第93回全国図書館大会 東京大会(第21分科会)の報告

久しぶりの図書館大会 in Tokyo
―ポスターセッションのにぎわい再び―

青木玲子(埼玉県男女共同参画推進センター)

 今年の東京大会を機にまとめた,利用教育委員会歴史年表によると,図書館利用教育委員会は,1995年,初めて新潟で単独分科会を開催した。以来,2001年の岐阜大会まで,図書館大会の分科会開催は,委員総力を挙げての活動でもあった。まず,テーマの議論から始まり,講演者の厳選,事例発表者の情報探し,会場設営,運営案などの協議。

 第14分科会の特色で,講演のみではなく,利用教育の実践情報を共有する事例発表やポスターセッション企画は,会場の設営計画を大掛かりなものとした。毎年のテーマに,この人こそとお願いした講演者,事例発表者,各地・各種図書館員・参加者との交流会も終了後の欠かせない企画であった。

 「図書館の売り」に始まり,今さかんに話題となる「情報リテラシー」は10年前のテーマで,SLAのポスターの紹介,グッズの開発などには早くから取り組んだ。いつも,何かしら,話題を提供,多くの方に参加していただき,にぎわっていた分科会であった。

 一通りの会の進行案が決まると,次はなぜかご当地温泉,美味いもの,美しい景色情報探し,こっちもかなり総力をあげた。かくして,どの大会もくっきりと印象深く,エピソードに事欠かない。図書館大会,私の一番の印象は,初めて委員として参加した山梨大会の設営前の一杯,絞りたてワインの香りである。

 今年の東京大会は,久しぶりの分科会開催でもあり,これまでの歴史とこれからを見つめつつ,利用教育委員会の特色であるポスターセッションとシンポジウムで会場の参加者の皆さんと交流を深めた。相変わらず会場設営に委員は頭を悩まし,パネルの運搬に汗を流した。プログラムのとおり,事例も,以前は個人的に利用教育に熱心に取り組んでいる図書館員を探すことであったが,大学図書館の組織としての取り組み,また全国各地の公立図書館,県立高校のプロジェクトチームなど,利用教育の多様な展開に,あらためて目を瞠る思いであった。大会のグッズ,情報リテラシーしおり「なんでやねん・どないなってるねん・ほんまかいな」は,夏の合宿の夜の愉快な会話から産まれた。図書館利用教育委員会は,いままでの大会分科会のノウハウを活かしつつ,図書館総合展,年三回の実践セミナーの開催へと新しく力を注いでいる。

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