日本図書館協会学校図書館部会　幹事会議事録（第31期第13回）

日時：2009年3日22日（日）13:00～17:00

出席：高橋恵美子・中村崇・大口和枝・笠川昭治・長谷川優子・甫仮久美子・堀岡秀清・

　　　松本美智子

　　　（委任状による出席）梅本恵・木下通子・鈴木啓子・谷嶋正彦・田沼澄子・永井悦重・

１．報告・連絡

（１）理事会・常務理事会等

・2009年度事業計画案を提出した。メーリングリスト等で検討したとおり。ＪＬＡ全体の事業計画案に盛り込まれ、ＪＬＡ事業計画案として評議員会で決定した。

・理事会では非正規職員化の問題について比較的長く時間をとって議論が行われた。公共図書館含め危機感がある。

・専門職認定制度（仮称「上級司書」）は、制度化について総会で検討される予定。

・協会の財政厳しい。会員拡大の取り組みが必要。

・公益社団法人への移行について説明と討論あり。

（２）政策企画委員会

・理事会の議論を受けて、「非正規職員」の問題についても何らかの調査を行う方向で検討中。

　内容や方法は未定だが、案としては、「まず現場の非正規職員の声を聞く」「全国調査は難しいでの、調査しやすい条件の地域を決め、その地域で調査を行う」などの意見が出ている。

・この方法ならば、学校図書館でもできる可能性があるので、「部会に持ち帰って学校図書館の非正規職員についても同時に調査できないか検討する」と言ってある。

・調査できそうな地域はないか、メーリングリストで会員に問いかける。例えば、職員と市民のつながりがあって、現地の窓口・連絡役になってくれるような人がいる地域、など。

・松岡事務局長から、不定期に製作している『図書館政策資料集』の学校図書館版を製作しないかとの提起があった。是非作りたいとお答えした。これについて、堀岡幹事から素案が提起された。基本法令と、各種調査結果や各種会議の報告書類などのうち後日実務的に役に立ちそうなものを選んで載せる方針で考えている。

・部会員からも意見を募る。

（３）文部科学省主催「平成20年度学校支援地域本部推進全国協議会」（2009.2.23）参加報告(堀岡幹事)。

・堀田力氏の記念講演（「ボランティア活動による生きがいづくり」）、文科省生涯学習政策局社会教育課地域・学校支援推進室長による行政説明（事業の実施状況と21年度の進め方）の後、いくつかの地域での取り組み事例が紹介された。

・例えば、地域でもとから活動していた人がコーディネーターになったケース。その人の机もあり、朝、職員と同様に「出勤」して連絡調整や行事の準備や庭木の剪定その他の作業などにあたっているケース。

・別の地域では、非常に盛んだが学校図書館関連の取り組みはほとんど無い。

・「学力向上」を前面に出している感じではなかった。街づくり、家庭・地域との連携を意識しているという印象を受けた。

・文科省としても、「これをやれ」という雰囲気ではなかった。「特に図書館を」という雰囲気でもなかったと思われる。

２．来年度(2009年度)の夏季研究集会について

（１）日程・会場

・日程は8/7(金)～8/8(土)

　・会場は法政大学（大教室／約200人収容）を予定。部会長から大学に申請中。大教室が借りられる見込み。

（２）内容

1)基本テーマ

・昨年の「学校図書館員の専門性を探る」の続き

・「機能している学校図書館」で保障できる学習活動・読書活動

2)構成

・講演…『学び』と図書館・読書を考えるような内容

・報告…学校司書が配置された地域での、司書配置の経緯などを聞く

・実践報告×２…義務制と高校各１程度。

それぞれの講師や報告者については、具体的な人選を行い、交渉担当を決めた。

講師・報告者のお名前については、承諾がとれ次第メーリングリストで報告する。

３．総会の予定の確認・内容の検討

（１）総会は5月23日13:30～16:30

（２）10:30～12:00に「学習会」を設定する。

　・職員制度についての1999年のＪＬＡプロジェクトチーム報告の読み直し

　・職員制度についての意見交換

４．夏季研究集会の会計について

　・決算報告は、部会の一般会計とは別の特別会計として行う。

　・黒字決算になった場合は、夏季研のための特別会計として、翌年度に繰り越す。

５．「学校図書館充実についてのお願い」の取り組みについて

・神奈川県・長野県には要請を準備中。京都府は文面等調整中。東京都は検討中。

６．『ほんとうの図書館』の提起

・高橋部会長から、図書館のあり方を示す文書をつくり、普及してはどうかとの提起と、その文案（『ほんとうの図書館』※別記１）の提起があった。

・出席幹事は全員賛成。事前にメーリングリストに参加にも配信しており、反対する意見はなかった。この文書を部会として普及することを了承。今後の扱いを継続検討。

７．メーリングリストの運用規程について

・前回幹事会で、参加資格が「原則として部会員のみ」であることを改めて確認し、運用規程の整備（改定）を行ったところ、公共図書館勤務であるが学校図書館にも関心を持っている方から、参加を継続する余地はないか問い合わせがあった。

・幹事会で検討した結果、「部会員のみ」とすることを改めて確認したばかりでもあり、原則として部会員のみとするが、今回問い合わせがあった方については、運用規程「2-(2) 部会員以外でも、幹事会が特に認めた場合は参加することができる」を適用し、参加の継続を認めること、メーリングリストでも、その旨配信し了承を求めること、と決定した。

８．部会報について

○31号　予定→2009年3月下旬発行4月上旬送付予定

編集担当…神奈川

（内容）

・総会開催案内／・夏季研の案内（日程）／・近畿ブロック集会の報告／・学校図書館職員数の推移／・32期役員選出について（公募結果報告／補充選出の案内／施設会員選出評議員の結果）／・夏季研究集会報告集販売のお知らせ／・諸連絡…MLへのお誘い、投稿の呼びかけ、幹事会へのお誘い、部会HP＆アドレスの紹介　など

○32号　

編集担当（埼玉）

（内容）

・夏季研開催要項／・総会報告／・実践報告／・諸連絡など

９．次回幹事会／その他

（１）幹事会の開催予定

2009年4月29日（水・休）　13:00～17:00

2009年5月23日（土）総会終了後～17:00

(別記１)

ほんとうの図書館

ほんとうの図書館は、図書館という看板のある役所ではない。

ほんとうの図書館は、無料の貸本屋ではない。（菅原峻氏の言葉から）

ほんとうの図書館には、よい司書がいる。

よい司書には奉仕する姿勢がある。

　　　あいまいな質問をしてもいいんです。本を特定してから来なさい、なんて決して言いません。

よい司書は本を知っている。

よい司書はカウンターに立っている。

　　　今、ほとんどの図書館では司書はカウンターにいません。

よい司書は問題意識を持っている。

　　　利用者が必要としている資料は？利用者にとって、使いやすいのは？

よい司書はねばり強い。

よい司書は勇気を持っている。（前川恒雄氏の言葉から）

ほんとうの図書館では、利用者が子どもだからといって、軽く扱われることはない。

ほんとうの図書館では、弱者へのサービスが競うように行われる。

ほんとうの図書館では、「図書館の自由に関する宣言」が大事にされている。

ほんとうの図書館では、利用者の声が大事にされる。

大学図書館も学校図書館も図書館です。でもほんとうの図書館ですか？

今、日本では、ほんとうの図書館は消えつつあります。

あなたの身近な図書館は、ほんとうの図書館ですか？