第13回図書館利用教育実践セミナー(in 京都)のご報告

「情報サービス専門家としての能力開発を!」開催

戸田光昭(駿河台大学名誉教授)

「図書館員のメディア活用力を問う―アニメ世代にどう教えるか―」というテーマで,JLA利用教育委員会による恒例の京都セミナーが,3月14日(土)9時30分から13時までJR京都駅前のキャンパスプラザ京都で行われ,139名の参加者があった。
その評価は,大変良い43.3%,良い47.8%,普通6%,無記入3%と,「良い」評価が90%を超えた。参加者の職業は,図書館員76%,教員14%,学生1%,会社員2%,その他2%,記入なし4%であった。

毎年好評のセミナーであるが,今年は「アニメ」世代をテーマに含め,中学校・高等学校図書館からの報告を取り入れたこともあって,学校図書館関係者の参加が増加した。

講師と演題は,京都学園大学の有吉末充さんによる「若者とアニメの特別な関係―アニメのリテラシーから学ぶ―」,椙山女学園高・中図書館の天野由貴さんによる「高校から大学への情報リテラシー教育をつなぐ―『図書館戦争』をメディア読解の教材に変える―」であった。
さらに,仁上幸治さん(早稲田大学図書館)は「教える側の表現力は大丈夫か」と題して最初に問題提起を行った。

有吉さんは,アニメの定義,発達史(「相関概略図」が貴重),日本のアニメの特徴などを簡潔に述べ,天野さんは,『図書館戦争』を事例とし,実践している「図書館メディア・オリエンテーション問題・解答用紙」の紹介をした。最後に質疑応答で,活発な討論が行われた。

出典:戸田光昭「第13回図書館利用教育実践セミナー(in 京都)「情 報サービス専門家としての能力開発を!」開催」『図書館雑誌』Vol.103, No.5, 2009.5, p.273.

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