日本図書館協会の見解・意見・要望

2014/12/26

障害者差別解消法に基づく基本方針(原案)に関する意見

公益社団法人日本図書館協会
                      理事長 森 茜


 提案された原案の方向性や内容について、高く評価するものです。原案にもあるように広く社会に認知されていくことを期待するとともに、実際に障害者が生きていくために良い社会システムへ変化することを強く願います。

 原案にもある各段階での障害者への方策を論議する場合、当事者を含めた検討が必要となります。またそれ以前に、障害者が現代社会で生きていくためには平等な情報の入手が不可欠です。つまり、すべての障害者へ他の者との平等を基礎とした情報提供は、今論議されているすべての施策を実現するための基礎的な要素であるといえます。

 ところが、障害者の情報環境は甚だ貧しい現状にあります。情報提供機関である図書館はもちろんですが、社会のあらゆる場所で(政府・自治体・民間会社・個人等)、障害者への情報提供を自ら行うこと(=合理的配慮と環境整備)が必要であることを明らかにしてください。

 具体的には、次の点に留意していただき、基本方針あるいはその後の要領等での明記をお願いします。


   障害者の情報のアクセシビリティーの確保


1.図書館(公共、学校、大学、国立国会図書館等)に対し、障害により情報入手に困難のある人の利用を保障し、適切なサービスを義務付けてください。図書館は学校はもとより、博物館等社会教育施設や読書推進民間団体、及び障害者情報提供施設などと連携し、障害者への情報提供を進めます。

2.出版事業者にアクセシブルな電子書籍の出版を義務付けてください。図書館はそれを購入し、障害を持つ利用者に提供します。

 アクセシブルな電子書籍とは、電子書籍データフォーマットと再生環境(ソフト・ハード)のすべてに配慮がなされていなくてはなりません。現状は障害者が使用できない方式がほとんどですが、技術的には十分可能といえます。

3.アクセシブルな電子書籍の提供が難しい出版社に対し、図書館などが行う著作権法第37条第3項による障害者用資料の製作を支援するため、テキストデータの提供を義務付けてください。 障害者の中にはIT機器を利用できない人もいます。そのような人には図書館等からの資料の提供が求められています。

4.出版物に限らず、公的機関や民間企業からの文書・個人のウエブページ等も含め、あらゆる情報は、原則それを提供しているところが今できる限りの障害者への情報保障を行うべきことを明記してください。

 

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