====================================================<2010/3/31発信>   JLAメールマガジン 第497号 =====================================================================  編集発行:社団法人 日本図書館協会   Copyright,2010 Japan Library Association  無断転載転送を禁じます    JLAホームページアドレス http://www.jla.or.jp/ ===================================================================== ▼目次▼  ■図書館界ニュース  ■新聞記事より  ■集会等のお知らせ  ■求人情報  ■JLAからのお知らせ --------------------------------------------------------------------- ◆図書館界ニュース ○国立国会図書館が法務省「実務資料」の利用制限を大幅解除  国立国会図書館は2月25日、蔵書『合衆国軍隊構成員等に対する刑事裁判権  関係実務資料』(1972年3月、法務省刑事局作成)の利用制限を大幅解除す  ることを決定し、翌26日に実施した。この利用制限は法務省からの要請によ  り、2008年11月から法務省が被覆(墨塗り)した同書の複製を一般の利用に  供していたもので、決定は被覆をジラード事件など刑事裁判の被告米兵や被  害者の個人情報に限定するものである。  3月24日日本図書館協会図書館の自由委員会は国立国会図書館に赴き、事情  を聴いた。説明によると、決定内容は利用制限措置をとることができる資料  を定めた同館の「資料利用制限措置等に関する内規」の同書への適用を、国  や公的団体が公開制限を決定した資料(4条の4)から「人権を侵害すること  が客観的に明らかである資料」(4条の1)に変更するというものである。  内規は、利用制限措置に「影響を及ぼすような社会的事情の変化があったと  認めるとき」は再審議することを定めている(10条)。利用制限を大幅解除  した理由について同館は、同書の利用制限措置を巡る裁判が係争中であり詳  細説明は控えたい、利用制限措置で本件資料の20%程度は非開示だったが、  国会の質疑答弁などで非開示部分がより限定されてきた状況があると説明し  た。国会では、2009年6月17日、衆院外務委員会で、委員長の指示により被  覆された部分の一部が読み上げられ、全被覆を外した本件資料が理事会に提  出されたこと、同年6月23日の参院内閣委員会で、外務省が当該部分の扱い  を米側と協議し、その結果に応じ法務省も国会図書館に対して必要な申入れ  をすると答弁するなどがあった。  協会は2008年9月、国立国会図書館に利用制限の早期解除と内規の見直しを  要請していた。http://www.jla.or.jp/kenkai/20080910.pdf ○司書および司書補の講習実施大学  平成22度の司書講習実施大学が官報で告示された(3月30日付 本紙第5282号)。  http://kanpou.npb.go.jp/  次の12大学・短期大学で実施される。詳細は各大学へ問い合わせのこと。  富士大学、聖学院大学、聖徳大学、亜細亜大学、明治大学、鶴見大学、中部  学院大学、愛知学院大学、滋賀文教短期大学、桃山学院大学、広島文教女子  大学、別府大学。  なお、実施大学一覧は文部科学省のホームページにも掲載される予定。  http://www.mext.go.jp/a_menu/shougai/gakugei/shisyo/index.htm ○岐阜県図書館の管理部門に指定管理者制度導入を提起  昨年の知事選挙の際、住民団体から県図書館の指定管理者制度導入について  の公開質問があった岐阜県では、2012年度(平成24年度)より「(隣接する)  美術館と一体的に管理部門へ指定管理者制度を導入」するとの提起がされて  いる。  古田知事は、一昨年12月の県議会定例会で「図書館につきましては、中核的  機能を担う業務については、あくまで県直営とすることは当然」とする一方、  「施設の維持管理業務など、中核的機能以外の部分について、指定管理者制  度導入の可能性あるいは導入の是非について、選択肢の一つとして検討をす  る必要がある」と答弁していた。これを受けて「中核的業務」の範囲(カウ  ンター業務が中核的業務に含まれるか否か等)について検討が重ねられてき  たが、2月20日「行財政改革アクションプラン(案)」が策定され、方向性が  示された。  そのなかで「公の施設等の見直し」については「管理手法等についても、指  定管理者制度の導入による維持管理経費の見直しを行う。」とあり、県図書  館は「指定管理者制度を導入する施設(一部を含む)」に位置づけた。図書  館とともに挙げられたのは長良川球技場、県博物館、県美術館など、計7施  設。  また同図書館では、新しい時代にふさわしい中核図書館に生まれ変わるため  の「岐阜県図書館改革方針」および「岐阜県図書館改革アクションプラン案」  をまとめた。  