=======================================================<2006/11/29発信>   JLAメールマガジン 第331号 =====================================================================  編集発行:社団法人 日本図書館協会   Copyright,2006 Japan Library Association  無断転載転送を禁じます    JLAホームページアドレス http://www.jla.or.jp/ ===================================================================== ▼目次▼  ■図書館界ニュース  ■新聞記事より  ■集会等のお知らせ  ■求人情報  ■JLAからのお知らせ --------------------------------------------------------------------- ◆図書館界ニュース ○公民館図書室の図書館転用が可能に  文部科学省生涯学習政策局は、10月「公立社会教育施設整備費補助金に係る  財産処分の承認等について」の一部改正を通知した。これにより公民館図書  室を公立図書館の分館として条例上位置づけることが容易となった。改正の  趣旨は「昨今の市町村合併等による社会教育施設の組織の再編等が行われて  いることを鑑み」、施設の譲渡および貸与に関する規定が追加されたもので  ある。  公民館図書室が公立図書館を補完して、地域の分館としてサービスしている  例は多くある。また400平方メートルもの大きな規模をもつ公民館図書室も  ある。公民館との連携に留まらず、図書室の所蔵資料や貸出しなどのサービ  スについて、公立図書館が一元的に管理するなど図書館システムに組込み、  事実上分館的に管理運営されているところも少なくない。また司書の異動対  象職場としているところもある。しかし国の補助金等により設置された公民  館の図書室については、設置条例のうえで分館に位置づけることは補助金の  適正な目的に外れるとして、原則として許されていなかった。そこで通称名  としてのみ図書館分館を名乗っている例もある状況となっている。  日本図書館協会の「日本の図書館」調査では、これら条例上の位置づけはさ  れていないが事実上図書館システムに組込まれている図書室等については、  「サービスポイント」として集計をしており、その数は非常に多い。  通知文書では、施設の転用処分が可能な場合のひとつとして、「施設の全部  又は一部を他の社会教育施設又は文部科学省が別に定める同種の事業を実施  する類似施設として無償で転用する(条例設置)場合」を挙げ、その事務処  理要領で該当するものとして「公民館の一部を他の社会教育施設、……に転  用する場合」と記しており、公民館図書室を図書館の分館として条例上に位  置づけることが容易となったものである。  文部科学省以外の省庁が所管する補助金で設置された施設で資料・情報の提  供機能を有するものについても、同様な措置がされることが望まれる。  これらの図書館が旧来の図書室以上に資料費を確保し、新鮮な蔵書を構成し、  専任の職員を配置するなど、図書館の全域サービスをよりいっそう保障する  ことが望まれる。   ○文科省「これからの図書館の在り方検討協力者会議」第1回資料公開  文部科学省は、「図書館の振興」のホームページに「これからの図書館の在  り方検討協力者会議」(平成18〜19年度)の第1回会議議事要旨と配付資料を掲  載した。  それによると、今回の協力者会議設置の目的を「司書の養成及び研修の改善  方策について検討、その他図書館の振興方策の検討」とし、来年12月までに  中間報告を作成しパブリックコメントを経て19年度内に報告書を公表するこ  ととしている。また、「教育基本法改正、教育振興基本計画策定、中央教育  審議会生涯学習分科会の審議等の動向を見つつ、検討を進める」としている。  検討の背景として、図書館業務の多様化・高度化、図書館職員数の減少、専  門職採用の減少、養成課程と現場の乖離を指摘し、検討課題として図書館職  員に必要な資質・能力、司書の養成の在り方、職員研修の実効性を高めるた  めの方策、司書有資格者の再教育、司書制度の枠組みを掲げている。そして、  会議での検討結果により必要に応じて、養成・研修に関する各種規定・制度  の改正を行うことが予定されている。  これからの図書館専門職員の方向性に大きな影響を与えるものであり、その  動向に注目する必要がある。  文部科学省 図書館の振興ページ  http://www.mext.go.jp/a_menu/shougai/tosho/index.htm#shiryo ○石原都知事の図書館発言に対して波紋広がる  東京都の石原知事は、10月20日の定例記者会見において記者からの都立図書  館の職員問題に関する質問に対して、「図書館の司書は、どんな仕事をする  のか」と尋ねたうえで、「司書に相談する読者なんて、ほとんどいないと思  う」「今の時代に人間を配置しなくたって、オートマティックに本を借りら  れりゃいいじゃないですか」と述べた。  これに対して、東京の図書館をもっとよくする会では、11月23日そのホーム  ページ上に「石原都知事の都立図書館に関わる発言についての見解」として、  反論を公表した。そこでは、「石原都知事の発言は、東京都が進めている図  書館政策と大きく異なり、かつ都立図書館の現状とも余りにかけ離れている」  として、現在の都立図書館におけるレファレンス業務の位置づけと業務量を  指摘し、「区市町村立図書館でもレファレンスは必要不可欠である」として、  貸出利用の多い区市町村立図書館においても課題解決のためのレファレンス  業務が増加しており、「図書館を上手に使うには図書館員を活用しなければ  ならない」としている。  11月23日付け毎日新聞には、東京都立図書館司書の07年問題/冷淡すぎる作  家の都知事/都市の文化指標、大切に」という記事が掲載され、「図書館行  政を中長期的な都市戦略として明確に位置づけるべきだ」と述べている。