第28期目録委員会記録 No.2
第2回委員会

  日時:2001年5月26日(土)14時〜17時30分
場所:日本図書館協会5階会議室
出席者:永田委員長、乙骨、酒井、古川、堀井、増井、室橋、横山、和中
<事務局>磯部

  [配布資料]
1.『日本目録規則1987年版改訂版』(NCR87R)について大学図書館職員よりのコメン ト
(1枚−A4)(室橋委員)
2.NCR87Rの修正箇所(案)
(3枚−A4)(古川委員)
3.記述付則2 記述の記載例
(2枚−B4)(古川委員)
4.渡部満彦氏の指摘
(2ページ−A4)(事務局)
5.第9章要訂正箇所
(1枚−A4)(横山委員)
6.索引改正案:第9章関連
(10ページ−A4)(横山委員)
7.付録6改正案:第9章関連
(3枚−A4)(横山委員)
8.ISBD(CR)に対する疑問
(1枚−A4)(古川委員)

  [連絡事項]
1.総合目録委員会について
国立情報学研究所で行われた標記の委員会で、ネットワーク情報資源の取扱いについて協議された。電子ジャーナルに限らず、基本的に、どのようなものでも扱えるようにしたいというのが研究所の意向であるが、当面は、大学・学協会が発信する情報に限定する方向で考えている。今後、委員会の下にワーキンググループを設置して、具体的な問題を詰めていきたい。

