図書館情報学教育部会ができることとは−第34期発足にあたって−
伊藤真理 愛知淑徳大学
このたび第34期図書館情報学教育部会長として選出されました。当部会には、2021年から幹事として関わらせていただいておりましたが、それ以前は全くのお客様のような状態で、気が向いたときに研究集会に参加させていただく、といった程度の関わり方しかしておりませんでした。これまでの怠慢を反省するとともに改めて気を引き締めている次第です。今期の幹事(五十音順)は、青柳英治氏(明治大学)、石井大輔氏(聖徳大学)、泉山靖人氏(東北学院大学)、岡田大輔氏(尚絅大学)、金井喜一郎氏(相模女子大学)、木幡智子氏(岐阜女子大学)、坂下直子氏(神戸女子大学)、橋詰秋子氏(実践女子大学)の8名の方々です。それぞれに司書課程、司書教諭課程、学校司書養成プログラムに関わられており、至らない部会長を支えていただく上で大変心強いメンバーです。とは申しましても、何よりも部会員のみなさまのご協力なしには部会活動は成り立ちません。今後とも変わらぬご理解と活発なご意見・ご提言をいただけますと幸いです。
さて本稿を書くにあたり、過去の部会報をぱらぱらとめくっておりましたら(私の入会は2002年でした)、「e-Learningと図書館学教育」、「司書の専門性」「新しい学習・教育環境における図書館サービス」などが目に入って参りました。20年以上前から既に、私たちが今課題として取り組むべきことがらが継続していることを改めて思わされました。そしてこれらは、今年度第1回研究集会で大谷第33期部会長が話題提供してくださった「司書課程の持続可能性」につながっていく課題と考えております。
現在作成中である『日本の図書館学教育』2022年度版の調査でも司書課程を取り巻く非常に厳しい状況について,データとして明らかになってきています。社会情勢の変化を受入ながらも,大学・短期大学に所属する大学人として,また司書養成教育従事者として,さらに図書館情報学関連分野の研究者として,これまでとは違う工夫をしながら図書館専門職の意義を社会に伝えていくことが,さらに重要となっているのだと思います。生成AIにより図書館情報サービスが席巻されるのではなく,図書館ならではの情報サービスが情報技術の進展とともに発展していくためには,どのような人材を育成していくべきなのでしょう。
2022年度からの部会活動では,特に強い社会的要請のないなかで司書課程科目を見直すというチャレンジをしてみました。そこで大きな反響があったことはみなさまもご存じのとおりです。部会で取り上げたのは司書課程科目のみでしたが,今後は司書教諭科目,学校司書養成プログラムの科目も対象となるのは必然です。今期では,関連組織と連携をしながら当部会活動をさらに発展していくことができるように,幹事と一緒に考えていきたいと思っております。部会の枠を超えて,館種や立場の異なるとはいえ図書館に携わるより多くのみなさまと,同じ目標にむかっていくことができればと願っております。
ますますのご指導ご鞭撻を賜りますよう,心よりお願い申し上げます。