文献紹介2

すぐに役立つ参照文献の表記法―Web時代に即応した実務書―

戸田光昭(駿河台大学名誉教授)

文献:
『レポート・論文作成のための引用・参考文献の書き方』
藤田節子著 日外アソシエーツ,2009年4月発行 A5判 144p.
2,000円(税別) ISBN978-4-8169-2179-7

論文を書く際に,必ず明示しなければならない参照文献(図書や文献)の出典を正確に表記するのは,「国際的な著作権のルール」であるが,基本を身につけていない人には,難しいことである。

日本では,「SIST02-2007 参照文献の書き方」が,科学技術分野における基準として利用されている。本書では,この基準の考え方と表記法などに準拠しているが,さらに,新聞記事,判例,テレビ・ラジオ番組,映像資料,音楽などの具体例も加えてある。
一般の人たちが,自分のホームページや会社に企画書など,あらゆる著作物において,本書の内容にしたがって記述するように説いている。

本書の構成は,まず「第1章 参照文献の役割」で,参照文献の必要性とその要件を明らかにしており,必読に章である。
「第2章 書誌事項と表記法」では,記述する書誌要素のグループと書誌レベル(階層)を解説し,記号方を述べている。「第3章 主な書誌要素の解説は,第2章の詳細な説明である。
「第4章 参照文献の具体的な書き方」は,すぐに役立つ内容である。今すぐに,参照文献を書きたい人は,第2章と第3章をとばして,この章で具体例を探し,真似ればよい。

「第5章 参照文献を書いてみよう」では,参照文献を実際に原文献からどう書くかについて,その方法と手順を説明している。
原文献は、図書1冊,雑誌記事,電子ジャーナルの1論文,Webサイト・Webページである。
最後にまとめとして,練習問題(解答例あり)で実習できるようになっている。

巻末に,付録として,引用のしかた(3p),参考文献(1p),参考文献(1p),関連規格(3p),索引(8p),テンプレートアクセスIDがついている。

 

本書を読み終わったら,Webにアクセスし,テンプレートを使って,すぐに参照文献を正確に書くことができるのは,大変便利なことである。

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