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日本図書館協会の見解・意見・要望

2021/07/28

令和4 (2022)年度予算における図書館関係地方交付税について(要望)

                                                                                                                2021(令和3)年7月28日
総務大臣 武田 良太 様
文部科学大臣 萩生田 光一 様 
図書議員連盟会長 細田 博之 様
学校図書館議員連盟会長 河村 建夫 様
   
                                                                                                    公益社団法人日本図書館協会
                                                                                                                  理事長 植松 貞夫
 
                        令和4 (2022)年度予算における図書館関係地方交付税について(要望)
 
 常日頃より、図書館振興についてご尽力賜り、感謝申し上げます。
 地方自治体が所管する図書館(公立図書館及び学校図書館)は、新型コロナウイルス感染症下においても従前のサービスを工夫しながら再開し、また新たなサービスを検討し、実施しているところです。図書館は、地域における生涯学習施設として不可欠で重要な役割があり、感染症環境下でもその役割を果たしていかなければなりません。
 しかしながら、個々の図書館の工夫だけでは難しい課題として、資料費と職員体制の確保があります。図書館が、市民の日常的な課題の解決や意見形成に必要な資料や情報を提供するためには、継続した図書館資料・情報の収集と専門職の配置が欠かせません。
 このため、生涯学習の中核的施設である図書館の振興に中長期的視野を持った財政面での支援を要望する次第です。
 
1 感染症等による新たな生活様式対応の維持経費
 公立図書館や学校図書館では、新型コロナウイルス感染症との共存や、新たな感染症への対応を求められる可能性があります。令和3(2021)年度は、「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」の活用等により公立図書館の電子図書館サービスの導入が急増しました。臨時交付金に限らず、感染症環境下において、図書館サービスの維持・発展に必要な機器や消耗品等を含めた継続的な経費を地方交付税の予算措置により考慮していただきますようお願いいたします。

2 公立図書館関係経費の改善
2.1 地方交付税における基準財政需要額の充実
 図書資料等購入費について、日本図書館協会の調査では、予算額で平成11(1999)年度に1館当たり1,354万円だったものが、令和2(2020)年度には847万円で、6割の規模にまで減少しており、住民が必要とする資料の確保ができない状況です。地方交付税における基準財政需要額の充実を、切に要望いたします。
 
2.2 公立図書館への正規の専門職員の配置
 公立図書館の専任職員の状況は、日本図書館協会の調査では、専任職員数で平成11(1999)年度に1館当たり6.0人だったものが、令和2(2020)年度には2.9人で、5割弱の規模に減少しています。また、専任職員の数字は全図書館職員数の実に23%弱に過ぎません。他方、地方交付税の図書館職員の給与費は正規職員と非正規職員に充当されているものであり、現実に、図書館が果たすべき専門的かつ継続的なサービスや学校、博物館、公民館、研究所などとの連携活動に支障をきたしています。公立図書館に正規の専門職員をより多く配置できるよう、地方交付税の改善を、要望いたします。
 
2.3 図書館協議会経費の充実
 図書館には地域の状況と住民の要望にこたえる運営方針が確立されなければなりません。そのために平成28(2016)年度から、市(区)町村の図書館協議会にも委員報酬費を措置いただきましたこと、感謝申し上げます。全国的には、3分の2の図書館に設置されている図書館協議会経費を引き続き充実していただくよう、要望いたします。
 
2.4 トップランナー方式の非適用
 図書館における指定管理者制度の導入は、専門的業務の存在、地域のニーズへの対応、持続的・継続的運営の観点から、図書館にはなじまないものです。トップランナー方式を図書館に適用しないよう要望いたします。

2.5 視覚障害者等の読書環境の整備の推進に係る経費の新設
 令和2(2020)年7月に「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する基本的な計画」が策定されました。この計画では、公立図書館においてアクセシブルな書籍等の充実や、視覚障害者等の円滑な利用のための支援の充実を図ることが示され、さらに関連施策の実施にあたって、国は必要な財源の確保に努めることが明記されています。従前措置されている公立図書館関係経費に加え、各種施策を実施するため、アクセシブルな書籍・電子書籍の充実を図るための図書費の拡充、拡大読書機器、デイジープレイヤー等の読書支援機器の購入費、サピエ図書館の利用料、アクセシブルな書籍等を配送するための経費、対面朗読や録音図書製作を行う図書館協力者への謝金、障害者サービス担当職員の人件費、障害者サービスに関する研修に参加するための旅費等の経費の新設を要望いたします。

3 学校図書館関係費の改善
3.1 学校図書館図書費の措置
 新聞配備経費について、平成29(2017)年度予算から、小学校及び中学校(平成24(2012)年度から)に加えて、高等学校においても措置されたことを感謝申し上げます。しかし、初等中等教育課程でより重要度の高い学校図書館図書費については、小学校及び中学校のみであり、高等学校には措置されていません。また、学校におけるICT環境整備が進む中で、学校図書館のICT環境が明確に位置付けられる必要があります。令和4(2022)年度予算においては、高等学校の学校図書館図書費の措置とともに、学校図書館のICT環境整備を推進するための予算措置を強く要望いたします。
 また学校図書館図書整備費等の根拠となっている第5次「学校図書館図書整備等5か年計画」が今年度で終了します。引き続き第6次「学校図書館図書整備等5か年計画」の策定及び予算措置を要望いたします。

3.2 特別支援学校の学校図書館の整備
 2.5と同様にいわゆる「読書バリアフリー法」による基本的な計画を実効あるものとするため、整備が遅れている特別支援学校の学校図書館への予算措置をお願いいたします。様々な障害がある児童・生徒の読書環境を学校内に整備するための十分な配慮を要望いたします。
 
3.3 学校司書配置の改善
 学校図書館における専門職として学校司書の配置は不可欠です。小学校及び中学校に学校司書の経費が措置されたことは歓迎いたします。平成28(2016)年度文部科学省調査において、小学校・中学校でそれぞれ約60%、高等学校で67%と配置されています。しかし、すべてが専任(フルタイム)ではなく又複数校兼務の任用が少なくないのが実態です。これは、各地方自治体の努力だけでは解決が難しい課題です。学校司書の配置規定が盛られた学校図書館法改正から9年目を迎える令和4(2022)年度予算においては、全学校に少なくとも1名の専任の学校司書の配置が可能となる予算措置を要望いたします。
 
4 会計年度任用職員の適正な任用について
 令和2(2020)年度より、会計年度任用職員制度が導入されておりますが、適正な任用や勤務条件の確保のため、令和4(2022)年度の十分な予算措置を、要望いたします。また、専門職員については正規職員が配置できる予算措置をあわせて要望いたします。
                                                以上  

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