第14回図書館総合展フォーラムのご報告

倉部史記氏と江頭晃子氏による講演を横浜で開催
   ―91名の参加者が集まり,活発な質疑応答が行われる―    

春田和男(東京家政大学)

日本図書館協会(企画・運営:図書館利用教育委員会)は,2012年11月20日,パシフィコ横浜にて第14回図書館総合展フォーラムを開催した。
テーマは「生涯にわたって学び,考え,集える図書館をめざして―館種の壁を越えた情報リテラシー教育のプロデュース―」である。
野末俊比古委員長(青山学院大学)の開会挨拶,石川敬史委員(十文字学園女子大学)による趣旨説明ののち,倉部史記氏(NPO法人NEWVERYフェロー)と江頭晃子氏(市民活動サポートセンター・アンティ多摩)による講演が行われた。
倉部氏は,進路発見・進路選択の現場から見た高校生の情報リテラシーを事例として取り上げて講演を行った。高校生の周りにある進路情報としては,大学のパンフレットやウェブサイト,教育情報産業の媒体,周りの大人の意見が挙げられるが,高校生自らがそれらの情報を検証することが大切であると指摘した。そのために,図書館には,情報の検証の仕方を考えさせるような取り組みを行うことを期待している。
江頭氏は「ミニコミ誌・市民活動からの発信~収集・保存・活用をめざして~」と題して,講演を行った。ミニコミとは,マスコミの対語の造語で,特定少数を対象とする情報の伝達方式のことであると定義したうえで,ミニコミ・市民活動資料の収集,保存,提供について解説した。最後に,図書館がこれらの資料を収集することの大切さを指摘した。
この2件の講演後には,質疑応答が活発に行われた。今回のフォーラムには,各館種の図書館職員など91名が参加した。

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