9類 10版試案(html版)

                                                 下線:改訂箇所

はじめに
9類「文学」は,出版点数が多く,改訂には慎重な配慮が必要となるため,
基本的に9版の構成を維持することとしながら,分類項目間の整合性や範
囲の明確さを高めるようにした。
また,9類は8類「言語」と構造を共有するため,8類の改訂は9類改訂に必
然的に影響する。10版においては, 8類の改訂を踏まえ,文学共通区分や
形式区分の扱いを8類の言語共通区分と形式区分のそれに合わせた。
 改訂箇所の主なもの
1 文学共通区分を本表,細目表の9類に掲載し,その適用を表示した。
それに伴い,各言語の文学の下の文学共通区分に関する注記を削除した。
2 各言語の文学の下にある形式区分に関する注記を削除した。
3 日本文学史の時代区分に平成時代(910.265)を新設した。
4 日本の近代小説(913.6)において,910.26のように時代区分で細分
する別法を設けた。
5 800(言語)に対応する文学の項目がなかったものを新設した(997.9,
999.3等)。
なお,生没年や活動期が複数の時代にまたがる作家の作品,伝記,研究書
の分類(どの時代に収めるか)についても検討したが,10版では特に指示
しないこととした。
 
   <910/990 各言語の文学> 
    *各言語の文学は,すべて文学共通区分が可能である 例:929.21
     ユーカラ,949.62 ノルウェー語の戯曲,989.83ポーランド語の
     小説,993.611カレワラ,994.73スワヒリ語の小説;ただし,言語
     の集合(諸語)による文学には付加しない 例:929.8インド諸語
     の小説集
    *日本語など特定の言語による文学は,すべての文学形式において,
     時代区分が可能である
 8類においては,「言語の集合(諸語)には言語共通区分を付加しない」
と明記されているが,9類においては,諸語による作品集に文学共通区分が
可能か不明瞭だったので(9版「一般補助表」p34~35「付加できる分類記
号」参照),注記を追加し,各文学に置かれていた文学共通区分の例示を
ここに移した。また,時代区分に関する注記を,文学共通区分の注記とは
独立した注記に変更した。
 なお,文学共通区分の例のうち,949.62,989.83が,9版ではそれぞれ
「ノルウェーの戯曲」「ポーランドの小説」と表記されていたのを「ノル
ウェー語の戯曲」「ポーランド語の小説」に改めた。

 文学共通区分
 -1 詩歌
     *詩劇→-2
 -18  児童詩.童謡
     *日本語の児童詩・童謡→911.58
 -2 戯曲
     *小説を戯曲化したものは,脚色者の戯曲として扱う
     *劇詩→-1
 -28  児童劇.童話劇
 -3 小説.物語
     *映画・テレビシナリオ,演劇台本,漫画などを小説化したも
      (ノベライゼーション)は,小説として扱う
     *詩または戯曲の筋を物語化したものには,原作の文学形式の
      記号を使用する;ただし,児童向けに物語化したものは,物
      語として扱う
 -38  童話
 -4 評論.エッセイ.随筆
     *文学形式が不明のものにも,使用する
 -5 日記.書簡.紀行
     *いわゆる文学作品とみなされるもの,または文学者の著作に,
      使用する;ただし,文学者の著作であっても,特定の主題を
      有するものは,その主題の下に収める
     *一般の日記・書簡→280;一般の紀行→29△09;日記体・書
      簡体小説→9□3
 -6 記録.手記.ルポルタージュ
     *体験や調査に基づいて書かれているものに,使用する
 -7 箴言.アフォリズム.寸言
     *短文形式のものに,使用する
     *狂歌→911.19;風刺詩→9□1;ユーモア小説→9□3
 -8 作品集:全集,選集
     *個人または複数作家の文学形式を特定できない作品集に,使
      用する;特定できるものは,その形式の記号を使用する
     *作品集ではない研究の叢書などには,形式区分-08を使用する
 -88  児童文学作品集:全集,選集
 文学共通区分は,9類の各文学に共通して使用する区分であり,ここに掲
載することとした。
-8(作品集)の文学共通区分に,形式区分-08(叢書,全集,選集)につ
いての注記を追加した。

