%~49%」「50%~74%」「75%~99%」「100%」として階級をつくると、もっとも多かったのが「75%~99%」であり、300館を超えた。「100%」も100 館以上あった。これら以外すべては100館以下であった。ここから、大半を域内書店経由で買っている館と、そうでない館とに二極分解していることがわかる。
 
2.3.規模別の分析

 ・設置自治体別の割引率
 割引率についての結果を図書館の設置自治体別にクロス集計した。区分は「都道府県立」「区立」「政令指定市立」「市立」「町村立」の五つとした。「都道府県立」の6割、「区立」の8割、「政令指定市立」の5割がなんらかの割引を受けていた。一方、「市立」の7割弱、「町村立」の7割強が割引なしの購入であった。

 ・蔵書規模と割引

 次に蔵書規模別にクロス集計した。「蔵書冊数5万冊未満」「5万冊以上10万冊未満」「10万冊以上20万冊未満」「20万冊以上50万冊未満」「50万冊以上100万冊未満」「100万冊以上」の6区分とした。結果として、割引を受けている図書館の占める割合、および割引率が、蔵書規模に応じてともに高くなるという傾向が明らかになった。加えて、大規模館は割引率を非公開とする割合も高くなった。

 ・地域別の割合

 割引率に地域による差はあるのだろうか。「北海道・東北」「関東」「中部」「近畿」「中国・四国」「九州・沖縄」の6区分で割引率を集計した。関東では4割強の図書館が割引を受けており、他地域に比べて割引されている図書館の割合と割引率がともに高い。一方で、北海道・東北では定価購入が8割を超えている。関東の有利さは出版地からの距離のためだろう。都道府県別では、東京都の図書館がもっとも数多く割引を受けており、続いて栃木県が多かった。愛知県も栃木県と同程度であった。

 ・直営か委託か

 経営形態によって割引に影響がでるだろうか。直営館か指定管理館かで割引率をみた。結果、指定管理館のほうが一割ほど割引を受けている館の割合が低かった。すなわち、直営館のほうが割引を受けている。意外に見えるが、これは指定館の蔵書規模が直営館と比べて小さいことから説明がつく。おそらく全体としての購入数の影響が大きいと考えられる。

2.4.調査結果のまとめ

 装備付き定価購入を割引に含めるならば、8割弱の図書館が何らかの割引を受けていたことになる。また、購入全体に占める割合はどうあれ、8割ほどの図書館が自治体域内の書店を仕入先としていた。
 割引に影響すると考えられる要因は、図書館の蔵書規模と出版地への近さである。結果として、東京およびその近辺の図書館ほど有利な割引率で書籍を購入できることになる。

3、考察と議論

 調査によって、資料購入価格の図書館間格差を確認できた。ただし、格差を生んでいるのは、図書館の規模や出版地への近さであって、購入ルートであるとは言えないようだ。しかしながら、さらなる検討が必要であるとはいえ、大規模図書館であるならば自治体域内かどうかにこだわらず、大手小売書店を仕入先としたほうが高い割引率を期待できるということは言える。

 そもそも地元の小売書店を仕入先とすることのメリットはなんだろうか。図書館を納入先とすることができるならば、零細な書店でも経営を存続できる可能性が高い。また、その書店の経営者や従業員が地元で消費することにより、地域で経済がまわるという乗数効果も考えられる。いくら安価でサービスが良いとしても、納入業者が遠く離れた大都市にあるならば、地元へのそうした経済効果は期待できない。これはすなわち、図書館の予算を文化振興や教育振興のためではなく、「産業政策」として利用することを意味する。

 この論理は妥当なのだろうか。それは経済学的にみれば「比較優位」の原則に反するように見える。零細な書店を優遇することは、地域の資本と人材がより生産性の高い産業に使用されることを妨げ、効率の悪い産業のために消尽されるということに等しい。産業政策を認めるとしても、書店のような衰退業種の保護を正当化できそうにもない。なぜなら、それは将来、地元の経済を支える可能性のある「幼稚産業」ではないからである。さらに言えば、地域にある数ある業種のうち、書店が、それも特定の書店だけが保護されるべき理由を正当化することは難しい。仮にそれを保護すべきだとしても、それは図書館との取引によってなのだろうか。

 以上の問題に取り組むためには、もっと議論の蓄積が必要だろう。現状ではそもそも意見の表明自体が少ない。問題提起がなされないまま、書店の経営難という変化がすでにゆっくりと進行しているのである。

参考文献

1)     安形輝・大谷康晴・池内淳・大場博幸「公立図書館における図書購入の実態」『日本図書館情報学会研究大会発表論文集』No.64,p.103-106,2016.


報告

地元の書店が本や雑誌を図書館に納入するということ

 高島瑞雄
 (高島書房、日本書店商業組合連合会流通改善委員会図書館サポート
 部会部会長)

 日本書店商業組合連合会(略称=日書連)は、前身の日本出版物小売統制組合全国連合会が昭和20年に結成して以来、70年を超える歴史を持つ全国唯一の書店人の全国組織(山口県を除く)である。所属員数は平成28101日現在で3,604名を数える。

 私が部会長を務める図書館サポート部会は、日書連が設けている8委員会のうちのひとつ、流通改善委員会の下部組織として、活動をしている。「日書連MARC」の発行元であり、全国の加盟書店から 公共図書館や学校図書館に関する相談事を受け付ける、駆け込み寺的な存在となっている。

 分科会のテーマが「書店と図書館の協同を求めて」とされていることには、率直に感動している。願わくばもう一歩踏み込んで「元書店と図書館の協同を求めて」としていただきたかったところである。

 昨年報告された『公共図書館における図書購入の実態』の調査結果を拝見して、自治体内の書店や書店組合がどの程度利用されているのか、装備付納品や割引(値引)はどの程度なのかという点について、地元書店の視点から感じたことをお話させていただく。

 アンケート集計結果の割引率については、噂で耳にしていた数字が挙がっており、「やはり!」というのが正直な感想である。ご存知のように一般的な書店の粗利益率は21%~22%と言われている。今回の最大の割引率24%~25%(装備なし)というのは、超大手書店並の粗利益率と同じであり、過去にあったコピー機や情報システム調達の1円入札などの事例を彷彿させられる。つまりまず落札しておいて、MARC代や装備費、指定管理費、人材派遣費などの付帯事業で収益を得た上で、次回以降は随意契約に持ち込もうとする手法と考えられる。但しその対象は、全国的に名の知れた図書館であることが肝心で、当該業者が納入契約を落札したという事実が、宣伝効果として価値があるかどうかがポイントになる。実際に知名度の高い図書館並みの対応を、地方の小規模図書館で実施しているとはとても考えられない。業者にとって不利益以外のなにものでもないからである。また、地元書店が同様の対応をするのは、とてもハードルが高いと言えよう。

 基本的に、一図書館からの営業利益(売上から仕入と経費を差引いたもの)は、資料費、運賃(配送料)、単価・冊数・判型(予算が同じならば、高単価・小冊数・小判型ほど経費は少ない)、調達コスト、営業訪問頻度、支払サイト等々によって変動する。資料費が巨額で東京都内にあり、注文品の単価は高額で(したがって冊数は少なめ)ほぼ在庫品から調達可能、営業は年間数回のみ、入荷後12カ月で振込入金という図書館が対象であれば、納入業者はかなりの収益が見込めるはずである。驚きの値引きが捻出される構図はそこにあると考えられる。

