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lFLA/インターネット宣言

The IFLA Internet Manifesto

2002年8月23日 IFLAグラスゴー大会総会採択


 干渉されずに情報にアクセスできることは,自由と平等,地球規模での理解と平和に不可欠のものである。したがってIFLA(国際図書館連盟)は次のことを強く主張する。

情報,インターネット,図書館・情報サービスへの自由なアクセス

 図書館・情報サービス機関は,地球規模での情報源および思想・創造的著作物と人々とを結びつける活気にみちた組織である。図書館・情報サービス機関は,すべてのメディアにおける人間的表現と文化の多様さとの豊かさな蓄積を利用可能にする。

 地球規模でのインターネットは,町から離れたいちばん小さな集落に住んでいようと,あるいは最大の都市にいようと,世界中の個人とグループが情報に平等にアクセスできるようにし,それによって個人的成熟,教育や知的刺激,豊かな文化や経済活動,広い見聞や知識に基づいた民主主義への参加が可能になる。人は,自らの関心や知識,文化を世界のどこにでも発信することができる。

 図書館・情報サービス機関は,インターネットへの不可欠な入口を提供する。ある人々にとっては,利便と案内と援助を提供する機関であり,また他の人々にとっては利用し得る唯一のアクセス・ポイントである場合がある。これらの機関は,情報源や技術,訓練の相違によって生じる利用上の障壁をのりこえるのに必要な仕組みを提供するのである。

インターネットによる情報アクセスの自由に関する原則

 インターネットとその情報源すべてへのアクセスは,国際連合の世界人権宣言,特に次に述べるその19条と一致しなければならない。

   すべての人はそれぞれに意見をもち,それを発表する自由を権利としてもつ。
   これは,干渉されることなく意見をもつ自由と,どんな種類のメディアであれ,
   また国の違いを越えて,情報と思想を求め,受けとり,かつ伝える自由を含んでいる。

 インターネットの地球規模での相互接続は,この権利をすべての人々が享受できるようにするための一つの縦断である。したがってこのアクセスは,いかなる形であれ,思想的あるいは政治的,宗教的干渉にも,あるいは経済的障壁にも屈してはならない。

 図書館・情報サービス機関はまた,地域社会のすべての成員にサービスする責務がある。これは年齢や人種,国籍,宗教,文化,政治的立場,身体上または他の制約の有無,性別や性的志向,あるいは他のいかなる状況をも問わない。

 図書館・情報サービス機関は,利用者が自らの選択に基づいて情報を求める権利を支援しなければならない。

 図書館・情報サービス機関は,利用者のプライバシーを尊重すべきであり,利用した情報源を公表すべきでなないことを認識しなければならない。

 図書館・情報サービス機関は,質の高い情報とその伝達において,その利用を円滑にし,かつ促進する責任を有する。利用者は,その選択した情報源とサービスを自由にかつ確信に基づいて使えるように,必要な技術と適切な環境の援助を受けるべきである。

 インターネット上には,多くの価値ある情報源のほかに,不正確で誤解させられたり,時にはいらいらさせられるようなものもないわけではない。図書館員は,インターネットと電子情報の能率的かつ効果的な使い方を利用者が学べるように,情報と情報源を提供すべきである。図書館員は,質の高いネットワーク化された情報を,すべての子どもや若者たちを含むすべての利用者が信頼し,かつ容易に使えるように,先を見越して行動すべきである。

 図書館・情報サービス機関では,他の中核的なサービスと同様,インターネットへのアクセスは無料とするべきである。

宣言の実行

 IFLAは,国際機関に対し、世界中あまねくインターネットにアクセスできる状態にすることを支援すること,特に開発途上国において,インターネットによって提供される情報の地球規模での利益を獲得できるようにすることを,強く提言する。

 IFLAは,各国政府に対し,国民すべてがインターネットにアクセスできる国家的な情報基盤を構築するよう,強く提言する。

 IFLAは,すべての政府に対し,図書館・情報サービス機関を通してインターネット上で入手できる情報が,干渉されることなく流通するように支援するし,そのアクセスの検閲や禁止に反対するよう,強く提言する。

 IFLAは,図書館の方針や政策,計画を立てる図書館界の人々とその決定権をもつ人々に対し,この宣言において表明された基本原則を実現するよう,強く提言する。

この宣言は,国際図書館連盟・情報へのアクセスと表現の自由の委員会(IFLA/FAIFE)により起草された。

(日本図書館協会図書館の自由委員会 訳)


Latest Revision September 11, 2002
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