文献紹介1

マネジメントセミナーに誌上参加できる実践本 ―誰にでも役立つワークブック―

戸田光昭(駿河台大学名誉教授)

文献:
『中間管理職とライブラリーマネジメント―ライブラリーも自分も元気に―』
丸本郁子監修:人と情報を結ぶWEプロデュースLMゼミプロジェクト編
人と情報を結ぶWEプロデュース発行
http://wepro3.hp.infoseek.co.jp/ | E-mail: infowe3@gmail.com
2009年3月 76p. 1,000円(頒価)

本書は,人と情報を結ぶWEプロデュース(以下,WEと略称する)が2008年6月から8月にかけて実施した「中間管理職のためのライブラリーマネジメント/関西」ゼミナールを資源として制作された。WEは2004年1月に設立され,「目的に応じて,多様な専門分野の人材が協働して,フレキシブルなプロジェクトチームを作って事業を行います。現在は(1)人を情報を結ぶ”場”,結ぶ人,活動の活性化,(2)人の元気UPをサポート,(3)情報発信,編集コーディネート,を活動の3つの柱として,ライブラリーマネジメント・ゼミナール,元気UP事業,出版活動等を展開しています。」という活動内容になっている。

ライブのゼミナールを誌上で再現し,読者がワーク参加できるような「レクチュア&ワークブック」として構成している。収録しているゼミナールは,第1回「管理職という立場」6月15日(日);第2回「やる気が起こる職場をつくるチームマネジメント」7月13日(日);第3回「ライブラリアンのためのプロジェクトマネジメント―予算獲得から企画・事業実施まで」8月10日(日)の全3回分である。

各ゼミナールは,(1)イントロダクション,(2)講演のレジュメ,(3)レクチュア(講義),(4)ワークショップの説明,(5)用いたワークシート,(6)ワーク結果例とコメントという構成になっており,読者は参加しているような臨場感をもって誌上ワークに参加できる。
読みながら,各自がワークシートを完成させればよい。なお,レクチュアは3名に講師によって行われ,第1回は高橋佳子神戸松蔭女学院大学教授(元神戸市東灘区長),第2回は尼川洋子WEプロデュース代表(元兵庫県立女性センター情報アドバイザー),第3回は稲葉洋子大阪大学附属図書館利用支援課長(元神戸大学図書館司書)である(肩書きはゼミナール実施時点のもの)。また,ファシリテーターとして,丸本郁子大阪女学院短期大学名誉教授(元JLA図書館利用教育委員)が加わり,本書の監修を務めている。

本書の最大の特色は,ここに掲載されているゼミナールが,図書館員だけでなく,さまざまな職種と職場の研修に応用できる内容をカバーしていることである。ゼミナールの内容とステップ,そして,ワークシートとコミュニケーションシートの様式は汎用性があり,大変に有用なものである。これらを活用した多様なワークショップが多数行われ,発展していくことを期待したい。

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