 装備については、装備費にばらつきがあるのは理解ができる。従って、「装備なし」マイナス「装備あり」という単純な計算では割引率の説明はつかない。なぜなら、フィルムやラベルの材料費を誰が負担するのか、誰が装備作業をするのか、どこで作業をするのかによってコストが変わってくるからである。例えば、書店や素納品した資料を、図書館側が人を雇って館内で装備作業し、その費用を書店・協同組合が負担しているケースが実際にあるのだが、正確を期すためにはこうした事例も考慮する必要があるだろう。また、意外に盲点となるのは、資料購入代金の平均単価である。ある公共図書館では、地元書店と大手図書館専門業者とで納入単価に大きな差があった。実はその納入単価の差だけで、大手業者は充分に装備費を捻出できていたのである。

 あえて「装備プラス納品」という形で考えるのであれば、私が思うに①装備材料を図書館から提供してもらって、フル装備をして定価納入、②装備費を別枠で予算化した上で、10%以内の割引(値引)というのが、地元書店としては経営上の限界ではないだろうか。

 次に、自治体内の書店・書店組合経由での購入割合について述べてみたい。自治体内の書店からの購入が、1%未満という回答が13.7%あったようだが、これは、多分に緊急性の高い資料や地元書店でしか入手できない資料を購入したものと考えられる。購入というよりはむしろ調達といった方が合っているかもしれないこのケースが、あまりに一方的な利用に見えてしまうのは私だけだろうか、なにしろ書店は1冊の納品のために、10冊記入できる5枚綴の伝票に1冊だけ書いて届けなければならないのである。

 また、25%未満の購入が8.1%というのは、おそらく雑誌ではないかと推察する。これは大手図書館専門業者が不得手な部門であり、こちらも何やら、言葉が適切でないかも知れないが「大手が中小書店に仕事を回してあげている」ようなニュアンスを感じてしまうのは私だけだろうか。

 また、大半(3分の2以上)の図書館が、資料の75%以上を、自治体内の書店・書店組合から購入していると回答しているが、果たしてこれが現実に即した結果になっているのかどうか、書店の立場からみると、いささか疑問を感じざるを得ない。全てとは言わないまでも、伝票上、形式上、あるいは表面上そうなっているだけかも知れない。

 『日本の図書館』とのクロス集計については、最初に述べたように、大手図書館専門業者や書店の営業利益から判断すれば、首都圏近郊、巨額な予算、面倒な注文が少ない(業者在庫で賄える)、そして恐らくは支払が早いという条件の揃った図書館の割引率が大きくなっているという現状は、大いに頷ける結果である。

 最後にまとめとして、主題の「書店と図書館の協同を求めて」について述べる。

 ある地方の書店協同組合と地元図書館の関係について特徴的な点をお話ししたい。その協同組合は地元図書館の大半の書籍・雑誌の注文を担っており、読者直接販売の書籍や高正味(仕切が高い)や定価仕入(利益が無い)の書籍も通常の書籍と同様、フル装備をして納品している。つまり、この注文だけを見れば、完全に赤字である。また、年間一時払いの雑誌も受けており、年度初めに立替払いをして、月々分割して請求をしている。また、他社に注文しても「品切」と処理された短冊が戻ってくる低価格の書籍や安価なコミックについても、仕入(協同組合が問合せてみると、何故か版元には在庫があるのだ)をして、もちろんフル装備で納入している。

 それ以外にも、児童図書展示会や学校司書の研修会、読み聞かせボランティアの講習会などに積極的に関わり、連携して地域の読書環境づくりに努めている。

 確かに大手図書館専門業者を使えば、図書館現場は業務が簡素化・システム化できるだろうし、総務省の言うところの「縮充」により指定管理者や人材派遣が増加するのもご時世なのかも知れない。

 だが一方では、北海道の留萌市のように書店が無くなり、市として東京から書店を呼び寄せたり、青森県八戸市のように市営の書店を開業したが、その利益は以運営費の3分の1しか稼げず、税金で穴埋めをする事態が起こっている。

 そうした中で、超党派の国会議員でつくる活字文化議員連盟内に設けられた「全国書誌情報の利活用に関する勉強会」は、2016428日付で答申を発表した1)。その中では、

   国会図書館は「選書用新刊情報」を作成し、書誌情報を作成する事業者・公共図書館・流通業者・研究機関などに無償で提供する。

   地方公共団体および公共図書館は、図書館への図書納入に関して、指定管理者が入札業者を兼ねることがないよう区分し、図書納入にあたっては地域書店を優先し、地域文化の活性化に努める。

   出版社は、地域書店の育成という観点から、競争入札の範囲などの見直しを検討する。

といった項目が、公共図書館の納入を取り巻く課題解決のための提言として挙げられている。

 これらが推進されれば、⑴ MARCの全国統一・無償化、⑵ 地元書店・書店組合の図書館納入事業への参加 ⑶ 再販維持(定価納入)による地元書店の健全経営化、が促進されることは言うまでもなく、日書連としては、これらの提言が実現されるよう同勉強会に申入れるとともに、側面から支援を行っているところである。

 私は、いま全国にある地元の書店は、大小問わず、公共図書館、学校図書館につぐ第3の図書館であると考えている。地元住民からすれば、図書館も書店も本があることには変わりなく、なにより書店は雑誌や新刊本に関して既存の図書館をカバーすることができる。地方自治体は地元書店を行政の経費が掛からない第3の図書館として大いに活用していただきたい。そして地元書店としては、第1・第2・第3の図書館が協力して、地域の読書環境や文化的環境を作り上げていくこと、それによって地元がこの先何十年も住民に誇れる公共図書館を維持し、文化的な匂いのする街として、存続していくことを目標にしていきたいと考える。

 結論として、地元書店が本や雑誌を図書館に納入するという事は、地元意識に基づいた情報や知識や人材を活用し、納入の融通性を利かし、資料収集(郷土資料も含む)の精度を高め、よりよい読書環境を公共図書館と協力して育み、数十年後にも地域住民に誇れる図書館、ひいては文化的香りのする地域を築き上げていくためには必要不可欠は条件と考える次第である。

 もちろん、その実現のためには地元書店の情報収集、集品力(資料調達力)、図書館との意思疎通に関する努力が欠かせないことは、書店として改めて肝に銘じておきたい。

【質疑応答】

会場から:書店商組合から購入することに否定的なご見解を述べられたと思うが、その中身をご説明頂きたい。

高島:否定はしていない。伝票操作だけで書店組合が間に入るというのは本屋ではないでしょう。実物納入があって本屋が成立つのであって、伝票に書店組合の名前が欲しい専門業者がいるから、書店組合の名前を書いて伝票を発行する業務でバックマージンをもらうということに関して否定ですと話した。本屋としての誇りを持つべきだし、実際に本を納入することで地力もつくし、書店と出版社との力関係も出てくる。それが無くて伝票操作だけの書店は、一寸違うのではないかと思います。

参考文献

1)   全国書誌情報の利活用に関する勉強会「これからの全国書誌情報のあり方についてーいつでも、どこでも、だれでも使える-(答申)」2016.04.28,

(答申全文)

http://www.jpo.or.jp/topics/data/20160615a_ipoinfo.pdf

(参考資料)

