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<CUE>利用教育委員会通信 第56号(15巻3号)2005.2.25 発行
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■■■ ■ ■ ■■■ 利 用 教 育 委 員 会 通 信
■ ■ ■ ■■ 日本図書館協会図書館利用教育委員会
■■■ ■■■ ■■■ JLA The Committee of User Education
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・「<CUE>利用教育委員会通信」は,日本図書館協会図書館利用
教育委員会の最新のニュースをお伝えするメールマガジンです。
・<CUE>とは,Committee of User Education の頭文字です。
英語の「cue」はスタートの合図の意。利用教育の普及への願いを
込めた誌名です。
・利用教育関連の情報をお寄せください。
・メールマガジンに関するご意見, ご要望はこちらへ。cue@jla.or.jp
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□ 目次
(1)第4回フライデーナイトセミナーのお知らせ
(2)第3回フライデーナイトセミナーの報告
(3)図書館総合展JLA主催講演会の報告
(4)図書館利用教育関連文献一覧
(5)編集後記
(6)利用教育委員会委員
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(1)金曜夜は指導サービス専門家に変身!
第4回「フライデーナイトセミナー」のお知らせ
●日時:2005年3月11日(金)19~21時
情報リテラシーをめぐる最近の動向
~図書館と指導サービスの理論的基盤~
野末俊比古(図書館利用教育委員会委員,青山学院大学)
情報リテラシーの必要性に対する認識が一般にも広がっている。図書館
では,「利用教育」「利用案内」などの「指導サービス」を通して,図
書館や文献の利用法をレクチャーすることを中心に,利用者の情報リテ
ラシーの習得・向上を支援しているが,そこにはどのような理論的な基
盤があるのか。図書館が指導サービスを展開することの意義について,
情報リテラシーをキーワードにしながら,整理、検討していく。また,
教科「情報」などの新設に代表される学校教育の現状や米国の図書館界
の取り組みなど,政策面を中心に,内外の動向にも触れる。今回は,個
別の館種の状況を意識しつつも,館種を超えた図書館界としての「理論」
を求める方向で話を進めたい。
●会場:日本図書館協会研修室
●対象者:図書館職員,教職員,JLA会員,利用者団体ほか
●主催:日本図書館協会
●参加(資料)費:会員500円/非会員1000円
●申込:電子メールにて,cue@jla.or.jp(日図協事務局担当)まで。
「氏名」「氏名ヨミ」 「JLA会員/非会員の別(会員の場合は会員番
号)」「所属」「住所」 「電話番号」「電子メールアドレス」を明
記。
●定員:120名(先着順受付,当日受付もあり)
●締切:3月4日(金)
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(2)第3回フライデーナイトセミナーの報告
-組織の壁を超えるための熱意と創意-
当委員会は,昨年10月15日(金),「図書館利用教育の組織をどう作
るか-組織の壁はこの作戦で必ず超えられる!-」と題し,第3回フラ
イデーナイトセミナーを日本図書館協会研修室で開催しました。今回は,
方法手段の企画と実施のポイントを扱った前二回に続き,親組織内に味
方を作り,館内に前向きなカルチャーを醸成するにはどうしたらよいか
を,毛利和弘氏(亜細亜大学図書館)と赤瀬美穂氏(京都産業大学図書
館)が実例で解説しました。
毛利氏は,亜細亜大学図書館での取り組みを事例として,利用教育実
施に向けた組織化を行うためには,(1)外部環境と内部環境を整備する
こと,(2)理念を掲げた経営の観点を持つこと,(3)利用教育の実施を図
書館の規程に明文化することが必要であると指摘しました。また,利用
教育実施のための具体的な作戦として,「休講もらいうけ作戦」,「若
手教員とりこみ作戦」について説明しました。
赤瀬氏は,京都産業大学図書館における利用教育実施の経緯,方法,
課題について報告しました。そして,(1)利用教育の実施には,教員へ
の広報と連携が不可欠であること,(2)その努力により,現在では,新
入生約3000名と法学部の基礎ゼミ25クラスで利用教育を実施しているこ
と,(3)職員構成の変化により利用教育の担当者の育成が課題であるこ
とを指摘しました。
この講座には,大学,学校,公共図書館の職員など計25名が参加し,
講演に対する質疑応答も活発に行われました。講座後のアンケートでは,
「テーマが具体的で参考になった」「講師の熱意が伝わった」といった
意見が寄せられました。 (K.H)
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(3)図書館総合展JLA主催講演会の報告
「2006年問題」にもう一歩踏み込んだ対応を!
