第11回図書館利用教育実践セミナーの報告

第11回図書館利用教育実践セミナーを京都で開催
     ―今年も関西の図書館関係者が多数集合!―

木下みゆき(大阪府立女性総合センター)

日本図書館協会(企画・運営:図書館利用教育委員会)は,2008年3月16日,キャンパスプラザ京都において実践セミナーを開催した。関西での開催は3年目である。
今回は「指導サービスの次のステージへ!」というテーマのもと,当委員会の元委員2人と現委員1人を講師に迎えた。
まず丸本郁子氏(大阪女学院短期大学名誉教授)が「『力』とするための工夫:教員からのヒント」というテーマで,大阪女学院短期大学での長年にわたる実践を踏まえ,力とするための要素と仕掛けなど図書館員と教員双方の課題を浮き彫りにする講演を行った。
続いて,有吉末充氏(京都学園大学)が「情報に批判的読解をどう教えるか:司書に求められる情報評価力」というテーマで,図書館の情報リテラシー指導が文献探索法のとどまっていることへの問題を提起し,利用教育に情報評価を取り入れる必要性などついて講演した。
最後に,仁上幸治氏(早稲田大学)が「利用者はなぜ論文検索ができないのか:躓かせないための4つの指導ポイント」というテーマで,実例をふんだんに用いて利用者プロファイルの転換を強調した。指導ポイントとしては,便利さを実感してもらうこと,利用者の動機や課題およびシステムを疑うことを述べた。

セミナーには,関西の多数の大学を中心に各館種の図書館員や教員など昨年を大幅に上回る150名が参加した。アンケートでは,「図書館利用教育をすすめていく上で非常に勇気づけられた」「批判的読解力について体系的な話が聞けて,今後に役立つと思う」などの感想が寄せられた。

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