­http://www.jpo.or.jp/topics/data/20160615b_jpoinfo.pdf

(参照 2018.01.30


報告

地元の書店から本を購入するということ-白河市立図書館の図書購入の実際-

     田中伸哉(白河市立図書館館長)

はじめに

 図書館を構成する要素は職員、資料、施設、利用者である事は言うまでもない。その資料は、蔵書コレクションとして、職員が不断に行う選書・発注によって築かれて行く。しかし、どのような選書組織がどのような選書ツールを使い、購入をどのように行っているかは、自治体や図書館の規模、職員の構成などの諸条件によって異なっているのが現実である。

 本分科会では、新築移設し、開館して6年が経過した白河市の新図書館が、どのような方法で本を選び、地域の出版流通を構成するパートナーである地元の書店とどのように付き合ってきたかを報告する。

1.白河市の現況

 中世から東北の玄関口にある白河は、那須連峰を望む福島県の南部中央に位置している。白河市の中心部から県都福島市まで約90キロメートル、東京都心までは約185キロメートルの距離にある。平成17年に旧白河市、旧表郷村、旧東村と合併した現在の市域は、東西に約30キロメートル、南北に約30キロメートル、総面積は305.32平方キロメートルとなっており、約半分を山林が占めている。約61,300人、23,400世帯が暮らしている。


2. 白河市の図書館

 平成の合併当時、旧表郷村を除く12村には図書館が設置されていたが、新図書館の新築移設までは、運営の一本化が進まなかった。その原因としては、蔵書の多い旧白河市立図書館にコンピュータが導入されておらず、司書職員がリーダーシップをとって専門性を発揮できなかった事が考えられる。

 その後、新刊準備に移行する中で、表郷地区に地域館が設置され、現在の4館体制となり現在に至っている。なお、大信と東の地域館には、旧村時代から移動図書館があり、各地域の学校等を訪問している。

 約33万冊の蔵書で、年間資料費約4千万円、年間63万冊を貸出し人口当たり10冊を超えた。

3. 白河市の書店

 白河市の旧市街地には元々書店が多数あり、出版も手がけるほどの書店もあったが、市街地が寂れ、後継者も育たない中で書店も減少し、現在はチェーン店を除くと家族経営の3店舗が書店組合を構成している。

 旧館時代は書店組合といっても、各々の店がそれぞれの方法で受注し納品しており、集品や装備も店ごとに工夫を任されているため、納品のスピードや事故伝票の精度がまちまちだった。

4.旧館時代の課題とコンピュータ導入の準備

 旧館では数年掛けて蔵書MARCの準備を行ってきたが、市立図書館とは別の組織が作業を行った。ベースは大阪屋MARCで、システムの選定は大信と東の図書館が先行して導入していた事も考慮されたと考えられる。

 サーバを持たずにデータセットアップを行っている事にも影響され、資料発注時の請求記号など所蔵情報の決定は、データを抽出し白河市指定の仕様によって加工する業者の作業が終わってからになるため、地元で装備を行っている書店も請求記号待ちのタイムラグが大きく、納品スピードは思うに任せなかった。

 旧館は選書の組織がなく、ツールも決まっておらず、職員が分配された予算に合わせて選書発注を行うため、重複などの問題もあり、体系的なコレクションづくりは大きな課題だった。また請求記号の決定という図書館の主体的に行わなければならない面での力量不足と書店の負担が大きいという問題があった。

5.新館開設に向けてー集書の基本的な考え方

 これまでの問題点を踏まえ、地元の書店とは、単に本を購入する相手に止まらず、出版流通を地元で担うパートナーであることをお互いに確認しあう事が大切であると考えた。また、蔵書コレクションを構築する選書は、司書が地域と住民を知り、資料提供を行うための大切な仕事である。そのためには、

  書店組合の構成員である各書店の業態を尊重し、MARCによる集品(取次、組合)の囲い込みが起こらないように図書館側の業務を組み立てる必要がある。MARCナンバーは決してユニークではなく、ISBNをキーにする事で書店の帳合が違うことは解決できる。

  地元で装備ができる環境を書店組合が協力しあえるように、相談し努力する。

  見計らいは難しいので、客注で本が入手できるように出来るだけ早いタイミングで選書できるようなツールを整備する。

  請求記号などの所蔵情報等のローカルデータは図書館側が主体性を持って指示できるような力量、仕組みを整える。

  規模の違いがあっても蔵書は森羅万象。予約リクエストや相談などを通じて、ジャンルの穴を発見し、埋めて行くことは、本を知ることの大切な作業なので、新刊だけでなく既刊もじっくり選ぶ。

6.書店とのつきあい

 20094月に白河に赴任して大切にしてきたこととして、書店に顔を出しコミュニケーションをとる事であった。

 図書館と書店の関係は、お世辞にも理想的な姿とは言えない状態であったが、地元の書店で装備が可能で何とか複数の書店が商売を続けているという現状に可能性があると考えた。ネットワークやコンピュータ技術は小規模な事業者にも恩恵が有り、図書館現場に今後どういう方向性があるのか、書店からは何が求められているのか、ざっくばらんに話し合ってきた。手探りであったが、例えば発注短冊や発注リスト、発注データのやり取り取扱いなど手作りの関係を築く努力をしてきた。

7.選書会議

 選書に関する会議は新館開館時よりの課題であった。当館は、司書に分類で選書から廃棄まで(買替えまで)分担させているが、老若男女様々な要求に応えるためには、担当者相互の議論は欠かせないものであると考えている。

 なぜ選んだのか?その主題あるいはそこに含まれる言葉についての意味は?お互いにその場の議論を共有することで、一冊ごとに新しい発見があり、自分の中に抽斗が増えることが窓口での自信につながる。また、市民の求める棚作りをイメージしながら、書架分類を調整できる事も大切である。開館して1年を過ぎた頃から続ける毎週木曜日の14時~16時までの2時間は楽しく厳しい場となっている。

 見計らい選書が現実的に難しいため、情報から本を選ぶためには、ツールも重要である。当館では大阪屋新刊MARCJAPAN MARCの一部を週単位で表計算ソフトに取込み表にしたものを、職員が分担ごとにチェックし大きめのディスプレイで情報を共有し合議しながら選んでいる。そのシートでは帯の内容等や書き込まれたコメントも参照しながら作業を行えるように工夫されている。

8.書店組合

 書店により納品の頻度、時間、質などばらつきがあったが、それを解決するためには、地元書店が装備を完全に地元でまかなえる事が必要と考え、書店組合に対して働きかけを続けていく中で、各書店の協力関係が進み、今年度から実現することとなった。

 もちろん各書店の帳合を使う前提で話を進めていただき、相互扶助の観点も大事にしながら、無理の無い範囲の方法を追求して頂いた結果、伝票の一本化による省力化が実現し、何か相談事があればお互いに近いのですぐ話ができる事は地域の図書館としてのメリットは大きいと言える。地元に出版流通の流れが作り出せる事で、書店も図書館も高めあえる関係が重要である。

9.さいごに

 昨年度末の統計ではようやく住民一人あたりの貸出冊数10冊を記録することができた。新館の準備に当地に来て8年という短い期間で築き上げる事ができたことはまだまだ少ない。また、書店も跡継ぎの問題を抱えている。