アクションプラン(案)は、  http://www.pref.gifu.lg.jp/pref/s11127/suishinhonbu/actionplan.htm  岐阜県図書館改革方針、岐阜県図書館改革アクションプラン案は、  http://www.library.pref.gifu.jp/gaiyo/actionplan.htm  知事選挙の公開質問については、本メールマガジン436号(1月7日)掲載。 ○大阪府議会が子ども読書活動推進について意見書を採択  大阪府議会は3月24日「子どもの読書活動を推進するための予算確保を求め  る意見書」を採択、国会および政府に提出した。文字・活字文化振興法の制  定・施行5周年にあたる「国民読書年」に際して政府は、子ども読書応援プ  ロジェクト事業の廃止、子ども読書活動関連予算を大幅に削減したこと、読  み聞かせなどの読書活動を行うボランティア団体に助成金を支給している官  民出資の「子どもゆめ基金」も政府出資金100億円が全額国庫返納となった  こと、これらは「国民読書年」の国会決議にもとるものであると指摘し、国  会および政府は、「政官民協力のもと、国を挙げてあらゆる努力を重ねる」  という国会決議を真に履行し、子どもの読書活動を守り育てていくため、子  どもの読書活動を推進するための十分な予算を確保するよう強く要望する、  と述べている。  意見書は衆参議長、および内閣総理大臣、文部科学大臣、内閣官房長官宛て  に大阪府議会議長名で出された。  全文は、http://www.pref.osaka.jp/gikai_giji/h2202/2202-10ikensho.html ○大阪府が創作物の「児童ポルノ」実態調査を提起  大阪府は「青少年を性的対象として扱う図書類の実態把握・分析」を行うこ  とを明らかにした。児童ポルノ(インターネット上の流通実態等)、青少年  を性的対象として扱う図書や視覚描写物などの実態、青少年育成関係者の課  題認識を把握したうえで、調査結果を検証、分析し、規制の必要性等を検討  するための基礎資料を作成する、としている。  説明のなかでは、大阪府の青少年育成条例の現状や東京都条例の改正案の概  要を挙げ、また女性向けコミック誌やボーイズラブの規制など大阪府の運用  状況を挙げている。 ○大学の「市場化テスト」について学習会を企画  東京地区大学教職員組合協議会は大学の「市場化テスト」について学習会を  企画、準備をしている。内閣府官民競争入札等監理委員会が「国立大学法人  施設の管理運営」「国立大学法人の事務」を見直しの対象とし、内閣府公共  サービス改革推進室および官民競争入札等監理委員会から各国立大学の財務  担当理事あてに「国立大学法人における公共サービスの改革状況に関する調  査について」依頼され、推進室はその調査結果をとりまとめ、また監理委員  会は首都圏7大学のヒアリングを内閣府HPに掲載した。6月までに市場化  テストの対象事業の選定を行っているが、これは、大学の教育研究活動と不  可分の関係にある図書館業務や施設管理運営業務に、包括的な民間委託をす  るための「市場化テスト」を導入しようとするものであり、国立大学の運営  そのものを根本から覆すものになりかねないとして、その理解を深めるため  に実施されるものである。  詳細は、http://www.shutoken-net.jp/topics/2010shijoka.html ○読書バリアフリー法集会でアピール採択  障害者や高齢者が読書に親しめる環境づくりを盛り込んだ「読書バリアフリー  法」の制定を目指す集会が3月24日、国会内で開かれ、国民読書年にあたる今  年中の成立を求めることを決めた。集会は、超党派の活字文化議連や文字・  活字文化推進機構などが主催し、民主、共産両党の国会議員13人や障害者団  体関係者が参加した。  また集会は、本は障害の有無や年齢、身体的条件に関わらず、全ての国民が  等しく共有できるものでなくてはならない、これらの崇高な資産を平等に電  子媒体、拡大文字、点字、音声といった知覚可能な方法で提供していくこと  は共生社会の中で極めて重要な意義を持つ、障害者情報提供施設やボランテ  ィアに頼りがちであった読書困難者への情報保障を改善し、事業者や図書館  などとともに全ての国民が全ての図書にアクセスできるような読書環境を目  指していくことが望まれる、よって読書のバリアフリー化を推進するような  法制度の制定を求めることを宣言するとのアピールを採択した。 ○名古屋市の自動車図書館が存続  名古屋市の河村たかし市長が編成した新年度予算案について、同市議会は3月  24日修正予算案を可決した。可決された修正予算には河村市長のマニフェス  トに関連する予算を減額し、また原案でカットされていた廃止予定の自動車  図書館などの市民サービス関連の事業を復活させている。 ○警察庁、足利事件に関連して『平成4年版警察白書』の取扱いを要請  3月26日日本図書館協会事務局長宛に、警察庁長官官房総務課長名の「平成  4年版警察白書における不適切な記述に係る取扱いについて」と題する事務  連絡があった。  