第5回「フライデーナイトセミナー」報告

情報検索指導法の改善に館種を超えて高まる関心 (small)
―聞く人の気持ちへの想像力を拡げよう―

2005年5月27日(金)開催 (於:日本図書館協会)
講師:仁上幸治(図書館利用教育委員会委員,早稲田大学図書館)

<CUE>利用教育委員会通信』58,2005年7月6日発行より

当委員会は,5月27日(金),日本図書館協会研修室にて,「情報検索指導における良い例題・悪い例題~素材を集め問題を作り要点を説明する方法~」と題し,第5回フライデーナイトセミナーを開催しました。
今回は,図書館による情報リテラシー教育の中で,情報検索指導の機会が増えてきたことから,仁上幸治氏(早稲田大学図書館)が,情報検索指導における良い例題・悪い例題の実例を紹介し,素材の集め方から説明の仕方まで,実践上のポイントを提示しました。
講演では,(1)イントロにおける映像・画像の活用,(2)視線のコントロール,(3)解けない例題の活用,(4)教科書の例題の作り直し,(5)電子情報源の利用,(6)ポータルサイトの提示,(7)ノイズとトランケーションの理解,(8)浅い問題を深く味わう解説,(9)身近な意外性のあるテーマでの問題作成,(10)自分が好きなテーマでの例題作成,(11)オリエンテーションと講習会の改革,(12)ソースアプローチからプロセスアプローチへの変更,(13)プレゼンテーションの改善,の13の提案が行われ,例題は聞く人の気持ちで作ることが大切であると指摘されました。
講演の結びでは,ホームページやメーリングリストを活用した例題バンクのアイディアが提案されました。
講演後には,質疑応答や意見交換が行われました。
このセミナーには,大学,公共,学校,専門図書館の職員など計106名が参加しました。
セミナー後のアンケートでは,「セミナーに参加して良かった」という回答が全体の87.6%を占めました。
自由記述欄には,「目からウロコ」「眠くならないセミナーは初めて」「楽しくて元気が出た」「プレゼンの勉強にもなった」「2時間では短かすぎ」「次回は専門分野の各論を」「実習形式でやってほしい」などの意見が寄せられました。