 今後も、オーソドックスに資料提供を追求できるフレッシュな館の運営には、地元の出版流通を担う書店との関係が大切であり、古い街並みに良く似合うと感じている。


報告

『公立図書館における図書購入の実態』調査報告を読んで

   永江朗(フリーライター、日本文藝家協会理事)

1.図書は立地する地域の書店から購入すべきである。

 納税者のひとりとして考えると、公共図書館の図書はその図書館が立地する書店から購入すべきだと思います。じぶんが収めた税金はじぶんが住む地域で使われるべきだと思うからです。A市の市民が納めた税金が、A市の図書館を通じて、B市に本拠を持つ書店に支払われるというのは、A市の市民としては納得できないでしょう。

 図書館は購入する図書の選択を主体的におこなわなければなりません。どんな本が出ているのか)あるいは出る予定があるのか)を把握し、どの本を何部購入するのかを決定する。これができない図書館員に存在意義はありません。一昔前であれば、図書館と書店、零細書店と大手書店のあいだには、得られる出版情報その他に差があったかもしれません。地元の零細書店では十分な情報が得られないので、地域外の大手書店に頼るということもあったでしょう。また図書だけでなく書誌情報の入手といった課題もあったでしょう。しかし、ITが進歩した21世紀にそんないいわけは通じません。公共図書館が地元の書店以外から図書を購入しなければならない理由はありません。どんな小さい書店でも、観光されているあらゆる本を調達することができます。立地する市町村に書店がなければ、隣の町の書店から購入すればいいのです。

2.図書は定価で購入すべきである。

 書店経営者と話していて、たびたび話題になるのが「入札」です。書店業は利益の少ない商売です。粗利率は22%~24%といったところでしょう。2001年に21千店あった書店は、2016年には14千店を割り込みました。閉店の理由はさまざまですが、利益率の低さもそのひとつである。本屋では食えない、食えないから我が子にも跡を継がせられない。カフェを併設したり雑貨を扱ったりする書店が増えているのは、書籍・雑誌の利益が薄いからである。定価で本を売っていてもわずかな利益しかないのですから、それを「入札」によって買い叩かれてしまうと、書店は生きていけません。適正な利益があるべきです。実際、超薄利にもかかわらず図書館に図書を納入している書店は、経営規模が大きくてスケールメリットがあるか、図書販売以外のビジネスー事務用品の納入や簡易印刷などーで利益を確保できるからだ、という陰口も聞かれます。書店専業で経営規模の小さな店は、入札に参加することもできません。地域に書店を残すためにも、公共図書館の図書は地元の書店で、定価で購入するべきだと考えます。

3.新刊市場で流通している図書は新刊で購入すべきである。

 いわゆる「ツタヤ図書館」についてスキャンダラスに報じられたように、公共図書館が古書を購入するのはいかがなものかと思います。もちろん新刊市場に存在しない絶版本や品切重版未定の本はしかたありません。しかし新刊が入手可能であるにもかかわらず古書を購入して閲覧・貸出に提供するのは、著作者。著作権者として納得できません。古書を販売されても、著作権者には経済的な利益がないからです。わたしは「複本問題」はとるにたらない問題だと考えていますが、しかししれは「複本もまた購入されている(印税が支払われている)」という前提があるからです。新刊市場にあるものを古書で購入するのでは、その前提が崩れます。

 図書館が資料を購入するにあたっては、著作物の再生産が行われるよう、出版社や著作権者にも正当な利益が分配されるべきです。図書館では複数回の利用が想定されているわけですから、図書館用の本はその分を上乗せした価格に設定することも選択肢としてはありえるでしょう。

4.新刊市場で流通している図書の寄贈を一般市民に求めるべきではない。

 図書館によっては、多数のリクエストがある図書について、一般市民からの寄贈を呼びかけている館も存在します。これも3と同じく、著作権者としては経済的利益がないわけで、不愉快です。繰り返しますが、公共図書館は、新刊市場にある図書は定価で購入すべきです。それ以外の手段は、他に選択の余地がない場合にのみ、例外的に用いられるべきです。

5.京都・桑原武夫文庫事件をめぐって―図書館員の能力が落ちている。

 わたしは1で、図書館は図書の選定と購入を主体的に行うべきであると主張しました。また、その能力がない図書館員に存在意義がない、とも言いました。しかし、実際のところ、公共図書館員がそれにふさわしい知識と見識をもっているのか、はなはだ疑問持つことも多々あります。その典型例が、ことし、京都市で起きた桑原武夫氏寄贈資料の廃棄事件でしょう。資料の重要性、とりわけ個々の書目ではなくひとまとまりのコレクションとして保存することの重要性を図書館員が理解していなかったことにも驚愕しましたが、廃棄を指示した図書館員に対する処分の甘さにも呆れました。文筆を生業とする者からすると、なぜ懲戒解雇とならないのか不思議です。かって公共図書館について無料貸本屋と揶揄する向きもありましたが、図書館員が専門性を持って考えたり判断したりすることを放棄して、たんなる図書館作業員になっているのではないかと危惧します。

6.除籍情報を公開すべきである。

 桑原武夫文庫事件をきっかけに思ったのですが、新着図書の情報発信には熱心でも、除籍情報については積極的に公開していない公共図書館が多いのではないでしょうか。「ご自由にお持ち帰りください」コーナーに並んではじめて除籍を知ることも。図書館の図書は住民の財産ですから、その行方についてもきちんと公開すべきです。また、除籍・廃棄されるにいたった経緯(貸出実績、汚破損の度合い、内容の陳腐化など)も、じゅうぶんに公開すべきです。除籍・廃棄を透明化し、検証することで、新たな図書購入についても検討することができるでしょう。もちろん、著作者としては、じぶんが書いた本が除籍されると知ればショックでしょうが。また、除籍した本を市民に無料で渡すのではなく、館外のどこかに保存しておく、複数の公共図書館が共同で保存する施設を持つ、といった改善策も必要でしょう。東京都の多摩エリアで検討されている「多摩デポ」のような試みは参考になります。


パネルディスカッション

【パネリスト】

 大場 博幸(文教大学文学部准教授)

 高島 瑞雄(高島書房、日本書店商業組合連合会流通改善委員会

       図書館サポート部会部会長)

田中 伸哉(白河市立図書館長)

 永江 朗 (フリーライター、日本文藝家協会理事)

【司会】

 瀬島健二郎(日本図書館協会出版流通委員会委員長

       文化学園大学図書館長・教授)

司会:講師の発表に補足される事を、まずお話し下さい。

大場:僕以外の発表のおかげで、
会場が図書館は定価で本を買うべきだという雰囲気になっている。けれども、図書館の財政状況を考えると、敢えて「安く多く買う」方向を支持したい。
 そもそも、図書館に地元書店を保護する責任があるかどうか疑問である。もちろんそのような関わり方はあってもよいと思うが、図書館の力で地元書店を救うなどということはできないのではないか。地元書店を生き残らせるほどの費用は、図書館には出せないだろう。
 一方で、出版産業の維持は、図書館が考えるべきことだと思う。究極的には、出版社や著作権者への対応ということになる。しかし、小売までを含めた現状の流通ルートについて、今後も維持すべきだとは考えない。