内容は、平成4年版警察白書にある足利事件に関する記述について、被疑者  とされていた男性の個人のプライバシー保護の観点から適切を欠く表現が含  まれるので、『本白書中、プライバシー保護の観点から適切を欠く表現があ  りました。29頁11行目「結果的に」から同頁18行目「このように、」までを  削除します。』という注意書きの貼付を求めるものである。  詳細については、警察庁長官官房総務課・岡田 TEL:03−3581−0141(内   線2142) FAX:03−3581−0559  E-mail:yokada08★npa.go.jp   ○4月30日は図書館記念日  4月は図書館、読書に関わるいくつかの記念日が制定されており、国民読書年  と併せて、それぞれキャンペーンなどが実施されます。  <4月30日>図書館記念日  日本図書館協会が図書館法施行の日を記念して制定。  http://www.jla.or.jp/kinenbi.html  ご好評をいただいている日本図書館協会作成の「図書館記念日・図書館振興  の月」のポスターは、施設会員および都道府県立図書館・図書館協会には3月  中旬に配布いたしました。今年の原画デザイナーは植田真氏。  画像はこちらからご覧ください。http://www.iruka.net/10poster.html  図書館記念日を記念してJLA出版物の特別セールも実施中です。  http://www.jla.or.jp/bargain2/index.html  そのほか次のような行事があります。 <4月23日>子ども読書の日  子どもの読書活動の推進に関する法律」により制定。  http://www.mext.go.jp/a_menu/sports/dokusyo/  実施内容については図書館雑誌3月号「霞が関だより」もご覧ください。 ・World Book and Copyright Day(世界本の日)   1995年にユネスコ総会で決定  http://portal.unesco.org/culture/en/ev.php-URL_ID=5125&URL_DO=DO_TOPIC&URL_SECTION=201.html <4月2日>国際子どもの本の日  アンデルセンの誕生日にちなむ。IBBY(国際児童図書評議会)が制定   http://www.jbby.org/ibby/activities08.html <3月27日〜4月9日>絵本週間  主催/絵本週間推進協議会。国際子どもの本の日をはさんで2週間。 <4月23日〜5月12日>こどもの読書週間  主催/読書推進運動協議会。今年の標語は「たんけんしたいな 本の森」   http://www.dokusyo.or.jp/ <5月>図書館振興の月  4月30日の図書館記念日に続く5月の1か月。 --------------------------------------------------------------------- ◆新聞記事より(地域版含む) ○〔2010年度 市予算案〕[神戸]市立図書館全11館に自動貸出機を順次導入   ICタグ張り付け 12年度は東灘(神戸2/23) ○学生が小説、絵本選ぶ [島根]県立大短大部松江キャンパス 図書館 コー  ナー設け貸し出す(山陰中央新報2/23) ○図書館分館廃止見送り 八重山 県教育長「意見交換する」  (沖縄タイムス2/23) ○市立潮来図書館に指定管理者導入へ 潮来市(茨城2/25) ○小学校から大学院まで一貫教育 高槻に関大キャンパス 児童図書館も設置   社会貢献型 地域防災の拠点に(毎日<大阪>2/25) ○ビジネスにも使って [大分]県立図書館 関連本を充実、無料で経営相談   28日に活用セミナー(大分合同2/26夕) ○利便性向上へ休館日廃止 福山市図書館全7館で実施 新年度から 直営方  針は変えず(中国2/27) ○香川・まんのう町 中学PFIと併せ「行革」 施設保守点検や臨時職員雇用な  ど 民活方式で実施 アドバイザーに日本経済研 [図書館など]  (日刊建設工業3/1) ○初代図書館お別れ 豊前市 親しまれた19年 新館移転へ(朝日3/1) ○大迫図書館業務を再開 総合支所へ移転 利便性向上 利用者増に期待   花巻(岩手日日3/2) ○電子本普及へルール作り 総務省など 著作権・流通を研究へ(読売3/3) ○読書離れ予防 全小学校に司書 立川 お薦め本陳列 利用倍増も(読売3/5) ○公務委託見直しの動き 駅や図書館 労働条件悪化で 待遇めぐり労使交渉   「人材育てる場」確保 公務員定数削減問い直す時期だ(朝日3/13)   --------------------------------------------------------------------- ◆集会等のお知らせ ○JUNKUトークセッション『千代田図書館とは何か』(ポット出版)刊行記念  「新しい公共空間としての図書館」  日時:2010年4月15日(木)19:00-  会場:ジュンク堂書店新宿店8Fカフェテラス  入場料:1000円(ドリンク付)定員:40名  対談:柳与志夫氏(国立国会図書館),小林麻実氏(アカデミーヒルズ六本木   ライブラリー)  