======================================================<2007/9/19発信>   JLAメールマガジン 第371号 =====================================================================  編集発行:社団法人 日本図書館協会   Copyright,2007 Japan Library Association  無断転載転送を禁じます    JLAホームページアドレス http://www.jla.or.jp/ ===================================================================== ▼目次▼  ■図書館界ニュース  ■新聞記事より  ■集会等のお知らせ  ■求人情報  ■JLAからのお知らせ --------------------------------------------------------------------- ◆図書館界ニュース ○「供述調書」を引用した図書の図書館における扱いについて  少年の「供述調書」を引用した図書『僕はパパを殺すことに決めた』(草薙  厚子著 講談社刊)の図書館における扱いについて、日本図書館協会事務局  はマスコミおよび図書館現場からの問合せに対して次のような内容で答えて  いる。  ・資料の収集、提供をどうするかに関しては、それぞれの図書館が自主的に  判断すべきことであり、日本図書館協会が指示めいたことはすべきではない、  と考える。  ・「図書館の自由に関する宣言」を公にしている日本図書館協会の立場から  は、公刊された資料の提供を制限することについては直ちに肯定できない。  ・公刊された資料に法律上の問題や名誉毀損、プライバシー侵害の可能性が  あると思われる場合に、図書館が提供制限を行うことがあり得るのは、  (1)その資料の頒布差し止めの司法判断があり、(2)そのことが図書館に  通知され、(3)被害者(債権者)が図書館に対して提供制限を求めた、と  の要件があった場合である。  ・当該図書に関わる法的問題は、少年法第22条第2項により非公開であるべ  き文書が当事者以外に開示されたことにあり、またその内容を公刊したこと  にある。これは、それらのことを行った者の責任に帰せられるべきことであ  り、提供する側には法的規制はないと考える。  ・すべての図書館資料は住民の自由な利用に供されるべきであるとの原則は、  住民の知る自由、知る権利を保障するものであり、これは図書館が存在する  意義でもある。  問題となった資料に関して人権侵害を認める司法判断があった場合、図書館  はそれに拘束されることなく、独自に判断することが必要である。  図書館は、法に基づき職務として資料を収集提供し、もって知る自由、表現  の自由を保障する機関である(宣言前文)。報道を契機として社会的関心事  となった事件について考えるために読みたいとする市民に図書館は、関連資  料を積極的に提供する機関である(宣言第1-1,2-(1)〜(4))。  資料・情報はいろいろな観点や考え方で読まれるものであり、図書館は資料・  情報の内容について支持や批判するものでなく、提供する機関である(宣言  第1-2)。   参考  ・『文藝春秋』(1983年3月号)の記事について〈参考意見>(『「図書館の  自由に関する宣言 1979年改訂」解説』第2版 所収)  ・堺少年事件報道損害賠償請求事件の大阪高裁判決(2000.2.29・確定「判例  時報」No.1710) は、少年法第61条が少年に実名報道されない権利を与えて  いるかについて、否定的に判示した。  ・長良川リンチ殺人事件報道損害賠償請求事件の最高裁判決(2003.3.14「判  例時報」No.1825)は本人推知報道の範囲を限定し、表現の自由への配慮を示  した。 ○文部科学省、来年度の概算要求の内容  来年度の政府概算要求がまとめられつつあるが、文部科学省の「概算要求主  要事項」として図書館関係については、次のように説明されている。 ☆読書・学習活動を推進する学校図書館の充実 679百万円(今年度593百万円)  「子ども読書の街」を指定し、学校が地域や家庭と連携して、子どもの「読  む・調べる」習慣の確立を支援する取組や学校図書館支援センターによる学  校図書館に対する支援のあり方についての調査研究を実施する。  ・「読む・調べる」習慣の確立に向けた実践研究事業(拡充):「読む・調  べる」習慣の確立に向けて、学校を中心とした街全体での取り組みについて  地域レベルのモデル事業等を実施する。