第10回図書館総合展フォーラム講演会の報告

多メディア時代の図書館にふさわしいアニメのつきあい方を

青木玲子(埼玉県男女共同参画推進センター)

日本図書館協会(企画・運営;図書館利用教育委員会)は,11月28日,有吉末充氏(京都学園大学)による講演会「アニメリテラシー―アニメを映像メディアとして読み解く」を開催した。
アニメは,子ども,ヤングアダルトから,さらに中高年にまでに観客は広がり,今日の情報メディアについて考えるとき,「アニメ」を避けて通ることはできない。
はじめに講師は,なぜ今,アニメリテラシーなのかと問いかけた。アニメの発達史をふり返り,その読み取り方の新しい視点を提供した。
日本アニメが国際的評価を得て,日本を代表する文化となり,表現を発達させたプロセスを映像とともに語った。文化としてのアニメや子供とアニメの関係についても分析があった。
アニメ評価の現状と問題点を明らかにしてすぐれた作品を紹介し,新しい創造力を養うことを今後の多メディア時代の図書館の課題として結んだ。

大学図書館員に加えて今回の参加者は,アニメに魅せられている人,研究者,企業人,学生と多様であった。映像を使ったプレゼンのわかりやすさ,面白さに評価が多くあり,「アニメ映像を文化として受け入れるきっかけとなった」「図書館とアニメの視点が面白かった」「青少年向けのアニメの分析,対応が聞いてみたい」「アニメを冷静に語るというのは珍しい」との感想が寄せられた。

通信72号目次← →次の記事へ