公立図書館の指定管理者制度について-2016

2016年9月30日
公益社団法人日本図書館協会


はじめに
 2003年6月の地方自治法の一部改正により指定管理者制度が導入されてから13年が経過しました。日本図書館協会(以下「当協会」という。)では、この制度について調査研究を重ね、2005年、2008年、2010年の3回にわたって見解を表明してきました。このたび、これまでの3回の見解や近年の状況を踏まえ、この制度の持つ基本的な課題や新たな課題を整理し、改めて考え方を取りまとめました。
 この制度の公立図書館への導入の判断は、各自治体の自主性に委ねるものですが、当協会は、我が国の今後の公立図書館の健全な発達を図る観点から、公立図書館の目的、役割・機能の基本を踏まえ、公立図書館への指定管理者制度の導入については、これまでの見解と同様に、基本的になじまないと考えます。そこで、これまでの経緯と現状における課題を整理し、公立図書館に求められている本来の望ましい姿を確認し、公立図書館に関心を持つ幅広い人々に対し、指定管理者制度の導入について慎重で丁寧な検討を行うための参考として提示します。