第6回図書館利用教育実践セミナーの報告
情報検索指導法の研修に高まるニーズ
―満員札止め,熱気と満足,もっと関西で開催を!―

当図書館利用教育委員会は,3月18日(土),キャンパスプラザ京都 において,第6回図書館利用教育実践セミナーを開催しました。

今回は「情報検索指導における良い例・悪い例《初級編》~素材を集 め問題を作り要点を説明する方法~」と題し,仁上幸治氏(早稲田大学 図書館)が第5回のセミナー(※1)の内容を大幅改訂した講演を行いました。

講演では,図書館による講習会や授業の中で,情報検索に関する基礎知識を利用者に理解してもらうための例題の実例を紹介し,良い点・悪い点をビジュアルに解説しながら13の提案(※2)を行い,例題は聞く人の気持ちで作ることが大切であると指摘しました。

具体的には,(1)専門知識の噛み砕き力,(2)わかりやすい説明の技術,(3)文字と画像の表現力,(4)ビジュアル表現のセンス,(5)初心者の内面への想像力などが求められると指摘しました。

さらに今後の展望として,ホームページやメーリングリストを活用した,例題モニターネットワークと例題バンクの立ち上げを提案しました。

なお質疑応答では,ホームページやデータベースの評価基準に関する質問や,また早稲田大学における利用教育の実例,そしてその担当者の育成問題などが質疑されました。

このセミナーには,大学を中心に各館種の図書館員や教員など154名 が参加し,会場は定員を上回る満員となりました。

なお従来,利用教育は専任職員の担当分野であったことを考えると,この講習会の参加者に非正規職員が図書館員の3分の1を占めたことは,大変注目される点です。

アンケートでは,セミナーに参加して「大変良かった」という回答が全体の79%,「良かった」が20%で,良いという評価が合計98%に上りました。

講演の感想としては「目からウロコ」「本当に来てよかった」「これほど充実しているとは!」「とても楽しく密度が濃い」「最近参加したセミナーでもっとも有用な内容」「(視覚)の大切さを実感」「テンポが良くて楽しい」「知りたいことを次々に答えてもらった」「中・上級編もぜひ」「もっと関西で開催を」などの意見がよせられました。

(K.H)

※1 「(1)第5回フライデーナイトセミナー報告」『<CUE>利用教育委員会通信』58,2005.7.(URL最終確認:2006年5月13日)http://www.jla.or.jp/cue/mm-58.html

※2 「第5回フライデーナイトセミナー開催:情報検索指導法の改善に館種を越えて高まる関心」『図書館雑誌』99(7),2005. 7, pp.422-423.


通信61号目次← →次の記事へ