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日本図書館協会の見解・意見・要望

2017/11/01

第4次「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」の策定に向けたヒアリング

第4次「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」の策定に向けた

ヒアリング調査票

 

団体名

公益社団法人日本図書館協会

連絡先

104-0033 東京都中央区新川1-11-14

 

03-3523-0811 Fax03-3523-0841 鈴木

第4次基本計画の策定に向けた検討を進めるにあたって、以下の事項について御意見等を記載願います。なお、現状を踏まえた上での対応策や、これまでに取り組まれた効果的な事例等具体的な事柄についても併せて記載いただければ幸いです。

 

(1)子供の発達段階に応じて読書習慣を形成するために必要なこと。

乳児期にはわらべうたなどによって、言葉の体験を積ませる。その必要性を伝えるためには、図書館が他施設・団体(保健センター、児童館、子育て支援センター、放課後児童クラブ、子育て支援NPO等)と連携して、養育者(プレパパ、プレママも)に働きかける。

また、この時期の読み聞かせは、読書へつなげるうえで有効なとりくみである。乳児期の子どもと保護者を対象にしたブックスタートのとりくみは、200112市町村から20179月には1016市区町村(全国市区町村1741)へと広がっている。保育園・幼稚園等での読み聞かせも積極的に行われている。

小学校・中学校・高等学校段階では、学校図書館に学校司書がいて毎日開館していることで大きく変わったという実例がある。20154月の文部科学省パンフレット「みんなで使おう!学校図書館」においても、5ページの②で学校司書を配置している学校の方が児童生徒の読書量が多いこと、学校図書館の貸出冊数が学校司書を配置することで増加していること、がグラフとともに示された。街中から書店が消えている現状では、子どもが本と出合うことができる学校図書館の充実は、急務である。

小学校の時期は、読み聞かせ・ストーリーテリングなどで、みんなとお話を楽しむ体験が大事である。小学校高学年・中学校・高等学校の時期は、読む本の好みが分かれていくので、ブックトークなどの本を紹介する活動が有効である。学校司書・司書教諭等のブックトーク、また生徒同士で本を紹介し合うとりくみなどで、同世代の子から直接本の良さを聞くことも大きな意味がある。そのためには、児童生徒が読みたい、あるいは紹介したいと思う本が揃っている学校図書館の存在が不可欠である。

 

(2)高校生の不読率が改善されない中で、その改善を図っていくために必要なこと。

3次「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」において、不読率の数値目標が示された。5年後に小学生は3%以下、中学生は12%以下、高校生は40%以下、10年後に小学生は2%以下、中学生は8%以下、高校生は26%以下とすることをめざすとのことだった。しかし、文化庁の平成25年度「国語に関する世論調査」(調査対象:全国16歳以上の男女)によれば、不読率は47.5%である。16歳から19歳の年齢別の数値は42.7%となっている。子どもの読書は家庭における保護者の関与が大きく影響する。大人の不読率の状況、メディア状況の変化、読書環境の変化等を考慮し、不読率の数値目標をあげることについては再検討する必要がある。数値目標が示されたことで本来的な読書のあり方を損なう読書活動が行われたり、子どもだけが本を読むことを強制される状況になるのでは、本末転倒である。

高校生の不読率を改善するためのとりくみとしては、フィンランドのように学校の授業そのものが本を読むことを必要とする授業であること、またフランスのプレス・メディア・ウィーク(教育省・新聞・雑誌・テレビ・ラジオ・インターネットによる幼稚園から高校までが参加する全国規模のイベント 出典:日本図書館協会学校図書館部会第39回夏季研究集会東京大会報告集)や高校生ゴンクール賞のようなとりくみが考えられる。高校生が本を読むためのしかけを工夫する必要がある。フランスのプレス・メディア・ウィークのとりくみにおいては、学校側のコーディネーターはほとんど学校図書館専門職員(ドキュマンタリスト教員)である。学校司書の配置、正規職員化、資格養成の整備が必要である。

またアメリカやフランスの学校図書館では、マンガを積極的にとり入れている実態がある。近年のマンガは監修者がつくなど、内容が充実している。マンガの活用も考えるべきである。

 

(3)子供の読書の取組が進んでいない市町村において推進を図るために必要なこと。

小さな自治体では、担当者が置けない実態がある。図書館があっても、非常勤の職員1人という図書館がある。小さな自治体であっても、公共図書館及び学校図書館に専任・正規の司書配置が必要である。学校図書館の場合は1校に一人の司書配置が望ましい。計画作成、施策の推進にあたっては、区市町村が主体となってとりくむ必要がある。そのためにも都道府県や国が支援する措置、体制づくりが必要である。

 

(4)子供が主体的・能動的に読書をするために必要な工夫。

子どもが何か疑問を持って知りたいと考えた時に、手軽に調べることのできるのは本である。幼くても図鑑は読める。読めない字は読んでもらえばいい。子どもの身近に、生活圏内に本がある環境を作ることが、第一である。情報基盤としての公共図書館を増やし、学校図書館に学校司書を配置し、資料を増やすことが必要である。

また、大人が本を楽しむ姿を見せることも大事である。2012年開催の子どもの読書活動を考える熟議の第1位は「大人の10分間読書」であった。大人の読書環境の整備も同時に考える必要がある。

http://www.kodomodokusyo.go.jp/event/120214/index.html

 

その他、第4次基本計画策定に向けて、子供の読書活動推進に関して御意見等があれば、記載をお願いします。

子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画は、都道府県・市町村が作成する推進計画の基本となる。第4次「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」では、第3次計画と同様に公共図書館・学校図書館の役割について明記し、都道府県・市町村の図書館関係施策の改善につながる内容でなければならない。

全ての年代にわたって、子どもに本を紹介する読み聞かせ・ブックトーク等の実施は読書活動推進に有効な手立てである。公共図書館がさまざまな機関、施設等と連携して、事業を行い、事あるごとに、その事業と関係する本を紹介することで、子どもはより具体的に本の世界を知ることができる。

読書活動に障害のある子どもたちが、読書を楽しむことができるような施策が求められる。国立国会図書館の障害者サービスの活用、サピエ図書館のネットワークなど、図書館は障害者に対するさまざまな支援を行う窓口でもある。小さな自治体の公共図書館あるいは学校図書館からもそうしたサービスが受けられるようにするなど、障害に応じた支援についてのさまざまなアプローチが考えられる。

根本的には、子どもの読書活動を推進する人材、特に職員の養成が急務である。急速な図書館職員の非常勤化によって、適切な業務の継承が困難になりつつある。公共図書館においては、司書職制度導入のうえで、児童図書館員の養成が、子どもの読書活動推進のエンジンになる。

 

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