日本図書館協会の見解・意見・要望

2016/03/23

地域活性化の核となる公立図書館の整備充実について(要望)

2016年3月17日

  文部科学大臣  馳 浩 様

 公益社団法人日本図書館協会
                             理事長 森 茜

 地域活性化の核となる公立図書館の整備充実について(要望)


   近年、地方自治体の設置する図書館(以下「公立図書館」という)は各地域において市民生活の核として情報発信源となり、地域市民のコミュニュケーションの中核となり、地域活性化に欠くことのできない要となりつつあります。しかしながら、図書館整備の実態は極めて不十分です。図書館が地域市民生活の真の核となるために、公立図書館及び市民生活に関連の深い学校図書館に次のことを強く要望します。
 図書館は、先進的な取り組みだけでなく、全国津々浦々の市や町や村がそれぞれの個性を持ちながら、あまねく整備されて、初めて国民の教育手段となります。そのためには、職員給与費を含め、現行の地方交付税方式は極めて有効な方策であり、地方交付税の充実を強く要望します。

1 公立図書館図書等購入費の増額措置について
近年、市民の図書館利用は進み、資料や情報に関わる要求は多岐にわたっているにもかかわらず、各図書館の1館当たりの資料費は、1993年が1727万円だったのをピークに毎年下がり続け、2012年では942万円とピーク時の6割程度になっており*、公立図書館は 市民の知的欲求を満たすことが不可能になってきている。そこで、公立図書館がその整備運営の基盤としている地方交付税「社会教育施設費図書館費」において需用費等(図書、視聴覚資料購入費等)を次のとおりピーク時の水準まで拡充することを強く要望する。
 *日本図書館協会『日本の図書館』各年版より
 道府県立図書館48,148千円(平成27年度交付基準)×1727/942=88,271千円 
 市町村立図書館18,605千円(平成27年度交付基準)×1727/942=34,109千円
(地方交付税における都道府県・市町村図書館需用費(図書等資料購入費)の拡充措置) 

2.市民意見を反映した図書館の計画・運営について
 近年、公立図書館は資料・情報提供機能に加えて、地域のコミュニケーションセンターの役割を担うなど、地域活性化の核となる活動が広がっている。図書館が市民の希望に沿った計画で設置され、よりよく運営されるためには、設置自治体の住民の意見が十二分に反映されなければならない。図書館法ではそのために図書館に図書館協議会の設置を想定している。しかしながら現在の地方交付税では県立図書館には図書館協議会経費が措置されているが市町村図書館には措置されていない。そのため、全国各市町村の図書館がその地域の市民の希望を的確に反映して計画・運営できるよう、地方交付税の「社会教育施設費図書館費」に道府県立図書館の図書館協議会経費と同じく、市町村図書館の図書館協議会経費の新設措置を強く要望する。
(地方交付税における市町村立図書館の図書館協議会経費の新設措置)

3.高等学校図書館の図書費の充実について
次代を担う子どもたちが地域の課題や社会の問題に関心をもって学習することは、地域の活性化に不可欠である。そのような中で、児童・生徒の学習や読書を支える学校図書館の重要性は従来から指摘されており、小中学校の図書館に対しては学校図書館図書費が措置されているが、高等学校には国の予算的配慮が欠如している。高等学校への進学率はいまや97%を超えて、事実上義務教育化されており、高等学校の図書館においてもその役割を十分果たすことができるよう、「高等学校図書館図書標準」を設け、地方交付税において、「高等学校図書館図書費」を新設することを強く要望する。
(地方交付税における学校図書館図書費に「高等学校の図書館」の新設措置)

4.全市町村に図書館整備を
 図書館法が制定されて70年近くなり、公立図書館の設置はようやく先進国並みにすすんできた。都道府県立では100%、市立は99%の設置率であるが、町では62%、村では25%にとどまっている。公立図書館は、資料・情報の提供を通じて、人々の知的基盤を支えると同時に、生涯学習の拠点である。図書館法は、その成立の経緯から、すべての地方自治体、国民が居住するすべての地域に公立図書館が設置されることを想定し、もって、図書館が国民の教育と文化の発展に寄与することを役割として認識している。日本全国どこに住んでいても、図書館利用が図られるよう、すべての自治体に図書館の設置を促進するための特別の予算措置を要望する。
(図書館未設置市町村への図書館建設経費の国の予算措置)

                                

以 上

 

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