日本図書館協会学校図書館部会　幹事会議事録（第31期第11回）

日時：2008年11日2日（日）10:00～15:00

会場：法政大学

出席役員：高橋恵美子・中村崇・梅本恵・大口和枝・笠川昭治・田沼澄子・永井悦重・長谷川優

　　　　　子・甫仮久美子・堀岡秀清・松本美智子

　　　　（委任状による出席）木下通子・鈴木啓子・谷嶋正彦

部会員1名出席

１．報告・連絡

（１）今年度下記研究集会報告集について(田沼)

1)全体討議の一部に、記録テープがまったく聞き取れないところがある(発言者名も聞き取れな

　いので確認もできない)。どうするか？→全体討議については、掲載しないこととする

2)その他誌面の構成や組版等について検討

（２）理事会・常務理事会等(高橋)

1)2009年度図書館大会は、10月に東京で開催。「１日」のみの予定。

2)2010年度は「国民読書年」。図書館大会は奈良開催を予定。

3)文部科学省子どもの読書サポーターズ会議の動きについて

　-1.パンフレットを発行

　-2.『これからの学校図書館の活用の在り方等について（審議経過報告）』を公表(9月)

（３）図書館雑誌編集委員会(長谷川)

1)2009年2月号(学校図書館特集号)の原稿依頼状況を確認

2)2009年度「窓」欄の執筆者候補の検討

3)2009年度から2010年度にかけての連載企画の検討

（４）政策企画委員会(中村)

　今後の課題として、非正規職員化の問題について取り組みたいと話し合っている。学校図書館に関してはどのように取り組むべきか、意見があればお寄せ頂きたい。

　学校司書の配置を記述するときに、より説得力ある記述にするためには、将来あるべき職員像をまとめる必要性を感じている。「司書教諭」と「学校司書」の両論併記では、なぜ「学校司書を正規で」なのかの説得力に欠けるのではないか。部会での今後の検討に期待したい。

２．学校図書館専門職員制度問題についての今後の取り組みについて

　高橋部会長から、以下のような提起があり、検討した。

「子どもの読書サポーターズ会議の動きなど学校図書館にとって有利な材料がある一方で、学校司書の新規採用はストップし、大量退職の時期を迎え、非正規化が蔓延し学校司書制度が崩壊しかねない状況でもある。学校図書館には社会的な関心が高まっている。学校図書館の予算措置や学校司書の配置・採用などの学校図書館充実を求める要請文書を日本図書館協会で作成し、必要かつ可能な地域で、現地の部会員と連携してとりくんでみてはどうか」

　また、文科省子どもの読書サポーターズ会議の『審議経過報告』に関連しても意見交換を行った。

　出席者からは、おおむね、以下のような意見が出された。

※なお、以下に紹介する意見は、要旨をまとめたものである。また、類似した意見もまとめて整理したものであり、発言者の発言内容を個別に記録したものではない。

（出席者の意見）

・部会内での検討のためや現状への共通理解を持つために、まず1999年の学校図書館職員問題プロジェクトチーム報告の内容を読んでみてはどうか。その内容について当時の当事者から話を聞く機会を持ってはどうか。例えば、来年総会の時に、午前の時間をこういった機会に使ってはどうか。

・学校司書の必要性を認める機運が高まりつつある。他方、地域によっては学校司書制度の存続が危うい。JLAでも取り組みたい。

・新たに非常勤で人が置かれそうな地域もある。「正規」の取り組みの意義は大きい。

・文科省が学校司書に言及したこのタイミングを逃さず運動をすすめたい。

・様々な意見がある。全体の見通しを考えて、そこにどう位置づけるかを考えた方がよい。

・各地の市民と話していて共通するのは、非正規なら実現するが正規は難しい、なぜ正規でないといけないのかの論拠が欲しい、ということ。こういう実践がある、こういう役割を果たしている、それは正規だからできるのだ、と説明できるものが必要。「学びの保証」としての学校図書館・学校司書の意義を明らかにしたい。行政に行くと、「きちんと置かれているところはどこか、どういう実践があるか」と逆に聞かれることもある。

・サポーターズ会議の報告を見ても、実践を十分発信してこなかったと感じる。

・文科省の「地域支援本部」構想のモデルのひとつは都内のある中学校だと思われるが、そのモデルを作った校長は、「学校図書館＝癒しの場」だから図書館に置く人は教員ではないボランティアで良い、ボランティアの方が良いと述べている。「地域支援本部」のボランティアが、学校司書の必要性に気づいてくれれば良いが、このような発想で終わっては問題。

・自分の県では10年以上採用がない。できることはやりたい。もうすぐ欠員状態になる。

・正規でなければならない根拠というが、法律にもないなかで、難しい。他職種だって「必要性を立証する」など難しいだろう。できるのは良い実践を示すことくらいではないか。

