予備審査の概要等のページで、2008年12月に公開された内容です。(予備審査の応募はすでに終了しています)

専門職認定制度と予備審査の概要
専門職員認定の予備審査にご協力をお願いいたします。


専門職認定制度と予備審査の概要

専門職員認定制度と予備審査の概要は次の通りです。

専門職員認定制度の目的:
公立図書館経営の中核を担う、あるいは今後担うことになる司書に対して高度な専門性を有することを日本図書館協会が上級司書として認定することによって、以下の点が実現可能になることを目的としています。

  1. 図書館で中核的な役割を持つ司書の資質向上
  2. 行政内における司書の専門性の認知
  3. 司書の社会的認知の向上
また、日本図書館協会は、この資格の認定の主体となることで、司書の社会的地位の向上に資することを目指します。

予備審査の対象:
 次の条件の全てを満たしている方,あるいはそれに準じる方の申請を受付します。
応募の意思をお持ちならば、現時点では多少不足があると思われる方も、審査の今後のためにぜひご協力ください。
  1. 地方公共団体職員・それに準ずる者
  2. 図書館勤務経験年数10年以上の者
  3. 以下のいずれかに該当する方(この部分の詳細はこちら)
  4. 論文の執筆経験(通算で8千字以上。雑文、単なる事例紹介を除く)
なお、今回の予備審査では審査の対象といたしませんが、認定制度が本格的に実施される場合には、少なくとも司書資格を取得された機関が発行した司書資格証明書の提出と日本図書館協会会員であることが必要となります。


専門職員認定の予備審査に応募を

図書館雑誌2008年12月号より転載


日本図書館協会では,2002年度から図書館経営委員会に特別検討チームを設置し,1996年の生涯学習審議会社会教育分科審議会の報告(*1)における“高度で実践的な専門性を有する司書”に対する名称付与制度(以下,専門職員認定制度)への対応について検討を進めてまいりました。
すでにこれまでの理事会,評議員会,総会等においても協議を重ねてきたところです。
しかしながら,事務局の体制が整わず,今日まで「専門職員認定制度」を実施できておりません。

 ところが,この間も図書館や司書を取り巻く環境は一層厳しさを増し,年々,司書有資格者の図書館外への異動はおびただしく,図書館業務の一部委託,さらには指定管理者制度の導入等を図る地方公共団体も少なくありません。
その一方で,さきの図書館法改正により第七条において文部科学大臣及び都道府県教育委員会に司書及び司書補に対する研修の努力義務が課せられたことは周知のとおりです。
これとほぼ同時期に公表されたこれからの図書館の在り方検討協力者会議の報告(*2)では,研修の体系化が提言されるとともに,“研修修了者の認定・名称の付与”への期待が明言されております。
こうした社会状況の変化を踏まえれば,とりわけ司書に対する研修の受講成果をもとにした「専門職員認定制度」を早期に実現させることは十分に意義を持ちますし,また一段と必要性が増したとも考えられます。

 そこで,本チーム(第四次)は,中堅職員ステップアップ研修,図書館司書専門講座(国立教育政策研究所社会教育実践研究センター)の受講者,全国の都道府県立図書館(政令指定市立図書館を含む。)の司書410名を対象に「専門職員認定制度」の必要性や認定申請の意思等を尋ねる全国的な調査を実施いたしました。
その結果,調査対象の7割を超える司書がこの制度を肯定的に受けとめ,全体の半数近くの方々が認定申請する意欲を持っていることが明らかになりました。

 このような状況のもとに,本チーム(第四次)は,9月2日常務理事会において予備審査委員に関する承認を得て,「専門職員認定制度」の実現に向けた「予備審査会」を発足させました。
予備審査は,本格的な実施に先駆けて,認定申請を予定する司書有資格者(通算10年以上の図書館勤務歴を持つ方)を対象に認定要件の充足状況を確認し,認定作業が実現できるようにするための言わば「予行演習」のようなものです。
要件を満たしていると思われる司書の方々がひとりでも多く,この予備審査に登録していただければ幸いです。

 広く会員ならびに図書館関係者のご賛同を得て,この登録の基盤となる研修受講者数の安定・増加を願いつつ,いずれ「専門職員認定制度」を実現させることが,図書館振興への確かな道しるべになると考えますので,ご理解とご協力を賜りますよう,よろしくお願い申し上げます。

  2008年10月16日
  日本図書館協会専門職員認定制度特別検討チーム(第四次)


*1「社会教育主事・学芸員及び司書の養成・研修等の改善方策について」
*2「図書館職員の研修の充実方策について」