書店との連携

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本の未来と読者を考える書店・図書館等による連携協議会

本の未来と読者を考える書店・図書館等による連携協議会について

1.設置の趣旨

「書店・図書館等関係者における対話の場」を関係団体等による協議会として発展的に再編し、書店と図書館が置かれている現実的問題を協力して解決する中から、これからの読者を増やすことに関して必要な協議を行う場として「本の未来と読者を考える書店・図書館等による連携協議会(以下、「本協議会」という。)」を設置する。

2.協議内容

「書店・図書館等関係者における対話の場」における検討を踏まえ、図書館資料の地域書店からの優先的購入を始めとする、出版、書店、図書館における本の文化や産業にまつわる諸課題に関して、より具体的かつ実践的な方策について協議と実証を行う。

3.本協議会の構成

本協議会は総合的な意見交換を行う全体会と必要に応じて設置する個別の事項に関して検討を行うワーキングチームをもって構成する。
 なお、ワーキングチームは実務担当者を中心として構成し、実践・検証を行うことを目的とする。

4.構成団体及びメンバー

全体会は、次の団体関係者、推薦者及び有識者により構成する。この他、必要に応じて活字文化、図書館利用者、読者等のオブザーバーの参加も可能とする。
 また、ワーキングチームの構成員については、全体会において定める。

  • ・出版関係団体(著者、出版社)
  • ・書店関係団体
  • ・図書館関係団体・事業者
  • ・読書推進関係団体
  • ・有識者等
5.全体会の座長

構成員から座長1名を選出し、本協議会の運営にあたる。

6.本協議会の開催

全体会は、原則年1回以上開催し、ワーキングチームについては、必要に応じて開催する。

7.事務局

協議会の庶務は、一般財団法人出版文化産業振興財団及び公益社団法人日本図書館協会が共同して処理する。

8.その他

ここに定めるもののほか、本協議会に関し必要な事項は、本会議の構成員に諮って定める。

取り組みについて

1.遂行に関する計画

本協議会は総合的な意見交換を行う「全体会」と必要に応じて設置する個別の事項に関して
検討を行う「ワーキングチーム」をもって構成します。
なお、「ワーキングチーム」は実務担当者を中心として構成し、実践・検証を行います。
 全体会の座長をメンバーから1名選出し、本協議会の運営にあたります。全体会は原則年1回
以上開催し、ワーキングチームについては、必要に応じて開催します。
協議会の事務局は、日本図書館協会及び出版文化産業振興財団が共同して運営します。
加えて、文部科学省にも適時アドバイスを求め、明確な効果を上げるよう運営します。

 「対話の場のまとめ」においては、「書店・図書館等が直面する現状と課題に対して、書店・図書館等関係者が協力し、読者人口を増やすこと、すなわち「読者育成」を目指すことに大きな意義があることを確認した。」として、書店・図書館等の連携促進方策を提案しています。それを受け、当面次の連携促進方策に取り組むこととします。

2.連携促進方策とプロジェクト設置
連携の促進に向けて、以下に挙げる4つのプロジェクトを設けます。
(1)相互に望ましい実践事例の収集と普及・実践、それに必要な予算化の促進

全国では、書店・図書館等の連携により様々な特色ある取組が展開されており、令和6年6月には文部科学省において事例集が発表されています。
 今後は更に全国各地で行われている相互に望ましい実践事例を広く収集するとともに、その実践に必要な予算化及び図書館資料費等の確保について協力して、国や自治体等に働きかけていきます。

(2)書店と図書館とのシステム連携

図書館内で書店管理の書籍注文ができる端末やしくみを設置し、本へのアクセスの向上を図ります。また、図書館のOPAC と地域の書店の在庫システムを連携させることにより、読者の利用ニーズに答えます。

(3)書店での図書館資料の受け取り・返却、共同イベント開催などの運営連携

図書館で予約した書籍を、書店で受け取れるような運営面での連携を検討します。また、読書のきっかけづくりとして有効なビブリオバトルの共同開催や共同で作家を呼ぶなど連携したイベントなどを実施し、読者を増やしていきます。さらに、書店がない地域においては、図書館で書籍販売を行う方法なども検討します。

(4)「図書館本大賞」(仮称)の創設

毎年、各種の文学賞や書店員による本屋大賞は多くの関心を集めている。例えば、今後、全国からランダムに選出された図書館司書等から最も多くのお薦めを得た地域の作家の本を表彰する「図書館本大賞」(仮称)を創設することを検討します。賞の対象としては、文藝作品だけでなく、ノンフィクション、翻訳部門など広く部門を設けることも検討する。
 図書館司書は多様なジャンルの本の魅力を十分に伝えられる潜在的な専門性を持っており、これにより、地域の書店と連携して広く世に知られていない地域の作家の著書を知ってもらう機会となるなど、地域からの出版文化の振興と、普段本を読まない人も読書に関心を持つ訴求効果が期待される取組となると考えられます。更に図書館司書の地位向上にも繋げていきます。

○構成員名簿

日本書店商業組合連合会 副会長 平井 久朗(ビーブックス)
            理 事 高島 瑞雄(株式会社高島書房)
日本書籍出版協会    理事長 小野寺 優(河出書房新社)
            副理事長 成瀬 雅人(原書房)
作家          今村 翔吾
            永井 紗耶子
日本図書館協会     理事長 植松 貞夫
            常務理事 植村 八潮
有識者         京都橘大学 嶋田 学 ※座長
オブザーバー      文部科学省総合教育政策局地域学習推進課 
            課長 高木 秀人
事務局代表    
日本図書館協会     専務理事 岡部 幸祐
出版文化産業振興財団  専務理事 松木 修一

第1回(2024年8月7日開催)

日時:2024年8月7日(水)13時~14時30分
会場:オンライン会議(事務局:日本図書館協会研修室)
議題:

  1. (1)座長の選出について
  2. (2)関係者協議会の設置について
  3. (3)今年度の取り組みについて

ほか