詳細HP:http://www.junkudo.co.jp/tenpo/shop-shinjuku.html#talk-shinjuku  申込先:ジュンク堂書店新宿店(TEL.03-5363-1300) ○日本図書館協会北海道ブロック研修会  主催:日本図書館協会 主管:日本図書館協会北海道ブロック研修会実行委員会  日時:2010年4月17日(土)12:00-17:00  会場:札幌市中央図書館3階講堂  資料費:500円(実費)申込締切:4月13日(火)  内容:基調講演「図書館の今日的課題」,報告「公益社団法人認定に向けて、   日本図書館協会認定司書について」ほか,提言・意見交換「都道府県立図書館   への指定管理者制度導入の問題点」常世田良氏(日本図書館協会事務局次長)  申込方法:氏名,所属,懇親会参加の有無を明記の上FAXかE-mailで申込  申込・問合先:札幌市清田図書館・森昌彦(TEL.011-889-2484 FAX.011-889-2485   E-mail:mori.masahiko★city.sapporo.jp) ○日本アーカイブズ学会 2010年度大会  期日:2010年4月24日(土)〜25日(日)  会場:学習院大学  参加費:会員1000円(学生会員800円)/非会員1500円*事前申込不要  内容:【24日】記念講演「時を貫く記録としての公文書管理の在り方〜今、   国家事業として取り組む」上川陽子氏(初代公文書管理担当大臣)【25日】   自由論題研究発表会,企画研究会・テーマ「公文書管理法がもたらすアーカイブズ   学の課題〜“レコードスケジュール”を中心に」  詳細HP:http://www.jsas.info/modules/news/article.php?storyid=40  問合先:日本アーカイブズ学会事務局(E-mail:office★jsas.info)  図書館イベントカレンダーは下記でご覧ください。  http://www.jla.or.jp/calendar.html  http://wwwsoc.nii.ac.jp/jla/calendar.html   --------------------------------------------------------------------- ◆求人情報 ○獨協医科大学図書館 正職員(司書):1名  応募締切:2010年4月12日(月)必着 ○名古屋大学附属図書館 パートタイム勤務職員:1名  応募締切:2010年4月16日(金)必着 ○登別市職員「キャリア採用」(図書館長)試験 司書:1名程度  応募締切:2010年4月20日(火)必着  http://www.city.noboribetsu.lg.jp/g_top.html  求人情報の詳しいことは下記でご覧ください。  http://www.jla.or.jp/job.htm  http://wwwsoc.nii.ac.jp/jla/job.htm   ---------------------------------------------------------------------   ◆JLAからのお知らせ ○JLA新刊 ・情報リテラシー教育の実践 −すべての図書館で利用教育を− (JLA図書館  実践シリーズ 14) 日本図書館協会図書館利用教育委員会編 2010.3   180p B6判 定価1890円 ISBN978-4-8204-0925-0  http://www.jla.or.jp/publish/bindex.html 委託販売本 ・参考書誌研究 第72号 特集リサーチ・ナビ −調べものに役立つWebサー  ビス その2− 国立国会図書館主題情報部編 国立国会図書館刊 日本図  書館協会発売 2010.3 182p A5判 定価3360円 ISBN978-4-87582-696-5 直販本(JLAに直接に注文) ・国際シンポジウム 東アジアにおける美術・文化財情報のネットワーク化を  考える報告書 アート・ドキュメンテーション研究会15周年記念行事 第3  回アート・ドキュメンテーション研究フォーラム アート・ドキュメンテー  ション研究会編集発行 2005.1 143p A4判 定価1050円 ・日本のアート・ドキュメンテーション―20年の達成 MLA連携の現状、課題、  そして将来 予稿集+資料編 アート・ドキュメンテーション学会創立20周  年記念 第4回アート・ドキュメンテーション研究フォーラム 水谷長志、  山崎美和編 アート・ドキュメンテーション学会刊 2009.12 150p A4判   定価1050円 ISBN978-4-9900326-6-1  --------------------------------------------------------------------- *先週送信のJLAメールマガジンは「第496号 3月24発信」です。「第495号   3月17日発信」は誤りですので、お詫びして訂正いたします。 ============================================================no.497 END= ■登録アドレスの変更・解除はかならずご連絡ください。mailmaga★jla.or.jp