15地域 ☆子どもの読書活動の推進 1005百万円(今年度771百万円)  「子どもの読書活動の推進に関する法律」に基づく政府の「子どもの読書活  動の推進に関する基本的な計画」を踏まえ、子どもが自主的に読書活動を行  うことができるよう、環境の整備を図るとともに、施策の総合的かつ計画的  な推進を図る。  ・子ども読書応援プロジェクト(拡充):子ども読書応援団推進事業。地域  の読書ボランティアを学校、図書館、公民館等に派遣し、子どもの読書を推  進するための支援を行うとともに、読書ボランティアを指導するリーダーの  育成、著名な作家等による語りかけ、発達段階に応じた読書活動への理解を  深める取組の調査研究を実施。  ・地域の図書館サービス充実支援事業  ・学校図書館支援センター推進事業 18地域×4か所  ・「読む・調べる」習慣の確立に向けた実践研究事業(拡充) 15か所 ○全国図書館大会(東京大会)参加申込受付中! ・第93回全国図書館大会東京大会(10月29〜30日開催)  20年ぶりに東京で開催される全国図書館大会。1日目の全体会では井上ひさ  し氏による記念講演が、2日目には22もの分科会が用意されています。各分  科会の講師も決定し、大会HPの分科会詳細も更新いたしました。奮ってご参  加ください。今月末が申し込み締め切りです。申込はお早めに!  詳しくは全国図書館大会HPまたは『図書館雑誌』6月号綴込及び9月号をご覧  ください。  http://www.nittsu-ryoko.com/travel/event/jlr_93/ --------------------------------------------------------------------- ◆新聞記事より(地域版含む) ○絵本・育児書 宅配します [大分]県立図書館 乳幼児家庭を対象  (朝日<大分>8/11)  http://library.pref.oita.jp/guide/establishment-guide/nurturing/books.html ○町屋土蔵図書室に 上京 保存グループ大家が連携 来月開館 蔵書2000冊  レトロ雑誌も(京都8/25夕) ○前橋市立図書館が81年前に収集 国内、外地の新聞218紙 大正の世相生き  生き イラスト多用、写真大きく すでにビジュアル重視 先人の見識物語  る企画 全国にない遺産残す(上毛8/27) ○地域ぐるみで読書推進 [青木村]青木中・図書委員 「お薦めリスト」住民  も 生徒参考に 貸し出し増加 低い蔵書数達成率 学習への支障懸念  (信濃毎日8/27) ○地域性ある図書館に 情報発信や育児支援も あり方懇が[横浜]市に報告書  (神奈川8/28)  http://www.city.yokohama.jp/me/kyoiku/library/aricon/index.html ○指定管理者制度 まずは図書館の将来像 静岡[市] 協議会が基本方針決定  (静岡8/28) ○盗難・落書き続出 図書館の本悲鳴 佐世保 被害は年間300万円 来年開  館の長崎 ICタグ導入へ(朝日<長崎>8/28) ○募集要項を公表 沖縄県 図書館・総合教育センター ESCO事業  (日刊建設工業8/28) ○マナー違反対策に四苦八苦 成田市立図書館、貸し出し制限へ  (読売<東葛>8/30) ○携帯電話から蔵書検索 来年2月、 [甲府]市立図書館が新サービス メル  マガ配信、調査相談も(山梨日日8/30) ○大正期の資料もデジタル閲覧可 精華・国会図書館(朝日<京都>8/30) ○高知市 保育園一部民営化へ 現業含む44事業委託 [移動図書館は20年度、  図書館管理は22年度](高知8/30) ○中央図書館が建築大賞受賞 函館 居心地の良さ高評価(北海道<函館・渡  島・桧山>8/31) ○入館者、貸し出し増加傾向 大平町立図書館 民間運営順調に推移 柔軟な  対応 町民に支持(下野8/31) ○8美術・博物館の蔵書をPCで検索 64万冊の貴重な資料 学会の推進賞に   横浜美術館など開発(朝日<横浜>8/31) ○被災地に笑顔再び 子ども待望開架再開 整理完了は年度いっぱい 柏崎市  立図書館 書庫被害17万冊山積みでも…(新潟日報9/3) ○少年調書引用の本 栃木の図書館 閲覧中止 京都でも 「検閲」と批判の声  (読売9/16) ○少年調書引用本の閲覧 一部図書館で制限 撤去や貸出禁止も(朝日9/17) ○書籍閲覧制限に批判声明 [図書館問題研究会](日経9/18) --------------------------------------------------------------------- ◆集会等のお知らせ ○かわさき市民アカデミー特別講座  「こころの世界と読書−読書の悦びと豊かな出会い−」(計6回)  日程:(1)10月13日(2)10月20日(3)10月27日(4)11月10日(5)11月24日  (6)12月1日 いずれも土曜日13:30-15:00  会場:川崎市生涯学習プラザ  受講料:3000円  内容(講師):(1)西野一夫氏(元川崎市中原図書館長)(2)藤嶋昭氏  (日本化学会会長)(3)鈴木穆氏(高津区文化協会会長)(4)渡辺順子氏  (すずらん文庫主宰)(5)長倉美恵子氏(元学芸大・実践女子大学教授)  (6)竹内さとる氏(元日本図書館協会理事長)  詳細HP:http://www.kpal.or.jp/2zigyou/21academy/index.html(講座一覧参照)  問合先:(財)川崎市生涯学習財団事業推進室かわさき市民アカデミー  (TEL.044-733-6626) ○Ellen Detlefsen博士講演会  主催:NPO法人医学中央雑誌刊行会  日時:2007年10月18日(木)14:00-16:00  会場:はあといん乃木坂6階「ソレイユ」の間  演題:「北米における消費者健康情報サービスの現状」(通訳付)  参加費:無料  申込方法:E-mailで<ellenkoenkai★jamas.or.jp>宛に申込。件名「講演会   申し込み」,本文に氏名,所属機関を明記。  問合先:野添(E-mail:anozoe★asu.aasa.ac.jp) ○第111回農学図書館情報セミナー  主催:NPO法人日本農学図書館協議会  日時:2007年10月19日(金)14:00-16:00  会場:東京農業大学図書館視聴覚ホール  内容:「大学図書館運営−人材確保−」石川徹也氏(東京大学史料編纂所)  参加費:無料 申込締切:10月17日(水)  詳細HP:http://jaald.ac.affrc.go.jp/jaald_info13.htm  申込・問合先:NPO法人日本農学図書館協議会(TEL&FAX.03-5477-2776   E-mail:jaald★nifty.com) ○ブックスタート・フォローアップイベントinふくおか  「赤ちゃんの笑顔から広がる地域のつながり」  主催:NPO法人ブックスタート,小郡市,小郡市教育委員会,小郡市立図書館  日時:2007年10月22日(月)10:00-16:10  会場:小郡市文化会館大ホール  参加費:無料  内容:講演「赤ちゃんの不思議〜子育てをもっと楽しむためのヒント〜」   榊原洋一氏(お茶の水女子大学教授),シンポジウム「未来へつながる   ブックスタート〜その可能性を語り合う〜」  詳細HP:http://www.bookstart.net/news/news070910.html  問合先:ブックスタート事務局広報担当(TEL.03-5228-2891)  図書館イベントカレンダーは下記でご覧ください。  http://www.jla.or.jp/calendar.html  http://wwwsoc.nii.ac.jp/jla/calendar.html --------------------------------------------------------------------- ◆求人情報 ○博慈会高等看護学院 図書室常勤職員:1名  応募締切:2007年9月18日(火)必着 ○同志社大学 長期アルバイト職員(図書館関連業務):1名  応募締切:2007年9月21日(金)必着 ○千葉大学附属図書館 任期付職員:1名  応募締切:2007年10月1日(月)必着  求人情報の詳しいことは下記でご覧ください。  http://www.jla.or.jp/job.htm  http://wwwsoc.nii.ac.jp/jla/job.htm --------------------------------------------------------------------- ◆JLAからのお知らせ ○JLA新刊  図書館を育てた人々 イギリス篇 (JLA実践シリーズ 8) 藤野幸雄,  藤野寛之著 2007.9 285p B6判 定価2100円 ISBN978-4-8204-0717-1  http://www.jla.or.jp/publish/bindex.html ○転居や勤務先変更により『図書館雑誌』の送付先が変更になる場合は、月末  までにご連絡いただけると、翌月より新住所へお届けいたします。FAX、メ  ール、異動届はがき等でお知らせください。  問合先:会員係(TEL.03-3523-0811 FAX.03-3523-0841 somu★jla.or.jp) ========================================================no.371 END= ■登録アドレスの変更・解除はメールでこちらまで。 mailmaga★jla.or.jp