・学校の職員として何ができるか、学びへの支援、読解力その他いろいろあるはず。

・裏付けとなる実践と合わせて配置を主張する必要がある。

・文書を出すとしても、根拠となるものがないと難しいのでは。再編集でもいいので。

・部会の取り組みの方向性について、司書教諭を残した上で学校司書の法制化を図ろうとするのならばそれには異論があるという意見を聞いている。

・今回の取り組みは、二職種の制度化を意図するものではない。1999年の協会の学校図書館問題プロジェクトチーム報告や従来の協会見解の範囲内で、学校司書制度の後退や退職不補充・非正規化などの問題に対応するための当面の取り組みである。

・部会全体の理解を得て行う必要があるので、部会報で提起し、部会員からの意見も求めて進めるのがよい。

　(本日のまとめ)

○職員制度のあり方や合意形成の方法、当面の取り組みなどについては、今後も検討を続ける。

○当面の学校図書館の条件整備および学校司書についての(今回提起があったような)とりくみと、将来あるべき学校図書館専門職制度のあり方についての検討・合意形成の問題は、分けて考える。

○学校図書館の充実を求める要請文書については、文案と今回の取り組みの趣旨説明を部会報に掲載し、部会員の意見を求めるなど合意形成を図りながら取り組む。

○学校司書配置の必要性の根拠として使えるような実践事例集を作成する必要がある。

３．来年度の夏季研究集会について

日程について検討

第一希望…2009年8月9日（日）～10日（月）

第二希望…2009年8月7日（金）～8日（土）

開催地は東京

以上の日程で会場を検討・調整する。

内容については今後検討する。

４．総会で意見のあった「地域ブロック集会」へ支出について

1)今年度は、調査研究費から10000円を支出する。

2)来年度以降については引き続き検討する。

５．次期(32期)役員選出について

1)部会役員の選出についての予定（各期日等の日程）を決定

2)公募の公示・予定説明の文章を決定（部会報30号に掲載）

3)施設会員代表評議員の選出方法について決定（部会報30号に掲載）

６．部会報について

○研究会・集会等の開催情報については、以下の通り取り扱う。

　1)対象は図書館関係

　2)掲載の要請があったものを掲載する

　3)要点をまとめて掲載する

　以上を部会報30号に掲載する。

○研究会などの参加報告の記事については、参加したことを前提とした感想ではなく、参加していない部会員にもある程度内容がわかるようなものにする

○「会員の声」は短めのコラムとし、個人的な雑感や会員消息でも良い

○今後、編集方針のようなものを整理する必要がある(検討課題)

○30号　発行予定→11/20締切、11/25頃…編集担当（東京）

（内容と担当）

・学校司書の配置・新規採用を求める要請についての提起(文案＋説明)（部会長）

・32期役員公募の公示・予定の説明（※公示案→今回幹事会）(副部会長)

・実践報告…甲南中･高　佐藤敬子（図書館大会での発表を中心に）

・子ども読書推進機構フォーラム参加原稿（大口）

・図書館大会学校図書館分科会参加の感想(井上)

・2/11の学図部会関西ブロック集会のお知らせ

・他団体の集会案内

・メーリングリストについて　1)部会員限定であることの確認　2)参加と投稿のお誘い　3)役員のみのメーリングリストについての説明　(編集担当)

・諸連絡…夏季研究集会報告集販売のお知らせ、幹事会へのお誘い、部会HP＆アドレスの紹介とご意見お寄せ下さいの告知（編集担当）

○31号　発行予定→2009年3月下旬or4月上旬…編集担当（神奈川）

（内容）

・総会案内

・役員選出について

・ブロック集会の報告

○32号　発行予定→未定(2009年6月頃？)

編集担当（埼玉）

７．メーリングリストの運用について

・現在、部会メーリングリストには学校図書館部会でない人も加入しているようである（規則上は部会員限定と明記されていない）。今後の扱いはこれで良いか？

→(結論)

○学校図書館部会のメーリングリストは、部会員を対象に開設したしたものであることを、本日の幹事会で改めて確認する。今後は原則として部会員に限る。運用規則もその旨明記するよう変える。

○上記の内容と、本名で登録・発信することの二点を、部会報に掲載し部会員に知らせる(担当：中村)

○運用規則の文言の改正案を次回幹事会に提案する(担当：中村)

○部会報発行後、現在のメーリングリスト参加者に、上記内容をお知らせし、部会員であるかどうかを答えて頂くようメールを発信する。部会員以外の方には事情を説明し、解除させて頂く。

あわせて、必要事項の一部が未登録の方（試験運用時からの参加者の一部）には、必要事項をお知らせ頂く。

(担当：田沼)

８．次回幹事会／その他

（１）幹事会の開催予定

2009年1月31日（土）午後1時～5時　会場：法政大学(予定)