同  紙では去る10月18日夕刊に「07年問題:都立図書館ピンチ/司書、5年で半  数定年に/育成に10年必要なのに、20歳代ゼロ」という記事も掲載している。  東京の図書館をもっとよくする会 ホームページ  http://motto-library.cocolog-nifty.com/main/cat6473891/index.html  東京都 石原知事記者会見 平成18年10月20日(金)テキスト版  http://www.metro.tokyo.jp/GOVERNOR/KAIKEN/TEXT/2006/061020.htm  (本件の箇所は最後部) ○文字・活字文化推進機構設立準備会がアピール  11月25日に文字・活字文化推進機構設立準備会の主催によりシンポジウム  「言葉の力と日本の未来」が開かれた。児玉清氏のコーディネーターにより、  国際子ども図書館の村山隆雄館長などのパネリストが、読書の魅力や活字文  化の重要性を語った。最後に次のようなアピールが採択された。 ・2007年10月を目処に「文字・活字文化推進機構」を創設し、家庭、学校、職  場、地域における新聞を使った教育、読み語り、読書会の支援など活字文  化の推進運動を展開します。 ・2010年を「国民読書年とする決議」の採択を国会に働きかけます。 ・子どもたちの言語力、読解力を育むため、「新学校図書館図書整備5ヵ年計  画」を策定し、実施するよう国と自治体に強く求めます。 --------------------------------------------------------------------- ◆新聞記事より(地域版含む) ○読書に親しんで 市民グループ[岡山市子ども読書活動推進の会]マップ作  製 図書施設500ヵ所掲載 貸し出し情報も [『岡山市子ども読書環境マッ  プ』](山陽11/5) ○待望の図書室復活 東吾妻[町] 6年ぶりに 中央公民館 合併でスペース  確保(上毛11/6) ○仙台市広瀬図書館 指定管理者制導入へ 08年度から 経費削減目指す  (河北新報11/7) ○[新潟]市が公募債を発行 16日から 図書館などに30億円(新潟日報11/7) ○図書コーナーで待ち時間快適に 岡山空港にオープン [岡山県立図書館が  協力](山陽11/7) ○[佐渡]市中央図書館 貸し出し・返却のネット化 利用者アンケート 便利  さ実感66% 館内端末機、HP 認識度は低く(新潟日報<佐渡>11/9) ○複合施設、21年度開館 [静岡市]葵区「美和に身近な図書館をつくる会」   総会で住民に報告(静岡11/9) ○「赤ちゃんえほんのへや」登場 畳敷き低めの本棚 鹿児島市立図書館   「親子で気楽に利用して」(南日本11/9夕) ○図書専門職の必要指摘 静岡[市]・子ども読書[活動推進計画策定]懇話  会 推進計画を初協議 小中校生調査「読書好き嫌い] 「読み聞かせ体験」  と相関(静岡11/10) ○〔批評と表現〕カビに悩む図書館、博物館 文科省が年度末までに対策作り   高松塚をきっかけに 人脈頼りに試行錯誤 民営化の流れも影響  (毎日11/10夕)   ○先祖の意志脈々と 「勉学に役立てて」 新保同志団指導者の子孫 図書館  に1000万寄付 佐渡[市](新潟日報11/11) ○食の情報誌 毎月1日発刊 [帯広市図書館・『食☆ナビ』]  (北海道11/11夕) ○夕張[市]閉じていく 唯一の老人ホーム 図書館・市民会館も  (朝日11/18) ○日本語電子本を図書館へ 紀伊國屋 米OCLC利用 3年後売上10億円へ  (文化通信11/20) ○建設案より規模縮小 山口市秋穂の生涯学習施設 図書館設置複合型に  (中国11/21) ○〔記者の目〕東京都立図書館司書の07年問題 木村健二(社会部) 冷淡す  ぎる作家の都知事 都市の文化指標、大切に(毎日11/23) ○日本点字図書館 テープ図書貸出終了へ 2011年デイジー一本化 利用急増  など考慮 録音機既に生産中止(点字毎日活字版11/23) --------------------------------------------------------------------- ◆集会等のお知らせ ○「読書で育つ子どもの心」〜子どもの読書を考えるフォーラム〜  主催:ルピナスさんの会  日時:2006年12月2日(土)13:00-16:30  会場:東近江市立能登川図書館  内容:講演「読む力は生きる力」脇明子氏(ノートルダム清心女子大学教授)   フォーラム「子どもたちの読書環境について考える」パネラー:脇明子氏,   北村幸子氏(学校図書館を考える会近畿代表)福井肇氏(東近江市子ども   読書推進委員)京田純子氏(八日市おはなしホビットの会)  申込先:滋賀県東近江市立永源寺図書館(TEL.0748-27-8050 FAX.0748-27-8090) --------------------------------------------------------------------- ◆求人情報 ○昭和館図書室 常勤嘱託職員:1名  応募締切:2006年12月10日(日)必着 ○葛飾区立図書館 非常勤図書館員:20名程度  応募締切:2006年12月10日(日)消印有効 ○東京大学大学院教育学研究科・教育学部図書室 非常勤職員  応募締切:2006年12月15日(金)必着 ○(株)高度情報システム 正社員:若干名  応募締切:2006年12月末日  求人情報の詳しいことは下記でご覧ください。  http://www.jla.or.jp/job.htm  http://wwwsoc.nii.ac.jp/jla/job.htm ---------------------------------------------------------------------   ◆JLAからのお知らせ ○JLAのメールサーバ停止のお知らせ  12月2日(土)9時〜17時、サーバメンテナンスのため、電子メールの送受信  ができなくなります。ご迷惑をおかけいたします。 ===========================================================no.331 END= ■登録アドレスの変更・解除はメールでこちらまで。 mailmaga★jla.or.jp