高島:地元書店を大事にしなければならないことについて、根拠となる数字を示した
い。大手書店は、地元書店よりも2%ほど入ってくる掛け率が安い。入札の場合の出版社の最終卸値は、地元書店は6掛ほどだが、大手は5.5掛を切ってくることもある。出版社は定価の5%利益率が下がると、収益は8から9%下がる。地元書店がなくなって、大手書店や専門業者、Amazonとかがその版元さんの主な流通の窓口になる。そうすると、その版元は淘汰される、或いは完全に飲み込まれる。図書館も読者も本屋も非常に困る状況が発生してくるだろう。
 
多様性を持つということは、ローカルの書店を育ませることが大切であることを理解して頂きたい。それにより、地元書店は大手書店や専門業者には見つけられない本を地元の図書館に納入出来る。地元書店を共存させていくことは必須であるということで話をさせて頂いた。

田中:蔵書コレクションを構築していく司書の力量がしぼんでいってしまうのは図書館の死活問題と思う。決まり切ったツールだけでの選書だと、多様な考えや意見が反映された蔵書にならない。11冊丹念に見て選ぶということが司書の集団に求められている。また、見計らいという限られた条件でも同じような懸念がある。地元書店と連携し、客注での入手を工夫していくことで可能になる事もある。そういう関係を白河図書館と書店の間で8年の時間と労力をかけて作りあげた。
 出版物の多様性、読書の多様性には、売れ筋や消費される読書だけではないものを図書館に入れていかないといけない。私は手軽に取れる文庫本も図書館にあって良いと思っているのですが、それだけではありません。奥行きと幅がある蔵書が作っていける司書の集団の選書会議であって欲しいし、そのためには11冊キメ細かく買っていく作業の積み重ねが選書だと思う。1年分するとあるジャンルの特定のものは自動で入って来るというのは、小さな規模の図書館には有難いけど有難迷惑でで、どこの図書館に行っても同じような本が並んだつまらない棚になっているのではと思います。私は図書館の立場からそういうことに連携してもらえる書店さんとの関係を作ってきたという事を一番言いたい。皆で図書館を鍛えていかないと、図書館もダメだろうなと思います。

永江:何が何でも書店の利益を守れという書店至上主義ではない。読者のために、本のために、を優先順位の1位とすべき。そのために、本の出版流通システムはどうあるべきか、12年ではなく、10年、20年の長期間の視点をもって考えていくことが必要だ。
 予稿で触れているが先ほど全然触れなくて、1つ思っているのは利用者からすると図書館にどのような本が入り、捨てられているかが、見えない。新たに入ってきた本はわかりやすい館もあるが、もうすぐ除籍しますという情報はあまり開示されない。廃棄すべきかどうかについて、もっと再検討されてもよい。限られた予算を沢山本を買いたいという図書館員の思いも分かるが、今ある本をどのように有効活用するのかも、考える必要がある。
 京都市立図書館による桑原武夫寄贈コレクション廃棄問題の重大さを、書き手としては重く受け止めている。一図書館員の判断で桑原武夫の資料が永久に失われた。私は図書館員より古書店のおやじの方が見識があると思っている。しかし、何らかの理由で我々は図書館に託さなければならないわけです。お金、所蔵点数、利用者数など、数字に置き換えられることと置き換えられられない事があることを図書館員には十分に検討して頂きたい。

司会:会場から質問をお受けします。
質問:雑誌の購入で図書館が入札を導入せざるを得ない状況になっている場合、図書館に望むことは何か。
高島:入札しない様にしてくれ、ということですね。図書館というより首長を始め行政そのものに対し、地元の書店を大切にするという観点で入札を行わない、とトップが言えば済む話と思う。これは独占禁止法の中に書いてある、あるいは取次と書店の間の再販維持契約の中に入札という項目がある為に起きている。しなければならないとは、どこにも書いていない。そこの首長さんの文化的水準かなと、僕は思います。

質問:納品はするものの発注書を取次に投げっぱなしにし、品切れ連絡の取次からのFAXを図書館に持ってくるだけという書店も見受けられ、問題と考えている。どのような問題の背景があるか。また、対応策があるか。
高島:対策は、その書店をやめて良いと言いたい。書店としての誇りが無い。品切れの場合、34つのルートを当たって探します。それでも無ければ、申し訳ないと言います。極端な場合、他の本屋に行って買ってきます。それは何故かと言うと、無いと言われたくないからです。定価で買ってきてでも納めると言うのは敵対する相手がいるから、負けたくないという意思があるからです。版元にも取次にも、市内の本屋にも無いと分かれば、無いと言います。それを一番分かっているのは、図書館のカウンターの方です。「あそこの書店に有ったのに何故無いんだ」と、常に受けている。僕らはそれをカウンターで言わせないために頑張っているので、図書館が書店さんを叱咤激励して欲しいし、書店もまず自分で自助努力するという事しか無いと思います。

質問:白河市立図書館の年間資料費4,000万円は、人口に対しきちっと確保されているなと思うが、開館当時から維持されているのか。
田中:その予算額になったのは2年前からです。それまでは2,000万円とか2,500万円です。背景としては、白河市長は本の力とか大切さを理解され、図書館をとても高く評価しています。市民からの図書館の良い評価が伝わり、それが行政的な評価につながり、本だけは買わなければだめだと言って措置していただいている。今後は次第に自治体の財政状況が難しくなっていくので、こおれからが正念場だと思っています。

質問:白河市立図書館の選書会議は、司書全員が参加しているのか。
田中:選書メンバーは常勤の公務員でやっている。嘱託職員と臨時職員は、間接的にそれに絡みます。こういうのが不足していますと、そういう話をして、担当の分野の職員とやり取りする。でえすから、直接会議の場には出ませんけれども、その後のフィードバックが常勤職員から彼らに有る。司書全員が参加した選書会議をしたいと思うが、25人集めて行うのは現実的ではない。図書館の職員集団をどのように運営するかということになる。

質問:永江先生に貸出冊数とか登録率とか、教育委員会や首長への報告・予算等のために、図書館は数字にこだわらなければならない状況に有る事をお伝えしたい。
永江:それについては、十分に承知しいているつもりです。数字に置き換えられない部分で行政と交渉して、どう予算を引き出していくかという、行政マンとしての図書館員を育成していかなければならないと考えます。

司会:最後に、この会のまとめの発言をお願いします。

大場
:図書館と小売書店の関係ですぐに具体的なアイデアが有るわけではない。僕の出身地は愛知県の小牧市です。小牧市はお金が沢山あります。60億円のツタヤ図書館を建てても多分大丈夫だと思われる所で、高速道路が3本走っていて、トラックターミナルや工場が沢山あり、法人事業所税が沢山入っている。工場誘致が失敗しても何とかなるというお金持ちの市です。それでも書店の数は減りました。工場や働く場所があるので若い人が沢山来るのですが、書店の栄枯盛衰がある。新古書店が増えた。新刊書店で生き残っているのは昔からの教科書を扱っている書店です。その書店で買いたくなる本が有るかと言えば、それはなくて、私が実家に帰ると本は名古屋で買うか、弟は実家暮らしでアマゾンで買うかというような状況です。自治体財政が小売書店を支えるということもありえるように思う。

高島:本を定価で購入しいたい、安く買いたいという敵対する図書館と書店の関係というよりも、地元の利用者、或いは読者のために本屋を残しつつ、図書館も内容なり多様性が有るものをそろえる為に地元書店を有効に活用する方向にシフトしてもらえれば、まだまだ入札だとか値引きだとか厳しい状況ではあるが、20年、30年後に良い図書館と地域環境が保持されるまではと期待しています。

