第13回「図書館利用教育実践セミナー」(in京都)のお知らせ

図書館員のメディア活用力を問う-アニメ世代にどう教えるか-

指導サービス専門家としての能力開発を!
2009年3月14日(土)9:30-13:00

アニメ世代の利用者にとって、図書館員が作成する各種の広報媒体、配付資料、スライド、ビデオ教材などは魅力的でわかりやすいだろうか。図書館員は情報の探索・整理の領域だけでなく、表現・発信の領域でもプロとしての技を磨く必要がある。アニメ世代の利用者特性を意識した情報リテラシー教育の実践事例から、各種の教材の作り方や指導するコツを学びたい。二本の講演と質疑応答の中で、図書館員のメディア活用力を見直し、集客力と指導力を強化するための新しい視点を提示し、図書館員の能力開発問題について今後の取り組みの方向性を確認したい。自由活発な討論に多数ご参加を!

コーディネーター【問題提起】
仁上幸治(早稲田大学図書館)
教える側の表現力は大丈夫か-広報と教材の質を上げるには
図書館利用者と一口に言っても、実態はメディアの好みも活用行動も多種多様である。特に、メディアの受容や発信を生活の一部として育ってきた新しい利用者層はメディアを見る目が肥えている。
彼らに対して図書館側が提供する広報や利用教育教材の各種メディアの最適な形はどんなものか。思えば、司書課程では資料としてのメディアの選択・収集・管理については学んだとしても、手段としてのメディアをどう作るかはほとんど習ったことがない。現場の実務で必要不可欠なのに身についていない表現能力を私たちはどう獲得していけばよいのか。司書養成や研修における専門性論議に一石を投じてみたい。

講演1【理論編】
有吉末充(京都学園大学,図書館利用教育委員会委員)
若者とアニメの特別な関係-アニメのリテラシーから学ぶ
『図書館戦争』のアニメ化をきっかけに、中・高校生たちが図書館に押し寄せたという現象は、アニメというメディアが若い世代にいかに大きな影響力を持っているかを再認識させた。
アニメはマンガやゲームとともに、いまや若者にとってなくてはならないメディアとなりつつある。
日本のアニメは欧米のそれとは表現や内容の上で明らかに異なる特徴を持っているが、なぜアニメは日本でこのように独自の発達を遂げたのだろうか。
今回はアニメの発達史を俯瞰しながら、日本でアニメがここまで発達した理由はなにか、世界中の人々若者が日本のアニメに魅せられるのはなぜかを考えていく。
若者がメディアに何を求めているのかを知ることは、サービスや広報活動を行う上でも重要なヒントを与えてくれるはずだ。
アニメをメディアとして分析する作業を通して、アニメ世代の人々がメディアに何を期待しているのかを知り、彼らに何かを伝えていくことはどのようにして可能となるのかを探ってみたい

講演2【実践編】
天野由貴(椙山女学園高・中図書館,図書館利用教育委員会委員)
高校から大学へ情報リテラシー教育をつなぐ
『図書館戦争』をメディア読解の教材に変える
今、学校図書館では、メディア活用能力を育成するさまざまな取り組みが行われている。
しかし、その取り組みは学校によって異なり、学校間格差を生んでいることも事実である。
さまざまな情報リテラシー教育の背景を持つ生徒が大学に進み、新たな情報リテラシー教育を受けるが、その内容は、彼らの背景を反映し個別化されたプログラムなのだろうか。
父親を斧で殺害した少女の事件によって突然アニメ放送が中止になった。
中高生に大人気の『図書館戦争』の世界のように、国家がメディアを規制するかもしれない。
生徒たちは、「知る権利」「子どもの権利条約」「メディア規制」「表現の自由」など、これらのキーワードからメディアを活用し情報を読み解き、自らの疑問に答えを出した。
その土台は情報リテラシー基礎教育「図書館メディア・オリエンテーション」。
その実践から、高校から大学へどのように情報リテラシー教育をつないでいったらよいのか、そのヒントを提供したい。

第13回図書館利用教育実践セミナーポスター[PDF]
  *ぜひ,ご興味のある方やお知り合いへのご周知にご活用ください!

  
  
《図書館利用教育実践セミナー》参加申込書:第13回[2009年3月14日(土)]
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