第10回「図書館利用教育実践セミナー」報告

司書が備えるべき情報評価能力について講演
2007年7月13日(金)開催 (於:日本図書館協会)
講師:有吉末充(京都学園大学)


日本図書館協会(企画・運営:図書館利用教育委員会)は,7月13日(金),同協会研修室で,第10回図書館利用教育実践セミナーを開催した。
今回は,有吉末充氏(京都学園大学)を講師に迎え,「情報を批判的に読み解くには-司書に求められる情報評価能力を考える-」というテーマで講演が行われた。
講演では,利用教育委員会刊行の『図書館利用教育ガイドライン』の概要を紹介したのち,テレビ,インターネット情報源,サブカルチャー,芸術作品,新聞,書籍等のメディアの批判的な検討を行い,司書が備えるべき情報評価能力について指摘された。
メディアの批判的検討では,事実と意見を区別する習慣が必要であると述べられた。
また,司書が備えるべき情報評価能力としては,スキル,批判力,コミュニケーション,コラボレーションを挙げられた。
このうち,批判力に関しては「なんでやねん」「ほんまかいな」といった「つっこみ力」をまず身につけることが提案された。
講演後には,質疑応答が活発に行われた。
このセミナーには,各館種の図書館員を中心に49名が参加した。
アンケートでは,セミナーの印象が「大変良い」という回答が45.7%,「大体良い」という回答が48.6%で,良いという評価が94.3%に上った。
セミナーの感想には「様々な事例が紹介され,面白かった」「つっこみ力の大切さを知ることができた」「自分自身のスキルアップに役立った」などが寄せられた。

(春田和男/筑波大学大学院生)