令和6(2024)年能登半島地震について

この度、地震により亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。
また、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げ、一日も早く平穏な日々に戻る事をご祈念申し上げます。
日本図書館協会及び図書館災害対策委員会も微力ではありますが、支援を模索し、対応してまいります。
被災情報並びにお困り事がありましたら、メールにてご一報いただければ幸いです。
saigai★jla.or.jp
(★を半角@に換えてください。)








日本図書館協会の見解・意見・要望

2010/06/23

権利制限の一般規定中間まとめへの意見

(1)氏名
 社団法人日本図書館協会(理事長:塩見 昇)
(2)性別,年齢
 ---
(3)職業
 ---
(4)住所
 〒104-0033
 東京都中央区新川1-11-14
(5)電話番号
 03-3523-0811
(6)該当項目および頁数
 ◆第4章 1(3)②【19頁~20頁】
(7)意見
図書館界は,平成12年度に文化庁著作権審議会マルチメディア小委員会に設置された「図書館等における著作物等の利用に関するワーキンググループ」において,「図書館等に設置された『インターネット端末』から図書館利用者が著作物を例外的に許諾を得ずに『プリントアウト』できるようにすること」という法改正の要望を出して以来,同様の要望をしつづけているところであるが,このような著作物の利用は,まさしく「(3)いわゆる『形式的権利侵害行為』と評価するか否かはともかく,その態様等に照らし著作権者に特段の不利益を及ぼすものではないと考えられる利用への対応」に該当するものと考える。
 平成18年に公表された文化審議会著作権分科会報告書において,「図書館等において,調査研究の目的でインターネット上の情報をプリントアウトすることについて」に対しては,「インターネット上の情報の複製に明示又は黙示の許諾があると考えられる場合など,現行法の枠組みでも自由に行い得るケースが存在する」という検討結果が示されている。
 また,今回の「中間まとめ」において,「Bの類型に属する利用に関しては,(i)については黙示的許諾の法理により,(ii)については各個別権利制限規定の適用範囲内であると解釈することにより,現状においてもそれぞれ妥当な解決な図ることも可能である」とある。
 しかし,黙示的許諾が存在すると判断して問題が生じない判断基準,あるいは,個別権利制限規定の適用範囲内と判断して問題が生じない判断基準などが示されているわけではなく,インターネット上の情報の利用の問題に限らず,著作物を利用する現場において,著作物を利用することは困難な状況にある。
 今回の「中間まとめ」においては,「権利制限の一般規定により,かかる問題を解決することにも,一定の意義は認められるものと考えられる。」とあるが,各団体から出されている,新たに権利制限を求める個々の要望を権利制限の一般規定で解決するか否かとは別に,必ずしも過去の判例に詳しくない実際に著作物を利用する現場において,どのような場合に黙示的な許諾があると判断できるのか,あるいは,どのような場合に各個別制限規定の範囲内と判断できるのかといった,ある種の指針を示す必要があると考える。

(1)氏名
 社団法人日本図書館協会(理事長:塩見 昇)
(2)性別,年齢
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(3)職業
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(4)住所
 〒104-0033
 東京都中央区新川1-11-14
(5)電話番号
 03-3523-0811
(6)該当項目および頁数
 ◆第4章 1(4)・(5)・(6)【22頁~24頁】
(7)意見
 「中間まとめ」の中に明確に図書館について記載された部分は見当たらないが,図書館に関しては「(5)特定の利用目的を持つ利用への対応」の,特に「① 公益目的にかんがみ権利制限が求められていると考えられる利用について」に含まれているものと思われる。
 これに該当する著作物の利用については,「権利制限の必要性について関係者間の合意が得られ次第,個別権利制限規定の改正又は創設により対応することが適当であると考えられる。」とされており,その理由としては,「既に整備されている他の個別権利制限規定との関係も含め,利用の目的,利用行為の主体,対象著作物,制限の程度,利用の態様等の要件につき慎重に考慮する必要がある。」とされているが,理由として挙げられているこれらの条件は,すべての著作物の利用について言えることであって,ことさらに「公益目的にかんがみ権利制限が求められていると考えられる利用について」に該当する著作物の利用に限ったことではなく,この理由をもって「公益目的にかんがみ権利制限が求められていると考えられる利用について」に該当する著作物の利用について,「個別権利制限規定の改正又は創設により対応することが適当」とするには不十分と考える。
 また,個別権利制限規定の改正又は創設は,審議会等での審議を経て行われることが一般的と考えるが,審議会等での審議対象となる基準や過程が明らかではなく,併せて,審議対象となる基準や過程が明らかにされる必要があると考える。(以上)
  [2010年6月23日提出]
 

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