田中:白河市立図書館がお願いしいている3書店は、一所懸命取り組んでいる。教科書も扱っていてえ、存続しいている。白河市でやっていることは、どの図書館でもできると思う。昔と違ってパッケージ化された選書から発注までの流れではなくても、工夫次第でできる。11冊丁寧に選書して、11冊が相手なんでとなって欲しい。
 本を購入する時、役所は鉛筆とか下敷きとかと同じように「同じものだから安くなるだろう」と考える癖がある。図書館で買っている本は11冊が皆個性の塊で、11冊がバラバラで多品種少量生産だという事をしっかり伝えないとダメです。お仕着せの購入しいステムを使い続けていると、自分たちはどんどん力が無くなって行くぞ、という危機感が、今、書店との関係では出来上がったかな、という気がします。

永江:今、出版産業は壊滅的状態、ほとんど死んでいる、と言って良いと思う。単に公共図書館とその資料の納入をどうするかという事でどうにかなるという事ではない。優先すべきは何かを、まず考えなければいけない。今あるシステムを根底から破壊していく事も視野に入れて、ゼロベースで検討していくべきだと思います。
 その為には、図書館の無料利用は金科玉条として守り続けるべきなのか?博物館や美術館は入場料があるのに、なあぜ図書館は無料であるべきかも、根底から問わなければならないし、或いは定価販売制についても、出版社が小売価格を決定するという事にどれほど正当性が有るのかという事もキチンと考えねばならない。書店が食えなくなっているのは、出版社が価格を決めているからです。4割の書店がこの10年間で減ったけれど、責任の大半は出版社の値段の決め方と利益配分の在り方にあると思う。もちろん、一番大きいのは大手の書店に小さな書店が食われていくということによって、書店が疲弊しいていくという事態が進んだ。それをもたらしたのは書店組合の弱体化ということが非常に大きく、書店にも責任が無いと言えません。
 本を次世代に繋げていくためにも、読者が様々な資料に触れるたあめにも、何をすべきか、あらゆる前提を取り払って、議論していく必要があると思っています。


参加者数115

運営委員:小熊 美幸(国立国会図書館)

     大場 博幸(文教大学文学部准教授)

     瀬島健二郎(文化学園大学図書館長・教授)

     湯浅 俊彦(立命館大学文学部教授)

     吉野 友博(元荒川区立南千住図書館職員)

 

参考 全国図書館大会 出版流通分科会一覧

 

