第27期目録委員会記録 No.18
第18回委員会

日時:2000年12月16日(土) 14時〜17時10分
場所:日本図書館協会5階会議室
出席者:永田委員長、原井、古川、増井、室橋、横山、和中
<事務局>磯部

[配付資料]

1.第1章 2.ウェブOPACの現状と課題及び 3.図書館ウェブサイトの設計と展開
(13ページ−A4)(乙骨委員)
2.横断検索システム
(4ページ−A4)(室橋委員)
3.機関種別とシステム業一覧
(1枚−A4)(室橋委員)
4.AACR2 Revision to Rules in Chapter 12
(20ページ−A4)(原井委員)

[連絡事項]
1.第9章改訂版について
 事務局から、第9章改訂版はさらに増刷が必要になっている旨、連絡があった。

[検討事項]
1.『ウェブOPACの原理と技法』(仮題)について
 第1章後半について乙骨委員作成の目次及び原稿案から2−1〜2−5の検討を行い、次いで室橋委員から資料に基づき追加説明があった。
 (2−1日本の図書館の現状)
・経年変化の表についてはグラフ化したほうがよい。
 (2−2アメリカの図書館の概況)
・州立図書館の位置づけを、図書館界におけるイニシアティブ等の面において具体的イメージを持たせて明確にしたほうがよい。
 (2−3その他諸外国の状況)
・各国の状況についてここで説明するというより、その状況を把握する手法を紹介し、かつその内容を説明したらよいのではないか。イギリス、カナダ、オーストラリア、北欧など、全体を見ることができるサイトはあるので、できれば状況そのものを書いてほしい。
(2−4システムメーカーの動向)
・システムメーカーの動向については、どういうメーカーが何を方向性として持っているのか、というようなメーカーへの評価がほしい。今後討議すべきところである。例えば1999年に公共図書館で1位、大学図書館で3位に登場したSagebrushはどんな会社なのか知りたい。
・日本でハードメーカーが安定してシェアを保っているのは、新しい開発がなされてこなかったせいである。日本の図書館システムはネットワークのような新しい技術を選択する方向になっていなかった。これまでハードの対応が遅かったが、現在Web OPACによい環境がようやく整いつつあるとしたい。
IT革命は図書館に届いていない。
 (2−5総合目録としてのウェブOPAC)
・Z39.50は将来性が高いが、総合目録とはいえない。総合目録のウェブOPAC、Z39.50、擬似横断検索の3つに分けて、長所と短所をわかりやすく述べることにする。
 (その他)
・データの収録件数や時期を示しているサイトとないサイトがある。アメリカのサイトにはほとんどないが、ウェブOPACの中身の概要を知るためにはあったほうがいい。上田修一氏の行ったOPAC評価でも基準の1つとしている。これについて書く場合は第1章のどこかに書くのが適当ではないか。

 第1章の1.ウェブOPACとは について永田委員長が口頭で内容を説明した。サービス状況については、サービスシステムの展開を論じ、個別では対応できない増大するネットワーク情報の統合をはかり、今後のOPACの設計につなげるという方向にする。

 ◎今後の予定としては、1月の目録委員会をめどに各自がまとめ、その後書き直しを行い、春に刊行の予定としたい。

 
2.NCR第13章改訂について
 AACR2 第12章改訂案の翻訳について、原井委員から説明があり、NCR第13章の改訂の方向性を含めて協議を行った。
・NCR13章の章名は、AACR2 Chapter12がSerials→Continuing Resourcesとなっているので、これに合わせて逐次刊行物→継続資料としておく。
・また新しく対象となるIntegrating Resourcesについては、13章を2つの部分に分けるなど逐次刊行物とは別扱いで規則化する方法も考えられるが、今の段階ではAACR2改訂と同様に13章の中にとり込んだ形で改訂案を書いていくこととする。
・なおIntegrating Resourcesの訳語はひとまず、「更新資料」としよう。当面使っていた「統合資料」という用語は適当でなく、「加除資料」ではルーズリーフのイメージが強くなり、データベースにはふさわしくない。
・適用範囲は第9章の記述に合わせる。現13章の「あらゆる逐次刊行物を対象とし、その記録媒体の種類を問わない」について、NCRの各媒体を扱った2章〜12章と13章との規則適用の優先性について、議論があるところであり、9章においても同様の問題があった。適用範囲の記述は当面改訂9章に合わせ、必要に応じて他の章への参照を入れる。
・AACR2の改訂では12.0B1で記述の基盤の項目が設けられた。NCRでは、他の章との項番号による体系との整合性から、「13.0.3 記述の情報源」の中に「記述の基盤」を入れこむこととする。
・Bibliographic Resourceの訳語は「資料」でよい。

 
◎次回委員会は1月13日(土)に開催の予定。