第 20 回図書館利用教育実践セミナー(in 東京)のご報告
情報リテラシー教育の理念と実践について考えるセミナーを開催
―館種を超えた学びの機会に―  春田和男(東京家政大学)

日本図書館協会(企画・運営:図書館利用教育委員会)は3月13日(日),同協会にて,標記のセミナーを開催した。
今回のテーマは「館種を超えた情報リテラシー教育の枠組みづくりに向けて:図書館で体系的に育む「生きる力」~実践からヒントをつかむ~」である。
情報リテラシーは,単なる情報を探索する技術ではなく,幼児期から高齢期まで生涯にわたる「社会を生き抜く力」と位置づけられるものであり,近年,図書館では,高大接続,キャリア教育,職場体験など,館種を超えた実践がみられるようになってきた。
そこで,本セミナーでは,情報リテラシー教育について,改めて理念を問いつつ,図書館界全体として何ができるのか,何をすべきなのかについて,注目すべき実践事例を通して考えた。
発表は次の4件である。
1)野末俊比古氏(青山学院大学)「国内外における情報リテラシー教育の枠組みをめぐる動向」,
2)森いづみ氏(お茶の水女子大学附属図書館)「館種を超えた情報リテラシー教育の可能性大学図書館の実践から:お茶大の高大接続を中心に」,
3)富永香羊子氏(千葉県市川市教育委員会)「生涯学習を視野に入れた学校図書館における情報リテラシー教育の展望」,
4)松田ユリ子氏(神奈川県立田奈高等学校学校司書)「生徒の自立した豊かな生活への支援プラットフォームをつくる:神奈川県立田奈高等学校図書館のとりくみ」。
その後,質疑応答や意見交換が活発に行われた。
今回のセミナーには,各館種の図書館職員など41名が参加し,異なる館種から学ぶところがあった,などの声が聞かれた

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