-情報リテラシー教育支援強化案に大きな共感-
昨年11月24日~26日にパシフィコ横浜で開催された第6回図書館総合
展において,JLA主催による講演会が行われました。企画・運営は,当
委員会が担当しました。「『情報科』後の図書館利用教育:変わる利用
者をどう迎えるか」というテーマで,十文字学園女子大学社会情報学部
の安達一寿氏による講演がありました。
講演では,まず,日本における教育情報化の推進状況が示され,真に
求められることは情報元年と呼ばれた時期から変わらず,「情報活用能
力の育成」であると述べられました。そのうえで,学生の基礎学力習得
と図書館利用教育とを関連付けることの重要性が提示されました。
新しい利用者を迎えるにあたって,情報リテラシー教育を支援する立
場である図書館に求められる役割は,(1)カリキュラムへの関与,(2)教
育機会の提供,(3)もう一歩踏み込んだ対応であり,利用者のニーズに
応じた支援を行うために求められる図書館員の能力,(4)新しいリソー
スのあり方とITに対する環境整備の必要性についても言及されました。
参加者は大学・短大図書館を中心に,公共図書館,学校図書館,企業
関係者など多様で,計87名でした。「情報科」を修了した高校生が大学
に入学し始める2006年度が迫っていることもあって,多くの関心が寄せ
られるテーマの講演会であったといえます。
出席者からは「高等学校の科目『情報科』の実態や課題がわかった」
「今後さらに取り組みを進めていく図書館利用教育の内容を考えるにあ
たって、たいへん参考になった」「情報リテラシーということばが持つ
意味の深さを再認識できた」などの感想が寄せられ,好評でした。
(M.K)
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(4)図書館利用教育関連文献一覧(2004年8月~2005年1月発行分)
・対象誌は次の通りです。
『情報管理』『私立大学図書館協会報』『大学図書館研究』
『同志社図書館情報学』『ほすぴたるらいぶらりあん』
『Medianet』『図書館界』
・この文献一覧の情報は,当委員会委員が現物により収集したものです。
内容の誤りや採録されていない文献にお気づきの方は,ぜひご連絡く
ださい。
・収録対象期間には多少ずれがあります。
・上記の雑誌以外でも必要に応じて採録しています。
・一部の文献には解題を付し,担当者の署名を末尾に記しました。
・書誌事項の先頭に館種を【大学図書館】【公共図書館】等で示し,館
種別にリストアップしました。
・◆は利用教育関連文献、◇は少し広く採録した参考文献です。
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[大学図書館]
◆石川敬史;高橋和也;高本真由子他「新入生オリエンテーションの研
究と実践:情報リテラシー教育研究分科会第一期最終報告(2003年度
東地区研究部 研究分科会報告大会)『私立大学図書館協会報』122,
2004.8, pp.169-174.
◆伊藤(村上)幸江「人文・社会科学分野における主題に即した利用教
育の検討:利用者研究と主題別情報探索法指導」『図書館界』56(4),
2004.11, pp.236-254.
◇上野恵「スウェーデン ヴェクショー大学図書館からのメッセージ」
『大学図書館研究』71, 2004.8, pp.33-40.
◆大関玲子;田中文恵;小林浩樹他「『科学技術情報検索の実際』テキ
スト作成:東京農工大学での事例報告」『大学図書館研究』71,
2004.8, pp.41-48.
◆角家永「『情報リテラシー教育プログラム』」ウェブサイトの制作-
ウェブサイトによるサービスプロモーション」『Medianet』11,
2004.10, pp.50-51.
◆企画広報研究分科会「パスファインダーバンク実用化とその経緯-
Web版共同利用ツールシステムを立ち上げて」『私立大学図書館協会
報』122, 2004.8, pp.147-151.
◆酒井由紀子「信濃町メディアセンターにおける情報リテラシー教育-
電子リソース活用講座」『Medianet』11, 2004.10, pp.52-56.
◆田中功「情報活用を支援する拠点としての図書館」『情報管理』
47(9), 2004.12, pp.610-615.
◆西村明日香「大学図書館サービスとインターネット-小規模図書館の
取り組み」『私立大学図書館協会報』122, 2004.8, pp.187-194.
◆野上香織「情報社会における大学図書館の役割-図書館利用教育を中
心に-」『同志社図書館情報学』15, 2004, pp.41-76.
◆渡部修「大学図書館における課題解決能力育成支援サービスを探る-
関西大学図書館の実践報告を中心として」『私立大学図書館協会報』
122, 2004.8, pp.195-213.
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[学校図書館]
◆中條敏江「実践報告・総合的な学習の時間」で学ぶ力をつける」
『現代の図書館』Vol42.No.3, 2004.9, pp.188-193.
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[専門図書館]
◆山田有希子「利用者教育;看護師への文献検索講習会を開催して」
(特集 はじめの一歩 私はこうしています-基礎的な図書館員の仕事
(1))『ほすぴたるらいぶらりあん』29(4), 2004.11, pp.240-246.
東京厚生年金病院図書室の利用者教育の実際(K.W.)
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(5)編集後記
電子メール版になって3号目の「通信」をお届けします。本年もどう
ぞよろしくお願いいたします。 (春田)
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(6)利用教育委員会委員
(委員長)
毛利 和弘 :亜細亜大学学術情報課
(委員)
青木 玲子 :越谷市男女共同参画支援センター
赤瀬 美穂 :京都産業大学図書館
有吉 末充 :神奈川県立菅高等学校図書館
木下 みゆき :大阪府立女性総合センター情報ライブラリー
仁上 幸治 :早稲田大学図書館
野末 俊比古 :青山学院大学文学部
春田 和男 :筑波大学大学院博士課程
和田 佳代子 :昭和大学附属烏山看護専門学校図書室
久保木いづみ :日本図書館協会事務局
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<CUE>利用教育委員会通信 第56号(15巻3号) 2005.2.25 発行
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