『基本件名標目表第4版』標目追加(案)第1次について

はじめに

 1983年に刊行された『基本件名標目表第3版』を改訂した「第4版」(以下「BSH4」とする。)は、1997年段階までに出版された資料等を対象として標目の選定を行った。委員会ではBSH4刊行後は、そのCD-ROM版作成に力を傾倒することとし、標目追加作業は緩やかに進めることにしていた。CD-ROM版は、予測以上に時間がかかってしまったが、2002年12月やっとのことで世に問うことができた。
 この間に進めてきた1998年以降に出版された資料等を対象とする「追加標目候補」について、(案)を逐次公表し、関係各位の意見を聞きながら相当の程度がまとまったところでBSH4の改訂版を作成する心積もりである。提示する(案)の中には委員会内の「異見」も表示してある。関係各位の率直なご意見を委員会にお伝えいただくことをお願いする。

「追加標目候補」選定方針

 BSH4の「標目選定方針」を踏襲する。
 選定の素材となる資料等は『選定図書総目録』に収録されたものとした。
 CD-ROM版刊行の事実を踏まえて、次のような点について改めて強調しておきたい。
@ 実際に刊行されている図書(単行資料および物理単位の資料)を主な対象とする。その結果、概念としては必要と思われるものでも追加されていないことになる。
A 個々の図書館において主標目と細目をそれぞれ独立して付与し、それらを事後に結合して特定の概念を表示できる事後結合方式の導入可能性を考慮した。(案)に提示したものでは「主標目−細目」を「一つの標目」として認識してほしい。
B 作業にあたっては『国立国会図書館件名標目表第5版』(NDLSH)を参考とし、形の統一を図るようにしたが、採用しなかったものについては「参照語」として掲げるようにした。
C BSH4で新たに作成した『階層構造標目表』の構造を維持する。

今後の追加標目候補選定作業について

 日本図書館協会のサイトにある本委員会のページで公表するとともに、意見を本委員会宛の電子メールによって求める。
 それらをもとに委員会で検討を加え、逐次、追加標目を確定し、それらも本委員会のページで公表する。そのフォーマットはCD-ROM版と整合性を持たせる。
 今回の追加標目候補(案)は、第1次であり400件足らずである。これらは1998年〜1999年刊行の資料が対象なので、第2次では2000年を対象に150件程度、さらに第3次では2001年刊行分を対象として同じく150件程度を予定している。
 このほかに『出版年鑑2002年版』および2002年3月下旬号以降の『出版ニュース』収載の「件名標目」について検討を加え、追加標目候補に採録を検討する。

追加標目候補(案)第1次

番号 典拠資料の刊行年次下2桁+『選定図書総目録』収載ページ+一連番号
件名標目 件名標目候補、参照標目候補(→で件名標目候補を指示)
NDC8 NDC8版による分類記号、2つ以上あるときは「;」で区切る
NDC9 NDC9版による分類記号、2つ以上あるときは「;」で区切る
「+」をつけたものはNDC9版において新設された分類記号である
TopTerm BSH4の『階層構造標目表』での最上位標目
BroaderTerm より上位の件名標目。BSH4に収録されたものが多い
NarrowerTerm より下位の件名標目。BSH4に収録されたものが多い
Note注 委員会が検討するにあたって付けた注で、標目付与にあたっての留意点 ともなる
SeeAlso 「をも見よ」参照
典拠資料 標目候補とする典拠となった資料を示す
NDLSH 『国立国会図書館件名標目表第5版』で対応するもの
検討結果 委員会としての結論(○:採用、△:BSH4の修正)、委員会内の異見 も記録した

項目の間は「\」で区切った。\が続く場合は、対応する項目が空白の場合である

番号\件名標目\NDC8\NDC9\TopTerm\BroaderTerm\NarrowerTerm\Note注\SeeAlso\典拠資料\NDLSH\検討結果