67logo.gif (6184 バイト) 第67回国際図書館連盟ボストン大会報告

67th IFLA Council and General Conference

Boston, U.S.A, 16-25 August 2001


 

     ボストン市は人口57万人、京都と姉妹都市。左端はレセプションなどが行われたボストン公共図書館。1848年創立。アメリカで最も早くから無料貸出を始めた市立図書館。市の中央広場に位置し、開館は週末を除き朝9時から夜9時まで。中央から右端の写真は大会会場、国際展示場などの風景

 IFLA(国際図書館連盟)第67回年次大会は、米国マサチューセッツ州ボストン市で8月16日から25日にかけて開かれ、150ヶ国以上の国から5,573名の図書館関係者が参加した。参加者数はこれまでの大会で最も多い数字となった。日本からは日図協ツアー参加者26名と国立国会図書館からの公式参加者5名を含む58名が参加登録した。

 大会のメインテーマは、「Libraries and Librarians : Making a Difference in the Knowledge Age 知の時代に違いを際立たせる図書館と図書館員」。会期中約260の評議会、講演会、各分科会やワーキンググループによる発表、レセプションなどが行われた。会議と並行して40以上のボストン市周辺の図書館見学会、約190の図書館関連企業・議会図書館やALALAなどの図書館協会による国際展示会などが催された。また11のサテライト会議が、大会期間に前後してボストンや周辺の都市等で開催された。

 IFLAボストン大会で主な話題となったのは、アメリカのキューバに対する情報機器などへの経済封鎖政策に対して知的自由の見地から疑義が表明されたこと、公共図書館のガイドラインの出版が発表されたこと、次期会長(2003-2005)にボツワナ共和国のラゼロカ(Kay Raseroka)女史が選挙で当選したこと、などであった。また、懸案となっていた第8地域部会(アフリカ、アジア/オセアニア、ラテンアメリカ)の廃止案については、ユネスコの援助の可能性が示唆されて当面の継続が決まった。

 またデシャン会長によって強調されたのは、従来の5つのコアプログラムに加えて、新たにFAIFE(情報へのアクセスと表現の自由の委員会) CLM(著作権等法的問題委員会)といった重点プログラムが増えたこと、シャドウG8のように戦略的・政策的なプログラムにも着手しており、財政的にはこうした活動の資金が枯渇しており、国立図書館など機関会員のサポートと共に活動資金獲得のために各会員の支援が必要なことであった。

 日本からは、内藤衛亮氏(国立情報学研究所)による日本研究コミュニティへの情報提供ネットワークJapanInkについて、田中久徳氏(国立国会図書館)による国立国会図書館における出版物の国際交換について、武田美智代氏(国立国会図書館)による国会議員への調査サービス業務について、河村宏氏(日本障害者リハビリテーション協会)による障害者へのデジタルサービスの運営についての論文発表がなされた。これらの本文はIFLAのホームページwww.ifla.orgからアクセスが可能である。

 IFLAによる最近の刊行物(1)「公共図書館ガイドライン」 "The Public Library Service: the IFLA/UNESCO Guidelines for Development ", ISBN 3-598-21827-3, 132p., retail price: DM98, price to IFLA members DM 73.50 (2)「失読症患者のための図書館サービスガイドライン」 "Guidelines for Library Services to Persons with Dyslexia"by Gyda Skat Nielsen, Birgitta Irvall, Section of Libraries Serving Disadvantaged Person 2001 ISBN 90-70916-82-7

 来年以降のIFLAは、次のような開催地で行われる。

2002 August 18-24 Glasgow,UK
2003 August 1-9 Berlin, Germany
2004 Buenos Aires, Argentina
2005 Oslo, Norway
2006 Seoul, Korea
2007 募集中

(文責:日本図書館協会 国際交流委員会)

 

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