第15回図書館利用教育実践セミナー(in 京都)のご報告

「利用者の情報行動と情報リテラシー教育」の報告

天野由貴(当委員会委員,椙山女学園高・中図書館)

 JLA図書館利用教育委員会による恒例の京都セミナーが,2月28日(日)9時30分から13時までJR京都駅前のキャンパスプラザ京都で行われた。
 今年のテーマは,利用教育においても根幹である「情報リテラシー教育の理論と新たなる実践」。135名もの参加者があり,その評価は5段階評価で平均4.6点,87%の参加者が5点をつけた。

 参加者は大学図書館員を中心に,さまざまな館種・職種にわたっていた。
関西方面での開催を希望する声を受けて毎年続けているセミナーであるが,今年は基調講演に情報行動研究において大変著名な三輪眞木子さん(放送大学ICT活用・遠隔教育センター)をお迎えした。
情報リテラシー教育を理論的に,さらに感情のコントロールや自己効力感から見るという新しい情報探索モデルへと展開され,情報リテラシー教育に関する最近の研究成果および実践への活用も含めてご講演いただいた。
非常に内容の濃い講演であったため,参加者の満足度もかなり高かった。また,実践報告においては,青山学院大学の野末俊比古さんと昭和大学の和田佳代子さんによる「情報リテラシー教育の新しい方法とその実践」と題した実践報告があった。

 特に和田さんの具体的な手法や実践内容には,「実践に活かしたい」「一部分だけでも実践したい」などといった参加者の声が寄せられた。
「時間が短すぎた」「もっと時間を延ばしてほしい」という声に,どのように応えるかなどが今後の課題である。

出典:天野由貴「第15回図書館利用教育実践セミナー(in 京都)「利用者の情報行動と情報リテラシー教育」の報告」『図書館雑誌』Vol.104,No.5,2010.5,p.258.

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