開催年  開催地 分科会 テーマ  内容 
平成30年度
(2018) 
東京    1990年代から2010年代までの出版流通を総括し、2020年代を展望する 1講演~出版流通の何が変わったのかー1990年代と2010年代:永江朗(フリーライ ター、日本文藝家協会理事) 2報告~書店の視点から出版流通の変化を考えるー書店POS、アマゾン、電子出版:福島讓(ジュンク堂書店難波店店長)3報告~図書館の視点から出版流通の変化を考えるー貸出重視、整理委託、選書委託、電子図書館:湯浅俊彦(立命館大学文学部教授) 4パネルディスカッション
平成29年度
(2017) 
東京 第12分科会  書店と図書館の協同を求めて 1基調報告~「公立図書館における図書購入の実態」調査報告から:大場博幸(文教大学) 2地元の書店が本や雑誌を図書館に納入するということ:高島瑞雄(高島書房・日本書店商業組合連 合会流通改善委員会図書館サポート部会部会長) 3地元の書店から本を購入するということ~白河市立図書館の図書購入の実際:田中伸哉(白河市立図書館長)  4「公立図書館における図書購入の実態」調査報告を読んで:永江朗(フリーライター、日本文藝家協会理事) 5パネルディスカッション
平成28年度
(2016) 
東京 第8分科会 転換期の出版界と図書館との連携・協力 1基調報告~転換期を迎えた出版界~社会科学系出版社の現状と図書館:江草貞治(有斐閣) 2出版産業の構造的変化と図書館の未来:湯浅俊彦(立命館大学) 3パネルディスカッション:コーディネーター湯浅俊彦、江草貞治、小林隆志(鳥取県立図書館)、岩本高幸(桜井市立図書館)、村上和夫(オーム社)
平成27年度
(2015)
東京 第15分科会 地域資料のデジタルアーカイヴ化について 1基調報告ーデジタル・アーカイヴの現状と未来:時実象一(一般社団法人情報科学技術協会会長) 2信州地域史料アーカイヴ事業の展開:宮下昭彦(長野県図書館協会常務理事) 3「東日本大震災アーカイヴ宮城」の取組:田中亮(宮城県図書館資料奉仕部震災文庫整備チーム)
平成26年度
(2014)
東京 第15分科会 電子書籍導入とデジタルアーカイヴ化の展開  1改正著作権法についてー電子書籍に対応した出版権の整備:鏡味佳奈(文化庁長官官房著作権課)  2東京大学新図書館計画「アカデミック・コモンズ」の目指すものーハイブリッド・リーディング時代の大学図書館:石田英敬(東京大学総合文化研究科・附属図書館)  3公共図書館の電子図書館・電子書籍サービスアンケートを実施して:長谷川智信(電子出版制作・流通協議会)  4日本電子図書館サービス(JDLS)が目指す電子図書館について:山口貴(日本電子図書館サービス)  5図書館流通センター(TRC)の目指すもの:佐藤達生(図書館流通センター)  6メディアドゥとオーバードライブが融合して目指すもの:溝口敦(メディアドゥ)  7電子書籍導入における時期早尚論を批判する:湯浅俊彦(立命館大学文学部)  8札幌市中央図書館の電子書籍への取り組みとこれから:淺野隆夫(札幌市中央図書館)  9大阪市立図書館の電子書籍サービス:石田智子(大阪市立中央図書館) 10シンポジウム 
平成25年度
(2013)
福岡 第9分科会 電子書籍の導入を考える 1電子書籍の図書館の導入についてー問題提起:吉野友博(荒川区立南千住図書館) 2電子書籍を導入した事例ー公立図書館:山崎博樹(秋田県立図書館) 3電子書籍を導入した事例ー大学図書館:入江伸(慶應義塾大学メディアセンター)  4出版界の電子化の取組の事例~新たな知的空間の構築へ~慶應義塾大学(電子学術書利用実験プロジェクト)から見えてきたもの:黒田拓也(東京大学出版会)  5出版界の電子化への取組の事例~一般出版社の立場から:渡辺英明(筑摩書房) 6パネルディカッションと質疑応答
平成24年度
(2012)
島根 第8分科会 著作権法改正、電子化資料と電子書籍 1(株)出版デジタル機構の目的と電子図書館モデル検討途中経過: 沢辺均(出版デジタル機構制作部門長/電子図書館モデルPT) 2出版物のデジタル化と出版者の権利:平井彰司(筑摩書房編集局長付次長、日本書籍出版協会知的財産権委員会副委員長) 4  2012年著作権法一部改正法の解説~図書館との関係を中心に:南亮一 (国立国会図書館関西館図書館協力課長) 5 国立国会図書館における電子書籍関連事業の新展開:廣瀬信己(国立国会図書館電子情報部電子情報企画課課長補佐) 6質疑応答
平成23年度
(2011)
東京 第3分科会 電子書籍と図書館 1電子書籍の現況と図書館の役割:湯浅俊彦(立命館大学文学部准教授) 2学術出版社の電子書籍戦略-図書館との関わりの視点から-:橋元博樹(東京大学出版会営業局販売部長) 3国立国会図書館所蔵資料のデジタル化と利活用の課題 田中久徳(国立国会図書館総務部企画課長) 4日米公立図書館での電子書籍利用実態と課題:時実象一(愛知大学教授) 5電子出版による知識アクセスのユニバーサルデザインの促進-DAISY4とEPUB3による開かれた国際標準のめざすもの-:河村宏(DAISY Consortium会長) 6慶應義塾大学における電子学術書利用実験プロジェクト:島田貴史(慶應義塾大学理工学メディアセンター係主任) 7質疑応答
平成22年度
(2010)
奈良 第11分科会 電子出版と図書館 1構造転換する出版業界とこれからの図書館の役割:星野渉(文化通信社) 2図書館におけるオンライン資料の収集・利用・保存について:湯浅俊彦(夙川学園短期大学)  3国立国会図書館における資料の大規模ディジタル化と電子納本制度:長尾真(国立国会図書館館) 4電子書籍は日本の出版をどう変えるのか:植村八潮(東京電機大学出版局)  5デジタル雑誌の現在とマガジンプラスへ向けて:大久保徹也(集英社)
平成21年度
(2009)
東京 第11分科会 インターネット時代のデジタルアーカイヴを考える 1Googleブックに異をとなえる『インターネット・アーカイブ』:時実象一(愛知大学文学部)   2Googleブックスで世界中の本に出会う:佐藤陽一(グーグル)  3 日本の出版社が迫られている真のネット対応:村瀬拓男(弁護士 用賀法律事務所)  4 講師・参加者による質疑応答と討論
平成20年度
(2008)
兵庫 第11分科会 図書館と出版流通のシステム化・デジタル化の現状と課題 1 書誌情報・物流情報のデジタル化がもたらしたものー1970年代~90年代からの視点:湯浅俊彦(夙川学園短期大学) 2生活圏における図書館から考える:明定義人(高月町立図書館) 3図書館は出版文化を支えているかー読書提供率から見えること:西野一夫(元川崎市立図書館) 4シンポジウム出版流通のシステム化・デジタル化の中で図書館の役割を再考する(前出の3人に加えて) 加藤康雄(創元社)、池田俊治(大阪屋)、福嶋聡(ジュンク堂書店) 
平成19年度
(2007)
東京 第11分科会 出版界から図書館へのメッセージと蔵書構成 1出版界と図書館界を経験してみて:津野海太郎(和光大学) 2英語辞典編集の現場から:飯塚利昭(大修館書店) 3なぜ今「新書」なのだろうか?:山野浩一(筑摩書房) 4児童書編集の現場から:別府章子(偕成社) 5或る市立図書館からの報告:森下芳則(田原市立図書館) 6忘れてはならない選択理論:河井弘志(図書館友の会等山口県連絡会)
平成18年度
(2006)
岡山 第11分科会 インターネット・出版・図書館 1 インターネット・出版・図書館:土屋俊(千葉大学) 2アメリカの大学(図書館)におけるリソースの活用と実績:舘野純子(ネットアドバンス) 3国立国会図書館の電子図書館事業:中山正樹(国立国会図書館) 4地域を基盤とした電子図書館戦略:森山光良(岡山県立図書館) 5市町村立図書館における雑誌・新聞の所蔵:大場博幸(亜細亜大学)
平成17年度
(2005)
茨城 第11分科会 出版物の作り方と図書館が求める出版物 1日本的学術出版システムの特徴:長谷川一(東京大学大学院) 2図書館員自身による参考図書の評価:吉田昭子(東京都立中央図書館) 3市町村立図書館における新書の選択:大場博幸(亜細亜大学) 4 『日本国語大辞典 第2版』の刊行とその後の展開:佐藤宏(小学館) 5『ポプラディア』の誕生とその後の進化:飯田建(ポプラ社) 6書物復権(8出版社共同復刊事業)に取り組んで:持谷寿夫(みすず書房)
平成16年度
(2004)
香川 第13分科会 地方出版・書誌コントロールから選書まで 1図書館と出版流通の関係について考える:根本彰(東京大学大学院) 2高松市図書館の選書と受入資料の利用状況:宮脇衞大(高松市図書館) 3専門書流通の現状と課題:持谷寿夫(みすず書房) 4地方出版の流通について:川上賢一(地方・小出版流通センター)
平成15年度
(2003)
静岡 第11年度 資料の収集と集方針 1選書の場から気にかかる出版状況:堀渡(国分寺市立恋ヶ窪図書館) 2公立図書館の選書について~選書の実例を中心に:瀬島健二郎(都立中央図書館) 3出版・流通の基礎:本多光明(浦安市立中央図書館) 4取次会社から見た図書館流通:岡本公一(大阪屋) 5本を選ぶ側の論理と作る側の論理:横井真木雄(吉川弘文館) 
平成14年度
(2002)
群馬 第13分科会 出版界と図書館界の相互理解のために 1なにを議論すべきか:清田義昭(出版ニュース社) 2出版界と図書館界の相互理解のために:瀬島健二郎(都立中央図書館) 3出版する側と図書館の協力とは:持谷寿夫(みすず書房) 4書店の立場から:高橋元理(群馬県書店商業組合)5図書館・著者・出版社:菊地明郎(筑摩書房) 6「批判」を受ける図書館員として:小形亮(練馬区立光が丘図書館)
平成13年度
(2001)
岐阜 第13分科会 21世紀における出版と著作権 1活版印刷からデジタル出版へ:中西秀彦(中西印刷) 2デジタル化・ネットワーク上資料の著作権:前園主計(青山学院女子短期大学) 3再販制度ーJLAの取組:瀬島健二郎(都立中央図書館) 4再販制度~今後の課題:菊地明郎(筑摩書房) 5地域の学び舎づくりの夢:今井伸和(今井書店)
平成12年度
(2000)
沖縄 第13分科会 出版物の取集ツールと流通 1沖縄の出版事情について:山田親夫(沖縄県書店商業組合) 2生産過剰の出版環境と流通:川上賢一(地方・小出版流通センター) 3出版不況における流通改善と再販問題:菊地明郎(筑摩書房) 4図書の購入と流通について:森崎兼廣(大村市立図書館)
平成11年度
(1999)
滋賀 第13分科会 図書館資料の収集ツールと流通 1全国書誌の作成と提供の在り方:平野美恵子(国立国会図書館) 2「書籍DB」システムの現状と動向:本間広政(書協DBセンター) 3資料費の現状と選定について:依田一(横浜市戸塚図書館) 4特別報告:菊地明郎(筑摩書房) 

