令和6(2024)年能登半島地震及び同年4月17日に愛媛・高知で発生した地震について
 この度、亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。
また、それぞれの地震で被災された皆様に心よりお見舞い申し上げ、一日も早く平穏な日々に戻る事をご祈念申し上げます。
日本図書館協会及び図書館災害対策委員会も微力ではありますが、支援を模索し、対応してまいります。
被災情報並びにお困り事がありましたら、メールにてご一報いただければ幸いです。
saigai★jla.or.jp
(★を半角@に換えてください。)








全国図書館大会2023_図書館の自由

第109回全国図書館大会岩手大会 第7分科会 図書館の自由

テーマ:戦争と図書館
開催日時:2023年11月17日(金曜日) 13時45分~16時45分
大会の詳細ホームページ:https://lib-iwate.com/


分科会概要

 2022年2月24日に始まったロシアのウクライナ侵攻によって、ウクライナの図書館は大きな被害を受け、ロシア占領地の図書館ではウクライナ文化・教育への弾圧が行われています。一方でウクライナの図書館ではロシア語の書籍が大量に撤去されているという報道もあり、あらゆる情報を提供する使命を持つ図書館の存在意義が問われる状況となっています。
 また、日本においても太平洋戦争の際には多くの図書館が被災し、さらには思想統制に伴う検閲や弾圧が行われ、思想善導の施設としての役割を負わなければならなかったという事実もあります。このように戦時下には古今東西の図書館が弾圧や被災の対象となってきました。
 今回の分科会では、「戦争と図書館」をテーマに、日本における戦時中の図書館への思想統制と検閲の状況についての講演を基に、戦時下のおける図書館の状況についての理解を深め、戦争と向き合う図書館について考えていきます。


内容

基調報告「図書館の自由・この1年」

 山口真也(沖縄国際大学・図書館の自由委員会委員長)
 この一年の図書館の自由に関する出来事を振り返り、図書館の自由委員会での議論と対応を報告します。文科省からの拉致問題関連図書の充実要請、公衆送信サービスに関わる利用者情報の扱い、体温測定カメラへの顔画像保存問題等を取り上げる予定。

講演「旧大橋図書館から引き継がれた発禁本」

 新屋朝貴((公財)三康文化研究所附属三康図書館)
 三康文化研究所附属三康図書館は、明治期最大の出版社である博文館が設立した大橋図書館(1902年~1953年)の蔵書を引き継いでいます。旧大橋図書館の資料のうち、戦時中に当時の発禁本・閲覧禁止本の対象となった「憲秩紊本(けんちつびんぼん)」と呼ばれた資料群があります。
 これら資料とカード目録には閲覧禁止の印や、風壊、秩紊といった印や書き込みがされた一方で、資料はカード目録ごと別の場所に保管され、官憲を書庫内に立ち入らせず守り抜いた、というエピソードが伝わっています。戦時中に蔵書の閲覧禁止や官憲による没収に対してどのような対応をしたのかについて報告をいただきます。

講演「戦時下における県中央図書館と地方中央図書館~旧上伊那図書館の資料から~」

 濱慎一(伊那市創造館)
 上伊那教育会が1930年に設立した旧上伊那図書館は開館当時「壮麗完備天下に誇る」と形容された図書館です。旧上伊那図書館の資料を引き継ぐ伊那市創造館には、当時の業務日誌や文書等が保存されており、伊那警察署による発禁図書の差押え・没収の記録が残っています。また、地方中央図書館としての役割を果たそうとした上伊那図書館と、長野県の中央図書館に指定された県立長野図書館との、当時の状況や関わりについて残された資料を基にご講演いただきます。

講演「戦時下の図書館における思想統制と検閲〜気仙沼市立図書館の事例〜」

 荒木英夫(元・気仙沼市立図書館長、元・図書館の自由に関する調査委員会委員)
 戦時下の少年時代に過ごされた関東州での児童書廃棄などの体験と気仙沼図書館に残された宮城県内部通達(昭和19年5月20日)の2つの側面から、戦時下の思想統制についてお話しいただきます。検閲については、特に気仙沼市立図書館の館長菅野青顔が戦時中に警察の圧力から「社会主義文献」の廃棄に抵抗した事例とそれが図書館の自由にどうつながったのかを中心にご講演いただきます。

研究協議

 参加の皆さんと一緒に「戦争と図書館」について考察を深めていきます。


図書館の自由展示パネル『なんでも読める 自由に読める!?』

 「図書館の自由」の歴史をわかりやすく提示するパネルを展示します。このパネルは無料で貸出しています。コロナ禍の図書館や2019年策定のデジタルネットワーク環境における図書館利用のプライバシー保護ガイドラインについてなど最近の課題を追加して全部で15枚に拡充しました。
 関連資料とともに図書館での展示や職員研修にご活用ください。


問合せ先

日本図書館協会 図書館の自由委員会事務局 
  メールアドレス:jiyu★jla.or.jp (★を@に変えてください)


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