発達障害のある利用者に対するサービスで留意すべきこと 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所 発達障害教育推進センター長 笹森 洋樹 1 発達障害の特性の理解 (1) 発達障害の定義(発達障害者支援法) (2) 社会的障壁について ・障害がある者にとつて日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のもの (3) 発達障害の特性 ・自閉スペクトラム症(ASD)かもしれない人の特徴 ・注意欠如多動性障害(ADHD)かもしれない人の特徴 ・学習障害(LD)かもしれない人の特徴 (4) 発達障害の教育的課題 ・スペクトラムな状態像、グレーゾーンの広さ、症状のクロス・ミックス ・成長段階で課題が変わる、社会的障壁で適応が左右される 2 適応上の困難さへの支援 (1) 診断名は一人歩きする ・障害名で特性を判断しない、一人一人の特性を把握する (2) 発達障害は関係性の障害 ・人との関係、ものとの関係がうまくつくれない (3) 適応の困難さへの支援(気づかれにくい障害) ・適応の困難さとは個人と環境との関係のミスマッチ ・個人を環境に合わせる視点と環境を個人の特性に合わせる視点の両面が重要 ・自分のペースだけでは生活できない学校や会社は様々なストレスが生じやすい (4) 二次的な障害の予防、初期対応(日常的な不全感の把握) (5) 社会人の発達障害者への支援 (6) 発達障害の人が安心できる環境 ・2つの場 物理的な場(生活環境など) と 心理的な場(人間関係など) ・4つのサポート  情緒的サポート、情報的サポート、道具的サポート、評価的サポート (7)支援のポイント ・視覚化、具体化、細分化、順序化する。 ・あらかじめ、くりかえし、毎回同じ対応を心がける。 ・本人に対応方法を直接聞く。