第8回図書館総合展セミナーの報告
情報検索指導法の初級編に引き続き,中級編を開催
-多数のプラス評価,全国各地での開催要望も-

日本図書館協会(企画・運営:図書館利用教育委員会)は,昨年11月22日,パシフィコ横浜で行われた第8回図書館総合展において,講演会を開催しました。今回は,仁上幸治氏(早稲田大学図書館)を講師に迎え,「情報検索指導における良い例題・悪い例題(中級編)-専門分野別データベースの特徴を紹介する方法-」というテーマで講演が行われました。

仁上氏は,講演で,初級編の復習を行ったのち,利用者が検索できない理由,データベース講習会の内容,図書館の説明が分かりにくい理由,図書館員に求められる専門性について述べました。このうち,図書館員に求められる専門性としては,要約力,表現力,説明力,指導力があると指摘しました。最後に,情報リテラシー教育への貢献策として,(1)データベースのシステム改良,(2)授業科目と講習会との統合,(3)司書課程の改革,(4)研修の改善を提案しました。講演後には,質疑応答が行われ,参加者からは,講習会での失敗談や講習会の参加者を集める方法などについて質問がありました。

この講演会には,大学を中心とした各館種の図書館員や教員など161 名が参加しました。アンケートでは,講演会に参加して「大変良かった」という回答が42%,「良かった」という回答が43.5%で,良いという評価が85.5%に上りました。評価としては,「本当に目からウロコ」「テンポが良くてわかりやすい」「楽しくてためになる」「話が軽快で面白い」「やる気にさせる」などの多数のプラス評価と,「時間不足が残念」「中級編のさわりまで」「具体例不足」など一部マイナス評価がありました。また「対象者別分野別」「学校図書館員対象も」「ワークショップ形式で」「ポイントを絞って数回で」などのほか,初級編を含めて全国各地での講習会開催の要望が目立ちました。

(春田和男/筑波大学大学院生)


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