910.264 昭和時代後期 1945-1989
   .265 平成時代 1989- [新設]
 現代日本文学史に対応する分類項目として,910.264から「平成時代」を
分離,新設した。

911.101 理論.歌学.歌学史
     *時代を問わず,ここに収める
     *理論としての歌論は,ここに収め,評論としての歌論は
      911.104に収める
 歌論には,理論と評論の意味の使い方があるので,それぞれの場合に使
用する分類記号を指示するよう注記を改めた(911.301参照)。

911.1473 夫木和歌抄.新葉和歌集
 NDCは従来「夫木和歌集」を項目名としてきたが,辞典類では「夫木和
歌抄」が見出し語として多く使用され,一般化しているので,「夫木和歌
抄」に項目名を改めた。

911.301 理論
     *時代を問わず,ここに収める
     *理論としての俳論は,ここに収め,評論としての俳論は
      911.304に収める
 項目名を911.101の項目名に準じて「俳論」から変更した。また俳論に
は,歌論と同様,理論と評論の意味の使い方があるので,それぞれの場
合に使用する分類記号を指示する注記を追加した(911.101参照)。

911.308 叢書.全集.選集
     *一時代のものは,その時代の下に収める
911.108の注記との整合性をとって注記を付した。

911.31 芭蕉以前:山崎宗鑑,荒木田守武,松永貞徳,西山宗因,井原
    西鶴
     *談林・貞門俳諧は,ここに収める
  .32 松尾芭蕉
  .33 元禄期:榎本其角,服部嵐雪,向井去来,内藤丈草,森川許六,
    各務支考,横井也有,中川乙由,上島鬼貫
     *蕉風俳諧は,ここに収める
     *享保期俳諧も,ここに収める
  .34 安永・天明期:炭太祇,与謝蕪村,堀麦水,加藤暁台,大島蓼太
     *中興俳諧は,ここに収める
  .35 文化・文政・天保期:小林一茶,成田蒼[きゅう],桜井梅室
     *幕末期の俳諧も,ここに収める
 近世までの俳諧史の区分が明確になるよう,各分類項目にそれぞれの
範囲を示す年号を付記することも検討したが,流派の時期を何時から何
時までとは定めがたく,注記を付すに留めた。

913.6 近代:明治以後
     *ここには,(1)個人の単一の小説,(2)個人の小説集,
      (3)特定の小説に関する作品論を収める
     *小説の研究(特定の小説に関するものを除く),および
      小説家の研究は,910.26/.268に収める(別法:ここに
      収める)
     *別法:910.26のように区分 例:913.61明治時代の小説
 [.61]明治時代 →913.6 [新設]
 [.62]大正時代 →913.6 [新設]
 [.63]昭和時代前期 1927-1945 →913.6 [新設]
 [.64]昭和時代後期 1945-1989 →913.6 [新設]
 [.65]平成時代 1989- →913.6 [新設]
 小説作品にも近代日本文学史の時代区分が適用できるよう,別法を設け
た。

913.7 講談・落語本.笑話集 →:779.12/.13;913.59
    *浪曲集は,ここに収める 
 読み物としての浪曲について注記を付した。

915.39 その他の日記・書簡・紀行
  .49 その他の日記・書簡・紀行:建春門院中納言日記[たまきはる],
    とはずがたり,中務内侍日記,弁内侍日記
 915は「日記.書簡.紀行」の分類記号なので,915.39,915.49の項目名
を「その他の日記・書簡・紀行」に改めた。

920 中国文学 Chinese literature
    *920.1/.8:形式区分
 形式区分は,「原則として,細目表のあらゆる分類項目について使用可
能」であり(9版「解説」pxxiii,「一般補助表」p4「付加できる分類記
号」参照),共通して使用する区分であるので,個別に規定する必要はな
いと判断し,削除することとした(以下,同様の改訂については説明を省
略した)。

929 その他の東洋文学 Other Oriental literatures
   *829のように言語区分 例:.1朝鮮文学[韓国文学],.2アイヌ
    文学,.32チベット文学,.37ベトナム文学[安南文学],.57ト
    ルコ文学,.76アラビア文学,.93ペルシア文学
   *各文学は文学共通区分 例:.21ユーカラ
 朝鮮文学に「韓国文学」を付記した。また,文学共通区分を9類の冒頭に
置いたことに伴い,ここからは削除した(以下,同様の改訂については説
明を省略した)。

