発行再開のご挨拶
次のステージに向けて

委員長 野末俊比古(青山学院大学)

本年もよろしくお願いいたします。当委員会の活動にご理解,ご協力をいただき,ありがとうございます。

当委員会は,図書館における利用教育の普及・啓発を目的として,25年以上にわたり,「ガイドライン」や「ハンドブック」の作成,教材開発への協力,セミナーの企画・運営など,さまざまな活動を展開してきました。 近年,図書館界において,情報リテラシー教育に果たす役割の重要性は広く認識されるようになり,各図書館における実践も定着し,研修の機会なども増えています。

かかる状況を踏まえ,委員会として果たすべき役割を再検討し,方針・体制の再構築を進めています。例えば,発表から15年以上が経過した「ガイドライン」の見直しに取りかかっています。数年前から,図書館大会における分科会の企画・運営は,毎年の担当を止め,必要時のみとしていましたが,これに加えて,京都で毎年,開催し,好評を博していたセミナーについてもいったんお休みをいただき,ガイドラインの見直しに注力する方向を取らせていただいています。

セミナーのお休みについては,ご期待くださっている皆さまには,あらためてお詫びいたします。じつは,昨年度,諸事情が重なり,委員会活動を計画どおりに進めるのが難しい状況になったことも理由のひとつです。しかしながら,委員会OB/OGはもとより,大変多くの皆さまのご支援により,昨年度の全国図書館大会分科会は開催することができました。今年度の分科会は,大学図書館部会と合同開催というかたちで進めることができました。あらためて関係の皆さまには,お詫びとお礼を申しあげます。

委員会では,今年度を再出発の時期ととらえ,委員の交代を含めて、今後の展開に向けて下地を固めてきました。次年度は,ガイドラインの見直し(具体的には,ガイドラインに代わる枠組みづくりを検討しています)に向けて,図書館界全体としての機運を高めるため,着実に活動を進めていきたいと思います。まずは,今年度中にセミナーを開催し,次年度からの本格的検討の足がかりとしたいと思います。本号にて,セミナーの開催案内(第一報)をお届けします。ぜひご予定くださいませ。

図書館を取り巻く環境が変わっていくなかで,情報リテラシー(教育)への貢献は,中核となる使命としてますます重要度を増していると思います。図書館は,情報リテラシー(教育),ひいては現在および今後の情報社会における私たちの生活に不可欠なものであるという理念を確固たるものにできるよう,図書館界全体としていっそうの取り組みを進めていく必要があるのではないでしょうか。委員会としても,しかるべき役割を果たしていきたいと思っています。

委員会(委員)のみで活動するのではなく,なるべくオープンなかたちで,図書館界全体の経験と知恵を集約できるような仕組みづくりを工夫していきたいと思っています。皆さまにもご支援をちょうだいする機会が増えるかと思います。委員会に関するご意見は、いつでも歓迎しております。どうぞよろしくお願いいたします。