平成10年度
(1998)
秋田 第13分科会 書誌情報の未来像-マークの現状と将来PART2 1特別講話~地方から本が発信できること:あんばいこう(無明舎出版) 2特別報告~再販制度に関する現状について:菊地明朗(筑摩書房) 3山形県立図書館における資料の収集とデータベース化の状況について:相原隆(山形県立図書館) 4書協の書籍データベース構想-世界一の書籍流通を目指して:坂本尚(農山魚村文化協会)5総合目録とJAPAN/MARC (国立国会図書館図書部) 6J-BISCを用いた総合目録の作成:常世田良(浦安市立図書館)
平成9年度
(1997)
山梨 第13分科会 書誌情報の未来像-マークの現状と将来 1 書誌データベースの構築について:坂本尚(農山魚村文化協会) 2JAPAN/MARC-その将来構想:石川史士(国立国会図書館) 3書誌情報メディアとしてのMARCの現状と将来:原田安啓(明石市教育委員会) 4緊急報告・出版物再販制問題 最新の状況:菊地明朗(筑摩書房) 
平成8年度
(1996)
大分 第13分科会 出版物再販制と図書館 1基調報告~出版物再販制と図書館・大澤正雄(鶴ヶ島市立図書館) 2図書館と再販制度:菊地明朗(筑摩書房) 3図書館と出版物:国松完二(滋賀県立大学図書館情報センター) 4「本の学校」の実験:永井伸和(今井書店)  
平成7年度
(1995) 
新潟  第13分科会  図書館の選書と出版流通~そして再販問題  1基調報告 再販問題検討少委員会中間報告書について:齋藤哲夫(公正取引委員会) 2中規模県立図書館における資料の収集:扇原世津子(富山県立図書館) 3市川市中央図書館における資料収集:松本雅貴(市川市中央図書館) 4図書館流通センターのベル便、ストック便を利用して:馬場俊司(上越市立高田図書館) 5NDLの全国書誌について:原井直子(国立国会図書館)  
平成6年度
(1994) 
鳥取 第12分科会  地域の出版文化を高めるために  1公共図書館からみた出版・流通:本多光明(千葉県浦安市立中央図書館) 2地方出版活動とセンターの20年:川上賢一(地方・小出版流通センター) 3国立国会図書館における地方出版物の収集について:中林隆明(国立国会図書館) 4鳥取県発「読者運動」-地域の中の出版・図書館・書店:永井伸和(鳥取県書店商業組合)  
平成5年度
(1993) 
北海道  第12分科会  図書館と出版流通ー図書館資料の収集にあたって  1大規模図書館における資料の収集について-秋田県立秋田図書館の場合:高橋章五(秋田県立秋田図書館) 2図書館と地元書店の流通について:鵜川隆夫(郡山市立中央図書館) 3女満別町図書館の蔵書計画:田中宏(北海道満別町図書館) 4朝霞市立図書館での発注経営についての新しい試み:南田詩郎(朝霞市立図書館)  
平成4年度
(1992) 
愛知  第12分科会  出版と図書館-出版文化を支える図書館の役割   1装備費の予算化を:辰巳寿一(日本書店商業組合連合会) 2出版市場の規模:柳田武男(トーハン) 3 出版情報を正確に、より早く:菊地明郎(筑摩書房) 4図書館からの事例報告:瀬島健二郎(都立中央図書館) 5パネルデスカッション
昭和58年度
(1983) 
山口  第9分科会  出版流通と図書選択  1出版流通と図書選択-大学図書館の場合:風間茂彦(慶應義塾大学三田情報センター) 2北九州市立図書館における集中整理システムについて:門田譲(北九州市立中央図書館) 3島根県立図書館における地方出版物の収集と選択:藤岡大拙(島根県立図書館) 4山口県の図書館七不思議:松村久(マツノ書店) 5図書選択のシステム化について:住谷雄幸(国立国会図書館) 
昭和57年度
(1982) 
福井  第10分科会  課題とその対策:「出版情報ネットワークシステム」  1図書館は出版情報、書誌情報をどう得るか:城田秀雄(国立国会図書館) 2出版物流通の諸問題:神戸祐三(大明堂) 3出版流通の諸問題:堀邦夫(東京出版販売 書籍部) 4出版流通における技術問題:坂本哲朗(紀伊国屋書店システム部) 5基調報告 「出版情報ネットワークシステム」:重久昌明(日本書籍出版協会) 
昭和56年度
(1981) 
埼玉  第10分科会  ISBN問題と地方出版物の出版情報を全国的に広める方法   Ⅰ ISBN問題をめぐって 1ISBNの諸問題と図書館:紀田順一郎(評論家) 2ISBNの果たす役割-オンライン全国書誌情報と探索キー:丸山昭二郎(国立国会図書館) 3ISBNと書店:高野嗣男(須原屋) 4出版社におけるISBNとは:中平千三郎(東京大学出版会)
Ⅱ地方出版物の出版情報を全国的に広める方法 1 地域出版の姿勢:星野和央(さきたま出版会) 2地方出版物の収集と貸出に取り組んで:佐藤晃二(郡山市図書館) 3地方出版情報の全国化:石山洋(国立国会図書館) 
昭和55年度
(1980) 
鹿児島  第4分科会  出版流通-地方出版・小出版社と図書館の連携 1資料収集における”流通”の問題:渋川雅俊(慶應義塾大学三田情報センター) 2公共図書館の実態調査(昭和55年度)中間報告:瀬島健二郎(東京都立八王子図書館) 3図書館における地方分権の出版について:関根善二(高知市民図書館) 4地方出版流通における図書館への提言:川上賢一(地方・小出版流通センター) 5地方出版者よりの提言:木村秀明(西日本図書館コンサルタント協会)  
昭和54年度
(1979) 
東京  問題別第4分科会  書誌情報の新時代-出版界と図書館界の協力  1出版情報と書誌情報の組み合わせの最適システムについて:金村繁(国立国会図書館) 2出版情報の整備とISBNについて:佐々木繁(日本書籍出版協会) 3学校図書館における機構:秋元克己(学校図書館ブックセンター) 4地方出版物の書誌情報について:伊藤大(秋田地方出版協会) 5整理技術の立場のコメント:森清(青葉学園短期大学) 
昭和53年度
(1978) 
秋田  第5分科会  図書館と出版流通  1図書館と出版流通:対馬隆志(青森県立図書館) 2秋田地方出版協会の現状:伊藤大(秋田地方出版協会) 3図書館と書籍業界-イギリスの場合を中心に:清水一嘉(愛知大学助教授)
昭和51年度
(1976) 
東京  第3分科会  出版流通と図書館  午前:館種別に見る出版流通の問題点 1地方図書館からみた出版流通問題:参納哲郎(富山県立図書館) 2図書選択者として出版・流通の問題を考える:十川敬(香川県立図書館) 3小島惟孝(墨田区立緑図書館) 4浅野次郎(東京大学総合図書館) 5渋川雅俊(慶應義塾大学三田情報センター) 6大越朝子(都立昭和高校) 7松下緑(日通総合研究所資料室)8則武静一(相模中央化学研究所)
午後:パネル・デイスカッション(出版流通と図書館) 司会:外山滋比古 提言者:石田弘二(日本書店組合連合会常任理事)、鈴木均(放送批評懇談会理事長)、下条康生(日本出版販売書籍仕入販売部長)、嵩原安一(府中市立中央図書館副館長)、中平千三郎 
昭和49年度
(1974) 
東京  共通部会第3分科会  出版と図書館  シンポジュウム:野坂昭如(作家)  青木春雄(日本書籍出版協会)入江徳郎(キャスター)森耕一(大阪市立中央図書館) 司会清水英夫(青山学院大学) 
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