930 英米文学 English and American literature
   *930.1/.8:形式区分
   *カナダ文学に関する研究は,ここに収める(別法:902.951)
   *ケルト文学→993.1

940 ドイツ文学 German literature
   *940.1/.8:形式区分
   *オーストリア文学の作品およびそれに関する研究は,ドイツ文学
    と同様に扱う
   *スイス文学に関する研究は,ここに収める(別法:902.9345)
   *イディッシュ文学→949.9;ゲルマン文学〈一般〉→949

949 その他のゲルマン文学 Other Germanic literatures
    *849のように言語区分 例:.3オランダ文学,.4北欧文学,.5
     アイスランド文学,.6ノルウェー文学,.7デンマーク文学,.8
     スウェーデン文学,.9イディッシュ文学
    *各文学は文学共通区分 例:.62ノルウェーの戯曲
    *ゲルマン文学〈一般〉は,ここに収める

950 フランス文学 French literature
    *950.1/.8:形式区分
    *ベルギー文学に関する研究は,ここに収める(別法:902.9358)
    *ロマンス文学〈一般〉→979

959 プロバンス文学 Provencal literature 
 「プロヴァンス」を「プロバンス」に変更した。NDCでは,外来語の[v]
の音の片仮名表記は「バ」行と「ヴ」が混在しているが,3類「試案」(HP
版322.38参照)の表記に合わせた(8類「試案」HP版829.6参照)。

960 スペイン文学 Spanish literature
   *960.1/.8:形式区分

969 ポルトガル文学 Portuguese literature
   *969.01/.08:形式区分,969.1/.8:文学共通区分

970 イタリア文学 Italian literature
   *970.1/.8:形式区分,971/978:文学共通区分

979 その他のロマンス文学 Other Romanic literatures
   *879のように言語区分 例:.1ルーマニア文学
   *各文学は文学共通区分
   *ロマンス文学〈一般〉は,ここに収める

980 ロシア・ソビエト文学 Russian literature
   *980.1/.8:形式区分,981/988:文学共通区分
   *スラブ文学→989
 「スラヴ」を「スラブ」に変更(959解説参照)。なお,980,980.2の
項目名は,9版初刷ではそれぞれ「ロシア・ソヴィエト文学」「ロシア・
ソヴィエト文学史」であったが,増刷で「ロシア・ソビエト文学」「ロシ
ア・ソビエト文学史」に変更されている。

989 その他のスラブ文学 Other Slavic literatures
   *889のように言語区分 例:.5チェコ文学,.8ポーランド文学
   *各文学は文学共通区分 例:.83ポーランドの小説/
   *スラブ文学〈一般〉は,ここに収める
 「スラヴ」を「スラブ」に変更(959,980解説参照)。

991 ギリシア文学 Greek literature
   *991.1/.8:文学共通区分

992 ラテン文学 Latin literature
   *992.1/.8:文学共通区分

993 その他のヨーロッパ文学 Other European literatures
   *893のように言語区分 例:.61フィンランド文学,.7ハンガリー
    文学
   *各文学は文学共通区分 例:.611カレワラ

994 アフリカ文学 African literatures
   *894のように言語区分 例:.5ハウサ文学
   *各文学は文学共通区分 例:.73 スワヒリ語の小説
   *アフリカ文学〈一般〉は,ここに収める(別法:902.94)

995 アメリカ先住民語の文学 Literatures of American native
   languages
   *895のように言語区分 例:.1エスキモー語の文学  
 アメリカ先住民語の文学にも,言語区分が適用されることを注記した。

997.9 パプア諸語の文学 [新設]
 パプア諸語(897.9)に対応する文学の項目を新設した。

999 国際語[人工語]による文学 Literatures of universal languages
 国際語に「人工語」を付記した(899の項目名「国際語[人工語]」参照)。

999.3 イード.ボラピューク.オクツィデンタル.ノビアルによる文学 
                           [新設]
 899.3に対応する文学の項目を新設した。「ヴォラピューク」「ノヴィア
ル」を「ボラピューク」「ノビアル」に変更(959解説参照)。


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