  [検討事項]
1.『日本目録規則1987年版改訂版』増刷に伴う見直しについて
標記の見直しについては、当初、6月の委員会で検討する予定だったが、メーリングリストでもお知らせしたとおり、司書講習の時期をひかえて品切れ状態を作りたくないとの協会の意向もあり、今回、作業を前倒しして見直すことにした
。 資料に基づき、室橋委員、古川委員、横山委員の順に説明があり、各指摘事項について検討した。
(1.1.5.2C)
・ 改訂版になった際、「または」という語句が挿入されたため、初版のANDの関係がORに変わった。この結果、(1)著作の種類を示す語句がないときは必ず補記する、とともに、(2)個人や団体との関連を明らかにする必要があるときも補記する、と読める文章になった。補記する必要がないときは不要ではないのか、また、仮に必ず補記するのであれば、「または」以降の後段は不要ではないか。
・ ISBDを踏まえれば、不要なケースはあると思われるが、NCRの特徴として、必ず補記するという流れがある。また、後段については、関連を明らかにする必要があるときを想定した上での表現である。ただし、2.1.5.2Dの例を見ても、この2つのケースの違いは明確でない。また、他の章など、補記されていない例も多く見受けられる。今後の検討課題としたい。
(0.4.2 記述ユニット記入)
・ 用語解説及び索引に合わせ、記述ユニット方式に変える。
(1.2.0.0 記述の意義)
・ 同語反復の感は否めないが、今回はそのままとしたい。
(1.4.3.2D及び2.4.3.2D)
・ 「著作権表示年および製作年…」を「著作権表示年、製作年および序文、あとがき等に表示された年のいずれも…」と修正した方がよい。 ・ 2.4.3.2Dは、2.4.3.1A以下の規定を受けるのだから、指摘のとおり直すべきである。しかし、1.4.3.2Dは、その前の規定に序文、あとがき等についての表現がなく、一般論を述べている箇所だと考えられるので、このままでよいだろう。
(2.1.1.1B)
・ わかりづらい表現なので、「別冊」を削除するか、「別冊として刊行された」と直してはどうか。
・ 単行書と別冊は概念が異なる。同一の箱に入っている付属資料の場合もある。今回は、「別冊の」のすぐ後に読点を入れることで対応したい。ただし、例が適切でないこともあり、引き続き検討課題としたい。
(2.4.1.2A)
・ 例の「京都」は、付記でもあり補記でもあるので、([京都])とすべきではないか。
・ 二重括弧を使用することの是非も含めて、今後の検討課題としたい。
(2.8.1.1B)
・ 「またはシリーズの」以下を削除する。関連して、本文、用語解説及び索引に出てくるISDSは、すべてISSNネットワークに改める。
(6.1.5.2A)
・ 論理的順序という表現はわかりづらい。
・ 著作が成立する時間的な順序を指していると思われる。このままとする。
(13.0.2.2A)
・ 合綴は所蔵者が行う行為であるから、合綴刊行という表現は矛盾している。
・ 和古書の世界では合綴して刊行されるケースがあるため、このような表現を使ったいきさつがある。ただし古色蒼然としている点は否めないので、合冊刊行に改めたい。
(記述付則2 記述の記載例)
・ 資料3の指摘を踏まえるが、ローマ数字は、本則のとおりアラビア数字に改める。
(用語解説の中の、参照について)
・ 「構成書誌単位」などのように、本文では書誌がなく「構成単位」という言い方をしているケースについて、参照項目を立てるか。
・ 参照を立てるのではなく、索引と同じように、構成書誌単位(構成単位)という見出しにする。
(用語解説の中の、書誌階層構造と書誌的記録)
・ 書誌階層構造は、今回の修正では手を加えないことにしたい。書誌的記録に関しては、「目録記入」の説明に「記述、標目、所在記号等」の「等」を加える。あわせて、0.4.2は、「目録用標準カード(75×125mm)を用い、」に続く箇所を、「記述、標目指示、所在記号等を印刷・複製した、記述ユニット・カードを複数作成する。これらの記述ユニット・カードそれぞれに対し、指示に基づいて標目を付加し、目録を構成する記入とする。」に改める。
(用語解説の中の、複製物)
・ 複製物の説明の中にある「原本の点訳図書」を削除する。
(用語解説の中の、複合型目録と目録)
・ 「目録記入」の次に、「、と参照」を挿入する。
(用語解説の中の、目録記入)
・ 「所在記号等」の「等」を付加し、「目録の構成単位となる。」の前に「参照とともに、」を挿入する。
(索引の中の、複製版)
・ 今回は手を加えない。
(渡部満彦氏の指摘について)
・ 付録4 無著者名古典・聖典統一標目表の冒頭にある「萬葉集などの勅撰集(歌集)」という表現は、指摘を踏まえ、「古今和歌集などの勅撰集(歌集)」に改めたい。ただし、修正する際に、図書館整理技術研究会の承諾を得る必要がある。
・ 用語解説の中から、「総称的な語のタイトル」を削除する。
・ 2.8.3.2Aの「¥○○○」は削除して、「定価は、ISBNに続けて、通貨の略語を冠して記録する」と改める。また、これに関連して、13.8.3の「表示のままに、」を削除する。
・ 13.7.3.1オ)の「その」は「当該」に直す。
・ 2.0.6.4の「タイトルおよび責任表示」は「タイトルと責任表示」に改める。
・ 4.1.4.2別法の「注記事項として記録する」は「注記する」に改める。
(その他)
・「コンピュータファイル」を「電子資料」に改める箇所
→ p1(目次)、p19(目次)、1.1.2.1キ)、1.3.0.0Aウ)
・ 1.1.3.1イ) 別原語 → 別言語
・ 5.5.1.2F 「1冊(加除式)」→「○冊(加除式)」
・ p238〜239 辻村敏樹著 → 辻村敏樹編
・ p239 第83巻6号−11号 → 第83巻6号(1989年6月)−11号(1989年11月)
・ p304 J. H. &E. J. フェンドラーの&の後にスペース。
・ p304 ページ付2種以上の記録 → ページ付が2種以上の記録
・ p305 9.7.3.3 → 9.7.3.0ウ)
・ p332 図中の「月刊」(2箇所)を、13.7.3.0ア)の例にあわせて、「刊行頻度: 月刊」とする。
・ p340 「書誌的事項」の解説冒頭の「書誌的」を削除する。
・ p363 特定資料種別の「――一覧表(博物資料)」および「――の数量表示(博物資料)」の掲載ページを削除する。
(第9章について)
・ 資料5の内容は基本的に了承。
・ 9.5.1.1Aの表中の「光磁気ディスク」は、実際にはMOしか該当するものがないので、「光ディスク」に改める。
◎ 上記事項以外は、今回十分な検討ができなかったので、各自、配布された資料に目を通した上、5月中に横山委員までメールで意見を寄せる。
(索引全体)
・ 用語解説もそうだが、特に付録は、第9章関連項目を入れると大幅な変更が必要になる。初刷のファイルに4刷までの修正を反映させた上で、横山委員が資料6のファイルと合体させる方法で対処したい。
(タイトルについて)
・ 前回は、『日本目録規則1987年版改訂版2000年補訂(または修正)』ではどうかと考えたが、具体的な年を入れるのは難しい。また、修正という言葉はNCRの過去の改訂作業で使われている可能性が高い。事務局でタイトルの変遷を確認した上で、結論を出したい。
◎ 6月10日までに、修正作業を終らせる。


◎ 次回委員会は6月23日(土)に開催の予定。13章について検討するとともに、 ISBD(CR)のreviewを行う。